【講評】大阪医科薬科大学[後期] 入試問題分析
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メビオ講師コラム
2022/03/11(金)
2022年度 大阪医科薬科大学[後期] 講評
英語
【Ⅰ】 [和訳] (標準)
「運動が学習能力に及ぼす影響」に関する英文。文構造に関しては、強調構文などに注意したい。instructionなど一部の単語は訳出に気を付ける必要があるものの、全体としてはとくに難しいところはない。
【Ⅱ】 [和訳] (標準)
「笑いの種類と社会的機能」に関する英文。spontaneousとvoluntaryのような訳出に注意すべき単語も一部含まれる。説明問題では、説明すべき内容の比重のかけ方には迷うところがあるだろう。
【Ⅲ】 [英訳] (標準)
「科学技術の発展が社会に及ぼす影響」に関する和文中の英訳。構造的に迷うところは少なく必要とされる語彙も標準的であり、日本語に即して素直に訳すことができる。
●総評
大問構成は例年3題。大問Ⅱで50字の理由説明問題が出題された。長文はどちらの大問も非常に具体的な話題であり、内容は理解しやすい。文構造を把握するのにあまり苦労することはない。文脈を踏まえた訳語の選択で差が出るだろう。全体としてやや易化。目標は65%
数学
【1】 [数学Ⅲの微分] (易)
(1)は(右辺)ー(左辺)の増減を調べるだけである。(2)では、与式の各辺の対数をとって同値変形すると、一方の不等式は(1)と同じになる。他方の不等式もまったく同様に考えて示すことができる。この問題は落とせないだろう。
【2】 [データの分析] (標準)
母集団を2つに分割したときの、全体の平均・分散と各集団の平均・分散の関係に関する有名な事実を証明させている。計算自体は難しくないのだが、文字が多いので慣れていないと処理が難しいだろう。
【3】 [確率] (やや難)
偶数のカードの存在は確率に影響しないことを見抜かないと複雑になってしまう。(3)はX=2の場合を一つ固定し、そこに青いカードの1、3をがどう分配されるかを考えればよい。赤と青のカードの入れ方のルールが異なることに気をつけたい。
【4】 [数学Ⅲの微積分] (標準)
f(x)=aの解が1つになるということから、f(x)が単調であることを示せばよいと気付きたい。(2)では逆関数を求めるのではなく、グラフのどの部分の面積を表しているかを考えて解くと良い。
【5】 [整数] (やや難)
(1)では、y≧2から2y≡0(mod4)なので、4で割った余りに注目するとよい。その結果を利用して、(2)ではy≧2の場合の解を因数分解で求める。y=1の場合も考えるのを忘れないこと。
●総評
例年と異なり、図形の出題がないのが目を引く。難易度は2021年後期、2022年前期と同程度、【1】は完答したい。それ以外の4問はいずれも差がつく問題であり、それらでどれだけ立ち回れたかが合否に影響するだろう。目標は60%
物理
【Ⅰ】 [力学:運動方程式と単振動] (標準)
滑車とばねを介して結ばれた3物体の単振動の問題。⑥までは完答したい。最後は台車を床に固定しない場合を考えるがこれはやや計算が多く、時間がかかるので後回しでもよいだろう。
【Ⅱ】 [波動:透明な円柱を伝わる光] (標準)
標準的な光ファイバーの問題の類題。(5)までは完答したい。(6)は状況を把握できていないと手が出ないかもしれない。
【Ⅲ】 [原子:ボーアの理論] (やや易)
標準的なボーアの理論の問題。完答したい。
【Ⅳ】 [小問集合] (標準)
小問集合は、2022年度前期は3問だったが4問に増えた。(4)の消費電力が等しくなる場合はやや難しい。
●総評
2021年度後期と比べて易化した。2022年度前期に比べても若干易しい。大問Ⅰおよび大問Ⅱの最後および、大問Ⅳの(4)がやや難しいがほかは標準的。問題量が多いので、時間のかからない問題を手早く処理できたかどうかで点差がつく。目標は80%
化学
【Ⅰ】 [ボーリングの電気陰性度] (やや難)
ボーリングの電気陰性度の定義に関する問題である。おそらくこの話を知っていた受験生はほとんどいなかったと思われるが、そのような問題は本文をよく読めば解けるように作られているはずなのであきらめないように。問5ではヒントの√(1-x) ≒ 1-0.5x が使える数値が出てくると安心できるだろう。さらにClの電気陰性度が3ぐらいであることを知っていれば自信がもてる。
【Ⅱ】 [アンモニア] (標準)
アンモニアに関する出題。反応式やハーバー・ボッシュ法などの基本的な問題が多かった。字数指定のある論述問題などがあるが、手際よく完成させて高得点を目指したい。
【Ⅲ】 [血液の緩衝作用] (標準)
血液中の二酸化炭素・炭酸およびそのイオンによる緩衝作用の知識問題と、平衡定数を用いた計算および平衡の移動についての考察問題だった。問題文をしっかりと読んでその内容を理解すれば正当できる問題だが、平衡定数や指数対数の扱いになれているかどうかで解答のスピードには差がつくだろう。
【Ⅳ】 [セルロース・繊維] (標準)
内容は標準的な知識および計算であったが、糖類の構造式に親しんでいたか、高分子の計算をしっかり対策していたかどうかが問われた。それらの設問を正当した上で、問3の記述をしっかり書けたかどうかで差がつきそう。問4の無水酢酸の量では、一旦ヒドロキシ基すべてをアセチル化する必要があるため、直接ジアセチルセルロースを合成するのに要する量よりも多くなることに気づく必要があった。
●総評
例年通り大問4つの形式で、難易度としては2021年度後期から大きな変化はなかった。どの大問も大阪医科薬科大学の受験者層の中で差がつきそうな難易度であったが、Ⅱ〜Ⅳを得点源にした上でⅠでどれだけ得点できるかという闘いであろう。1次合格への目標は70%程度と予想される。
生物
【Ⅰ】 [神経系と恒常性] (易)
基本的な知識を問う設問ばかりなので高得点を狙いたい。
【Ⅱ】 [バイオームと暖かさの指数] (標準)
やや細かい知識を問う設問があったり、論述が書きにくかったりするものの、全体的には標準レベルの出題なので、できるところをしっかりおさえたい。
【Ⅲ】 [魚類の浸透圧調節と進化] (標準)
色々な論述のまとめ方ができるので、見た目よりは取り組みやすかっただろう。
【Ⅳ】 [タンパク質] (やや易)
シグナル配列についての論述以外は易しいので、高得点を狙いたい。
●総評
論述をどこまでまとめきれたかで差がついただろう。後期試験という狭き門であることを考慮すると目標は85%
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