2017年度 大阪医科大学 前期入試の講評
2017年度 大阪医科大学 前期入試の講評
入試
メビオ講師コラム
2017/02/13(月)
遅くなりましたが、2月11日に実施された大阪医科大学前期試験の講評です。
各科目、形式的な変化はありません。数学が昨年より難化し、今まで通りの難易度に戻りました。各受験生とも英語、数学で苦労した分を理科でどれだけ取り返せたかが勝負の分かれ目でしょう。合格最低点は昨年より少し下がって、6割半というところでしょうか。各科目の解答はこちらをご覧ください。
英語
大問Ⅰは気候変動に関する人々の認識についての文章で、形式は例年通り。易しめの出題で、構造についても悩む部分は少ない。大問Ⅱは記憶の秘訣に関する内容で、昨年と同じく説明問題を含んでいた。一見読みやすいが、指示内容を明示する必要のある小問2は難しいだろう。大問Ⅲは問題文の構造自体はとらえやすく、定型表現を多く用いる標準的な問題だが、つなげる部分に工夫を要する。大問Ⅲの出来次第で点数に差が出るだろう。全体として6割5分が目標。
数学
〔1〕[パラメータ](標準)典型的なパラメータの問題。丁寧に計算していくだけ。細部の失点には気をつけたい。
〔2〕[数Ⅲ積分](標準)非回転体の体積の問題。これも典型的な問題。
〔3〕[ベクトル](標準)三角形の内心をベクトルで扱う問題。
〔4〕[確率](標準)やっていること自体は単純。(3) の計算が煩雑。
〔5〕[複素数](やや難)複素数を用いて平面幾何を扱う問題。慣れが必要。完答し辛い。
例年通りの難易度に戻った(昨年より難化)。すべての問題が「標準~やや難」という実力の差が出やすいセット。大いに差がつきそうだ。全問見渡して完答2題、半答3題で乗り切りたいところ。ボーダーは6割5分
物理
大問Ⅰ 単振動と放物運動
大問Ⅱ 弦の上を伝わる波の速度の理論的導出
大問Ⅲ 光電効果
大問Ⅳ 小問集合 (電力輸送、重心、ドップラー効果とうなり、物質の三態)
大問Ⅰは標準的な問題。(4) ⑬は振動の中心がずれることに注意する。
大問Ⅱは、やや難しい理論的計算。誘導に上手く乗れないときちんとした結論を出すのは難しい。
大問Ⅲは内容は標準的であるが、阻止電圧の符号が逆であったり、計算の表式がやや複雑になったりするので、正確に計算結果を求めるのは難しい。
大問Ⅳ (1) の電力輸送は大医では頻出。(2) は手を抜くとミスしやすい。
総じて、ボーダーラインは7割。
化学
大問Ⅱがコロイド、Ⅲがアミノ酸の等電点の問題で、内容は標準的なので、落としてはいけない。
大問Ⅰの反応速度はかなり難しいので、ほとんど出来ない受験生が多いであろう。Ⅳの構造推定の出来が合否を左右しそう。合格には7割必要。
生物
昨年の前期試験に引き続き、基礎的な内容が多く出題されたものの、深い理解が試される良問であった。8割5分は欲しいところ。