生物
最新の医学部受験に「最適化された生物」を
既卒生・高3生:指導方針
年々増えていく学習内容に対してつねに最新の「優先順位」を伝えたい
生物は進歩し続けている科目です。分子生物学に細胞生物学、そこから生まれたバイオテクノロジーなど、現在の生物学の進歩は、それはもう目まぐるしいものです。こうした変化に合わせて、各大学の入試問題にも新しい生物学の内容がどんどん入ってきています。だからといって、受験生がそれを自力でフォローしていくのは非常に難しいし、すべてが合格のために必要というわけでもありません。
むしろ大切なのは「優先順位」です。しかも、生物が得意な人と苦手な人ではその「優先順位」も変わってきます。そんな一人ひとりの得手不得手にも配慮しながら、基礎から最先端の話題まで、医学部の生物として何がより大切なのかを伝えていく。そうやって医学部の生物を少しでも効率良く——そしてできれば楽しく——学ぶための手助けができれば、と私たちは思っています。
既卒生:カリキュラム
「やる気」をうまくコントロールして「その気」にさせるカリキュラム
メビオのカリキュラムはいわゆる教科書通りの順番では進みません。受験生の「やる気」をどう引き出すかということに配慮して、学ぶ順番を決めているからです。
- 春はまず、医学部で最頻出の「人体」に関わるテーマから始めてモチベーションを高めます。
同時に、基礎でありながら本当の意味での習得がじつは難しい「細胞分裂」の奥深さについても学びます。 - 夏は受験生の誰もが「勝負の時」だと考えている時期。
そんなふうに誰もがやる気になる季節だからこそ、どんな大学でも出題される「DNA・バイオテクノロジー」の勉強に取り組みます。
また、苦手意識を持つ人が多い「代謝」についても、ここで克服してもらいます。 - 秋は、入試が近づいて来て焦り始める気持ちをむしろ糧にして、「進化・系統」「生態系」といった暗記中心の分野を一気に突破します。
そして、それらを忘れる間もないうちに推薦入試にチャレンジです。 - 冬は一般入試に向けて、テーマ別の「演習テキスト」をなんと25冊もこなします。
それまでバラバラに思えていた知識と知識のつながりが見えてきて、勉強は大変だけれど、生物がどんどん楽しくなってくるのがこの頃です。
この「演習テキスト」25冊をきちんとやりきることができれば、どんな大学のどんな問題にも対応できる力が身につきます。 - 直前期は各大学の問題に合わせたチューニングに集中します。
通常の授業では扱わないようなマイナーなテーマも含めて、狙いすました予想問題で周囲と差をつけます。
その年の入試問題の内容も毎日どんどんフィードバックして作る直前テキストで、最後まで受験生のやる気をサポートし続けます。
Point:入試を乗り越えて、その先にある医学部の学びにもつながる生物学を。
メビオ生物科の最大の特徴は、講師陣がさまざまな分野の専門家集団であることです。発生・分子生物学の専門家に、生物学・医学の翻訳家、生態学者に霊長類社会学者と非常にバラエティに富んでいます。ですから、単なる受験知識よりも一段深いところから、テキストや解答速報を作成することができます。実際、卒業生からは「メビオのテキストは、医学部に入ってからも使える!」という声がよく聞かれます。生物学の知識は、医学部に進んだ後も欠かせないものです。医学部に合格するための勉強はもちろん、その先にもつながる生物学をメビオで学んでほしいと思います。
高校3年生:カリキュラム
「やる気」をうまくコントロールして 「その気」にさせるカリキュラム
高校生も基本的には既卒生と同じテキスト・同じカリキュラムを扱いますので
- 春:人体・細胞分裂
- 夏:DNA・代謝
- 秋:進化・系統・個体群・生態系
- 冬:演習テキスト25冊
- 直前期:大学別直前対策
といった感じで進みます。
ただ、既卒生よりも授業数が少ない分、優先事項を絞り込み、扱う内容を調整することで、推薦入試の時期までにはテキストがひととおり終わるように工夫しています。
具体的には、近年出題が減少or限定傾向にあるテーマ(遺伝・発生など)や、出題する大学が限られる分野(進化・系統など)のウェイトを軽くする一方で、頻出かつ深い理解の求められるテーマ(人体・DNA・代謝など)にはしっかり時間をかけます。
秋以降に扱う演習問題についても既卒生と同じテキストを扱いますが、こちらでも扱う問題を厳選し、基礎知識の定着により重点を置いて授業を進めます。
現象理解を中心にした学習習慣を身につける
高校1・2年生:指導方針
丸暗記じゃない生物は楽しい― 現象理解から「考えて覚える力」を培おう
生物はただの暗記科目だから受験生になって詰め込めば大丈夫だ、と思っている高校生が多いですが、実際の入試問題には丸暗記の学習だけでは対応できない問題がたくさんあります。
もちろん暗記自体は必要ですが、複雑な生命現象をしっかりと理解することができて、はじめて多くの問題に対応することができます。また、単純暗記が苦手な人は、現象理解を通して語句の意味や使い方も理解することができ、暗記がしやすくなります。
メビオでは高1・2生の段階からそのような学習習慣を徹底してもらい、受験生になった際に効率よく学習をすすめるための土台を作っていきます。そのため、1年ですべての単元を扱うのではなく、重要分野に限定したカリキュラムとし、じっくりと時間をかけて学んでいきます。
高校1・2年生:カリキュラム
「DNA」のどんな問題にもひるまない受験生を目指す
生物の入試頻出分野である「DNA」を受験生になった際に効率よく学習できるよう、「DNA」やそれと深く関わる「細胞分裂」に関連する分野を優先的に扱っていきます。具体的には「細胞分裂・生殖」「DNA」「発生」「細胞小器官・生体膜」という章立てです。高1・2生の段階から講義と演習を通して、発展的な問題に対応するための基礎力を養っていきます。
これらの分野が終了したあとは、「個体群・生態系」を扱います。この分野は暗記内容が多いため、ある程度受験直前に知識を詰め込む必要がありますが、高1・2 生の段階で基本的な知識が定着していれば、受験直前の負担を大きく減らすことができます。「人体」に関わる分野や「代謝」「植物の環境応答」「進化・系統」については、受験学年に入ってから扱っていきます。
生物のよくある質問
生物が苦手なのですが、おすすめの勉強方法を教えてほしいです。
「図や絵を描いて、他人に説明する練習をする」というのが、一番力がつく方法だと思います。
みなさんが生物の用語や概念を本当にきちんと理解できているかどうかは、図や絵を描いて説明してもらうとすぐに分かります。用語の意味を誤って理解していたり、理解が不十分だったりすると、決して正しい説明はできないからです。
ただし、この方法を実践するには、自分が描いた図や絵が適切なものとなっているか、知識に過不足がないか、常にチェックしてもらえる相手が身近にいることが前提になります。
覚えることがあまり好きではありません。できるだけ暗記をせずに生物のちからをつけることは可能でしょうか?
「できるだけ暗記をせずに」というのは正直難しいところがあります。やはり生物という科目には覚えなければならないことがたくさんあるからです。しかし「できるだけ効率よく暗記をする」というのであれば可能です。
1つの知識によって1つの設問にしか答えられないような「1対1対応の知識」ではなく、1つの知識によって角度の異なる複数の設問に答えられるような「1対多の知識」を身につけることが「効率の良い暗記」です。
そのためには、1つの知識についてできるだけ論理的に深く理解を得られるようにする必要があります。これは一見回り道のように思えますが、1年を振り返ってみると、結局はそのほうが暗記する内容は少なくて済む上に「生物の本質的な力」が身につきます。
過去問対策はいつから始めるのがよいでしょうか?
生物で過去問対策をする意義は大きく分けて次の2つです。
- 頻出のテーマを経験しておく
- 時間配分を体感しておく
1.については、大学別模試などを通じて、早めに経験しておくことが望ましいでしょう。早めに経験しておけば、その分野について学習する際に「最終的にどのくらいのことができればよいのか」といった目標を立てやすくなります。
一方で2.については、学習の達成度や実力に応じて変化するものなので、あまり早く行っても意味はありません。生物と化学を合わせて2科目120分で試験を実施する大学も多いため、化学と合わせて時間配分を考える必要もあります。したがって、できるだけ直前に行うのが望ましいと言えます。
よって結論としては「大学別模試などを通じて、早めに頻出テーマを知った上で各分野の学習に臨み、直前期に化学と合わせて時間配分を身につける練習をする」というのが理想的だということになります。
物理と生物のどちらを選択するか迷っています。どちらが向いているのか正直分かりません。選択する際の基準はありますか?
次の3点を基準に考えてみてください。
- 物理と生物のどちらをより「面白い」と感じるか?
- 暗記の作業をどのくらい「苦しい」と感じるか?
- 英語と数学のどちらが得意か?
まず1.についてです。物理であれ生物であれ、「面白い」と思えるかどうかが結局は一番重要だと思います。どちらを選んでも必ずどこかで壁にぶつかるときはありますが、まったく面白さを理解できないものに対して前向きに取り組むのは非常に骨の折れる作業だからです。
とはいえ、やはり生物は「暗記科目」としての側面が強く、最低限の暗記は避けて通れません。生物は、覚えなくてはならない知識の量について言えば、おそらく一番多い科目でしょう。ゆえに2.が基準として重要になります。「暗記が苦痛で仕方がない」という人には、正直向いていません。
3.は科目としての相性・相関性の問題です。生物がある程度得意な人は、英語もそれなりに得意だ、という場合が多いです。「暗記が嫌いでない」とか「設問の意図を文脈から推し量る力が優れている」といった点で、英語と相関性があるのでしょう。物理ほど計算力を前提とする科目ではないので、数学の成績との相関性はあまり見られません。
以上3点挙げましたが、物理と生物のいずれを選ぶにせよ、「最後は自分自身で決める」「選んだあとは覚悟を決める」というのが一番大切なのではないかと思います。
生物を選択しておかないと、医学部に入ってから苦労するぞ、と先生から言われたことがあります。物理から生物に変更するべきでしょうか?
たしかに、物理選択者のほうが、医学部入学後に苦労をする場面は多いのかもしれません。しかし、医学部に進学した生徒たちの話を聞く限り「だから物理から生物に変更すべきだ」というほどの苦労ではないように感じます。身も蓋もない話なってしまいますが、そもそも医学部に入れなければ苦労も何もありません。やや「取らぬ狸の皮算用」的な心配なのでは、と感じます。
したがって、まずは医学部に合格するために、自分にとって物理と生物のどちらにより適性があるのか、という基準で判断すべきだと思います。