2017年度 久留米大学医学部入試の講評
2017年度 久留米大学医学部入試の講評
入試
メビオ講師コラム
2017/02/02(木)
2月1日、久留米大学医学部の1次試験が行われました。志願者数は1951名で昨年より22名の増加です。各科目の講評を以下にまとめました。
生物以外の科目は例年より易化傾向で、昨年の1次試験の合格最低点、265/400よりかなり高くなり、300点以上が必要かも知れません。
生物と物理の点差が大きくなりそうで、得点調整があれば最低点も変わってくる可能性もあります。
数学
1. 「整数」(易)整数問題の基本的な問題である。完答しないといけない。
2. 「数学Ⅲの積分」(標準)f(x) を微分して増減表を書こうとするとやや面倒になってしまうが、それでも難しくはない。
3. 「数列」(やや易)簡単ではあるが、正確な計算力が必要。
4. 「三角関数」(標準)動きが見えていないと苦しいが、それほど複雑な設定でもない。
5. 「確率」(標準)標準的なレベルの問題だが、差がつくだろう。
6. 「微分・積分計算」(やや易)(1)は対数微分法を知っていれば易しい。(2)は根号を置換する普通の置換積分だが、 1/3乗という記法に慌てないこと。
基本~標準レベルの問題ばかりであった。易問での取りこぼしは極力避けたい。最低7割は欲しい。
英語
形式:昨年と全く同じ。大問7題。
内容:
1(長文)大学生のあるべき姿に関する文章。受験生にとっては昨年より読みやすい内容。空所補充、内容一致ともに昨年よりはやや易化。
2(文中語句整序)活版印刷術の到来がもたらした影響に関する文章。文章内容は平易に見えるが、設問そのものは副詞の位置や and の並列に関して決定しにくいものが含まれるので、難易度は例年並み。
3(和訳・英訳)使えるのに廃棄される電子機器に関する文章。昨年同様、和訳・英訳ともに問題文をうまく利用したい。
4(会話)標準的。完答を目指したい。
5(正誤問題)標準的。完答を目指したい。
6(文法・語法4択)全般にやや難易度が高い。
7(発音)難易度は例年並み。過去問で練習していれば、さほど難しくはない。
全体:2016年度より文章は読み易くなり、空所補充・内容一致等に迷うところは少なくなった。反面語句整序は受験生には確実に選ぶことが難しく、どちらも差がつきにくい。
大問3~5、及び大問6, 7の基本的な問題をどれだけしっかりとできたかで差がつく。全体で7割が目標。
物理
大問1:運動する列車中の落体の運動 (基本)
大問2:熱サイクル (標準)
大問3:コンデンサー (標準)
昨年度易化したが、今年度はさらに易化。大問3の最後の計算は少し工夫した方が良いが、あとは教科書通りの基本問題。8割5分がボーダー。
化学
大問1~3全て、素直な解きやすい問題ばかりで難問は全くない。計算問題も数値がきれいなので計算も楽。満点も続出したのではないだろうか。合格には8割5分は必要。
生物
大問2と3は単純な数値計算ではなく、数学的要素が大きい問題が多く、受験生にはとっかかり辛い問題であった。途中で躓くとその先も獲れないので非常に大きな差がつく。100 字の記述は例年通りであったが、グラフの変化が意味するところを把握できたかが鍵。大問1は「すべて選べ」なので正確な知識が必要であることを考えるとボーダーは7割弱。物理・化学との間に大きな得点差が生じたと考えられる。