近畿大学医学部 後期試験 入試問題の講評
近畿大学医学部 後期試験 入試問題の講評
入試
メビオ講師コラム
2016/03/09(水)
3月8日、近畿大学医学部の後期試験が実施されました。
志願者数は1094名で昨年の1321名より227名の減少。それでも定員は5名ですから厳しい戦いに変わりありません。ちなみに昨年の合格最低点は400点満点で351点でしたが、今年は数学の「大問3」が難しかった分、合格最低点は昨年よりやや下がることも考えられます。それでも9割前後の勝負となるでしょう。
各科目の講評は以下の通りです。
数学
Ⅰ.(小問集合) (1) は易しいが計算が煩雑。(2) はすべて調べ上げてもよいが、かなり面倒な作業になる。(3) は易しいので確実に正解したい。
Ⅱ.(2 次関数のグラフ) 比較的易しい。ここは完答したい。
Ⅲ.(図形問題) (2) で方針を立てるのが難しかったかも知れない。なお、(4),(5) は(2) ができていなくても解ける。
ここ数年は易化傾向だったが、今年は難化した。ボーダーは8割5分前後か。
英語
形式・内容ともに例年通り。
Ⅰ.会話 標準的。
Ⅱ.空所補充 やや読みにくい部分はあるが、品詞を意識すれば空所の補充自体は容易。
Ⅲ.文法 4 択 倒置や省略にまつわるやや難しい問題がある。
Ⅳ.同意文選択 肢を2つまでは絞れるがそこからの選択が難しい問題がある。
Ⅴ.同義語 標準的。
Ⅵ.語句整序 標準的だが、強調構文の省略はやや難しい。
Ⅶ.長文内容一致 標準的 特に迷う選択肢もない。
文法 4 択・同意文中心に昨年よりは選びづらい問題が増え、やや難化。全体として 9割弱が目標。
物理
Ⅰ.重力と水平方向にかかった一様な静電場中の荷電粒子の運動。過去問にも同じ設定の問題は多い。5は4との関係でミスしやすいが,残りの問題は易しい。
Ⅱ.半導体の知識とホール効果.前半は知識が曖昧な受験生はミスしやすい.残りの問題は易しい。
Ⅲ.ドップラー効果の公式の導出.基本的で易しいが,最後の計算は慌てるとミスするかもしれない。
総じて昨年度より易化している.合格には9割は必須。
化学
今年度から新課程での出題となり、昨年まで出題されなかった高分子化合物の問題が出たが、内容は標準的であり落とせない問題であった。
それ以外の問題も特に解きにくい難問はなく、競争率を考えれば例年通り9割の得点が必要であろう。
生物
問題は全体として標準的な知識を問う問題が大半であった。大問Ⅳは、問題を丁寧に読めば、対応できたであろう。大問Ⅴは、伴性遺伝と連鎖を組み合わせた問題であった。
一見複雑な問題に見えるが、遺伝の問題としては標準的であり、時間をかけて丁寧に整理すれば得点できる。易化した昨年に比べても今年はさらに易化しており、9割は得点する必要があるだろう。
↑講師ルームで問題を解いている様子です。