【講評】関西医科大学[後期] 入試問題分析
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メビオ講師コラム
2022/03/06(日)
2022年度 関西医科大学[後期] 講評
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英語
【Ⅰ】 [長文] (標準)
「コロナ禍におけるインフルエンザ感染者数の減少」に関する英文。出題形式はほぼ例年通りで、文章内容は標準的だが、一部難易度の高い設問も含まれる。
【Ⅱ】 [長文] (標準)
「在宅ワークによるQOLの向上」に関する英文。文章内容は標準的だが、語彙や語法の知識、文構造の適切な分析が要求され、一部判断しにくいものも含まれる。
【Ⅲ】 [長文] (標準)
「夢の内容についての記憶」に関する英文。問題文の語数は最も多いが、内容は平易である。新形式の設問も含まれるものの、大問3つの中では最も得点しやすい。
●総評
大問構成、分量は前期とほぼ変わらず。設問数が増加しており、記述問題はある程度自分でまとめる作業が必要である。内容一致問題を確実に得点できるかどうかが合否を分ける。目標は65%
数学
【Ⅰ】 [複素数平面] (やや易)
ド・モアブルの定理を利用する典型問題。ここは完答したい。
【Ⅱ】 [整数] (標準)
2次式で表された整数が平方数となる条件を考える典型問題。ここも落とせない。
【Ⅲ】 [図形と方程式] (やや難)
2点を通る直線が円と接する条件は点と直線の距離の公式を用いる。(2)を答えるには解の公式が必要になる。それを使って(3)で得られた関係式を整理していくことになる。ある程度力づくの計算が必要となるので、そこは頑張らないといけない。
【Ⅳ】 [2次関数、確率] (標準)
指定された点を通る放物線を決定する問題である。得られた放物線が他の点を通るかどうかは図形的に候補が絞られるので、それも利用すること。(5)の確率の答は問題の流れから見当はつくが、答案が作成しにくい。P1P2およびそれと対称なもの以外にないことをどう説明するかである。ここでは異なるy座標の個数に注目することにしたが、解答用紙のスペースを考えると厳密な議論をしていなくても正解となっている可能性はある。
【Ⅴ】 [数学Ⅲの微積分] (標準)
分数関数について、漸近線や増減を調べてグラフを描画し、面積を求める問題。非常にオーソドックスな内容で、ここは完答がほしい。
●総評
2022年前期と同様に、昨年度まであった小問集合は姿を消し、大問が5問であった。後期は前期と比べて問題の難易度が高いことも多いのだが、今回は2022年前期に比べると取り組みやすい問題が多い。また2021年後期と比べても易化している。目標は80%
物理
【Ⅰ】 [力学:大気圧の力学模型] (標準)
気体分子の運動に注目した圧力の導出問題などを下敷きとした力学の問題。実際には、重力のみを受ける質点の鉛直運動、固定面との衝突、その固定面の受ける力積についてという、基本的な概念を丁寧に適用することを要求している。誘導も親切なので、きちんと得点しておきたい。
【Ⅱ】 [電磁気:質量分析器] (標準)
標準的な質量分析器の問題である。問3には幾何的処理が必要な部分もあるが、問題文に詳細な図が与えられており解きやすい。問4の計算は難しい。
【Ⅲ】 [波動:レーザードップラー法] (標準)
斜めに交差するレーザーの干渉と、これを利用した物体の速度の測定に関する問題である。干渉条件の考え方については典型的とは言えないが、波の干渉についての一般論の取り扱いに慣れていれば完答することができるだろう。
【Ⅳ】 [熱:気体の状態変化] (標準)
pーV図上で、傾きが負の直線に沿った方向への気体の状態変化に関する問題。状態変化の途中で、温度が上昇から下降に替わり、吸熱から断熱変化に替わる。問5では、状態変化が吸熱から断熱膨張に移行することに気づいている必要があり、難しい。
●総評
総じて昨年度後期よりやや易化している。大問1は標準的なので完答したい。大問2の問4以外は正答しておきたい。大問3は出来不出来が非常に分かれる問題なので、5割程度。大問4は最後の選択肢以外は正答したい。目標は60%
化学
【Ⅰ】 [反応速度論] (標準)
一次反応の反応速度に関する問題である。一見すると計算量が非常に多そうな印象だが、速度定数を計背案させたりする部分はなく、すべて単純な計算で求められるものであった。知識問題も基本的なものばかりなので、見かけに怖気づいてしまうことなく落ち着いて臨みたい。
【Ⅱ】 [小問集合] (やや易)
ナトリウムをテーマにした小問集合。それぞれの小問には関連性はなかった。問5は1ページに及ぶ文章の問題だったが、内容は標準的だった。その他の問題もややや易〜標準の難易度。ここは冷静に得点したい。
【Ⅲ】 [化学平衡] (標準)
化学平衡に関する問題。実験1〜実験3に関連性はなく、それぞれ分けて解くことができる。実験1、2に関する問題(問1〜4、問5〜6)はいずれも典型的。実験3に関する問題(問7)は近似を使わないで解く必要がある点に注意を払わねばならなかった。
【Ⅳ】 [油脂] (標準)
油脂のけん化、抽出分離、元素分析による分子式決定。KMnO4酸化による構成脂肪酸の構造推定という内容だった。問4の上層と下層に含まれる物質は完全に反応が進行したものとして答えていいだろう。難易度の高い問いはないのだが、問題文が長いので内容を正確に読み取り把握する力によって差がつきそう。
●総評
2021年度後期と比較して総ページ数は増えたものの、大問4題という形式面の変化もなく、難易度にも大きな変化はなかった。易問における少しのミスが大きく響く試験になりそう。一次合格には75%程度が必要になってくるだろう。
生物
【Ⅰ】 [小問集合] (標準)
出題範囲は幅広いが、内容的には標準レベルの設問が多いので、しっかり得点しておきたい。
【Ⅱ】 [光合成] (標準)
2種類のグラフを関連づけて読み取ることができれば、あとは取り組みやすい設問ばかりなので、高得点を狙いたい。
【Ⅲ】 [生体防御] (やや易)
「すべて選べ」を選び切れる正確な知識があれば易しい。
【Ⅳ】 [神経伝達・筋収縮] (やや易)
問4は条件に注意する必要があり、問6はやや出題頻度が低い設問であるが、全体的には非常に取り組みやすい。
●総評
全体的に取り組みやすい設問が多く、精度の高い知識の運用ができたか、解答の仕方の指示にきちんと従って解答できたかどうかで差がついただろう。後期試験という狭き門であることを考慮すると、目標は85%
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