メビオ英語科の講師 舟木より「アジール」の紹介。
メビオ英語科の講師 舟木より「アジール」の紹介。
2012/05/12(土)
大阪ではこのところ夏を思わせるような天気で、日中は半袖でも
気持ち良く過ごせる日が多かったのですが、昨日は4月中旬並みの
気温で少し肌寒い一日となりました。
さて、メビオの講師のなかには、授業を担当する傍ら、自身の研究内容に
ついて執筆、翻訳活動をしている者もいます。
英語科の舟木もその1人で、「アジール」について研究しています。
馴染みのない言葉かもしれませんが、医療にも深く関係しているそうです。
では、舟木の研究について、また先日発売されたART CRITIQUEという雑誌に
掲載されたアジールについての彼の記事と座談会について本人よりご紹介します。
新緑がすがすがしい季節となりました。
このブログをご覧の方々のなかには、医学部を目指している受験生、その保護者の方、
現在医学部に在籍中、あるいはすでに医師となって活躍しているメビオの卒業生など、
色々いらっしゃることと推察します。
私は、メビオでの仕事の傍ら、京大大学院時代以来「アジール」の研究を続けています。
アジールとは、簡単に言えば「聖域」のことです。
日本でもヨーロッパでも、昔はお寺や教会などは世俗の権力が踏み込めない聖域と
されていました。だから、犯罪者や債務者などがそこに逃げ込めば、公権力も手を出せ
なかったのです。そうした領域が現代の世界に存在するとしたら、それはどこに、
どんな形でありうるのだろうか、ということが私の目下の関心です。
ちなみに、平和と安息が保証されるアジールは心身の病を癒す場にもなりうるため、
実は医療と浅からぬ関係にあります。
実際、精神病院は英語でアサイラムasylumといいますが、これはアジールのことなのです。
『ART CRITIQUE』というアート・思想系の雑誌(4/15日発売)に、アジールについての
拙稿と座談会の記録が掲載されました。
大きな本屋さんならたぶん置いてありますので、気が向けばご覧いただければ嬉しいです。