関西医科大学について|メビオ数学科 講師 中平
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入試
メビオ講師コラム
2021/01/25(月)
関西医科大学の数学について
関西医科大学は2020年の世界大学ランキングで京都大学、大阪大学に次いで関西圏の大学で3位、日本で14位となり、教育力・研究の影響力・産業界からの収入面などで高い評価を得ている人気の大学です。
教育面にも力を入れており、教員と学生との距離が非常に近く各種サポートも充実している大学と言えます。
また、西日本の私立医科大学の中では最も学費も安いので多くの受験生が目標にしています。
推薦型選抜試験には特色選抜試験(英語型・国際型・科学型)があるなど入試制度も全9種類と非常に豊富であることも特徴です。
合格比率は男子が約60%、女子が約40%で高卒生が全体の約85%と多く占めています。
今回はそんな関西医科大学の一般選抜試験の数学の入試についてアドバイスしてみようと思います。
ここ数年で出題形式が大きく変化している数学の入試問題
まずはこの一般選抜試験ですが、
前期・後期ともに1次試験が数学(100点)、英語(100点)、理科2科目(200点)、小論文(段階評価)の合計400点満点で
大阪・東京・名古屋・福岡の全国4会場で実施されます。
2020年度入試では前期・後期ともに1次試験の合格最低点は246点(61.5%)でした。
目標としては全体で65%得点できるように勉強をしていきたいところです。
2次試験は面接のみとなっています(1次試験時提出の小論文とあわせて評価されます)。
それではここから関西医科大学の数学の傾向と対策について紹介しようと思います。
関西医科大学の数学の入試問題は大問が4題出題され、試験時間は90分です。
大問1は例年小問集合であると言えます(ただし2016年前期、2019年前期後期は大問が出題された)。
またここ数年で出題形式が大きく変化していることが特徴です。
2013年から2017年まではすべて穴埋め形式であったのに対し、2018年の前期は最後の大問4のみが記述形式、2019年に至っては前期後期ともにすべて記述形式、2020年は前期は大問1・2が穴埋め形式(1か所のみ記述)、大問3・4が記述形式(後期は大問1のみ穴埋め形式、大問2・3・4は記述形式)で出題され、ここ数年で大きく出題形式に変化がありました。
おそらく2021年度入試は2020年と同じく穴埋めと記述が半々、もしくは2012年以前のように大問1のみ穴埋めで残りは記述形式と考えて記述対策も視野に入れて準備をしていくのがよいかと思います。
また難易度については、2014年までは比較的易しい問題が多かったのですが2015年からは上位国公立大レベルの問題も出題されるようになり、大問1の小問集合も2017年までは5、6問あり1つ1つの分量は軽かったのですが2018年からは3問になりやや重くなりました。
とはいえ、穴埋め形式の問題では標準的な問題もよく出題されているので典型的な標準問題を早く正確に解く必要があります。
穴埋め形式であるため答えを間違えると一切の部分点が発生しない点には注意しておきましょう。
2020年 【前期】
大問1:小問集合(対称式,対数,集合)
大問2:図形と方程式・2次関数・極限
大問3:確率
大問4:複素数平面
2020年 【後期】
大問1:小問集合(三角関数,整数,数Ⅲ微分)
大問2:数列
大問3:空間ベクトル
大問4:図形と方程式・2次関数
2019年 【前期】
大問1:整数
大問2:平面ベクトル・三角関数
大問3:数列
大問4:数Ⅲ積分
2019年 【後期】
大問1:整数
大問2:複素数と方程式
大問3:確率
大問4:数列
2018年 【前期】
大問1:小問集合(数Ⅲ微分,整数,図形と方程式)
大問2:数列
大問3:集合・場合の数
大問4:複素数平面
2018年 【後期】
大問1:小問集合(数Ⅲ積分・確率・数Ⅲ積分)
大問2:数Ⅱ微分積分
大問3:確率
大問4:図形と方程式・数Ⅲ積分
2017年 【前期】
大問1:小問集合(複素数平面・整数・対数・三角関数・数Ⅱ微分積分・命題と証明)
大問2:確率
大問3:平面ベクトル
大問4:数Ⅲ積分
2017年 【後期】
大問1:小問集合(整数・対称式・データの分析・図形と計量・複素数平面)
大問2:図形と方程式・2次関数・数列
大問3:確率
大問4:数Ⅲ積分
対策
上の出題単元からもわかるように、頻出単元としては【図形と方程式】(特に円が絡む問題)、【数列】(特に漸化式に関する問題)が非常に多く出題されています。
また、【整数問題】や【確率】、【数Ⅲ積分】(特に媒介変数表示の問題)もよく出ているためこの5単元は特に重点的に勉強しておく必要があると思われます。
漸化式に関しては型を覚えるだけでなくその後の級数の極限あたりまで関連づけて勉強しておきましょう。数Ⅲ積分に関してもオーソドックスな求積だけでなく積分方程式や部分積分と漸化式、区分求積法あたりまでしっかりと勉強しておきましょう。
また2018年後期大問4では大問1の小問集合で扱った媒介変数表示の積分(アステロイド)を利用するといったトリッキーな出題もありました。
対策としては、まずは上で述べた5単元を記述答案が作成できるレベルになるようしっかりと対策していく必要があります。
もちろん上記以外からもまんべんなく出題されているので他の単元も標準レベルまでは解けるように対策しておきましょう。
制限時間も90分とけっして長くはないので計算のスピードと正確性も求められます。
穴埋め問題に関しては当たり前ですが解答しか書かないため少しの計算ミスや書き間違いが命取りになってしまいます。
日々の演習から意識して勉強しておくようにしましょう。
関西医科大学の数学は少し難しい傾向にあるので65%得点を目標に頑張りましょう。