医学部コラム
【講師監修】関西医科大学医学部の入試傾向と受験対策・勉強法を解説|医学部進学予備校メビオ
基本情報
2023/08/01(火)
(最終更新日2024/12/13)
私立医学部は学校ごとに入試問題に特徴があります。合格を勝ち取るためには最新の入試の出題傾向を知り、しっかりと対策を行うことが必要です。この記事では、関西医科大学の受験をめざす人を対象として、今年の入試の出題傾向分析や受験対策・勉強法、受験に際して知っておきたいポイントなどを紹介します。
目次
1.関西医科大学医学部の概要
2.関西医科大学医学部の入試情報
3.関西医科大学医学部合格に向けたロードマップ
3-1.高1生
3-2.高2生
3-3.高3生
4.関西医科大学医学部の科目別受験対策・勉強法
4-1.英語
4-2.数学
4-3.化学
4-4.物理
4-5.生物
4-6.小論文
4-7.面接
5.【2023最新】関西医科大学医学部の各科目講評と全体統括
6.関西医科大学医学部に合格した受験生の体験談
7.関西医科大学医学部の受験対策についてよくある質問
7-1.関西医科大学医学部の特徴は?
7-2.関西医科大学医学部の難易度はどれくらい?
7-3.関西医科大学医学部の受験対策や勉強法はどうすればいい?
8.関西医科大学医学部の受験対策ならメビオの大学別模試の受験がおすすめ
関西医科大学医学部の概要
関西医科大学は、1928年(昭和3年)に大阪女子高等医学専門学校として開学し、1954年からは男女共学の学校となりました。その後、関西医科大学と名称を変更して現在に至っています。90年を超える歴史を有する私立医科大学で、これまでに8,400人を超える卒業生を輩出しました。
関西医科大学医学部の入試情報
【所在地】大阪府枚方市新町2-5-1
【学生数】755名 ※2022/05/01
【公式サイト】https://www.kmu.ac.jp/juk/
【アドミッション・ポリシー】
【求める学生像】
医学・医療の進歩と質の向上に努め、豊かな感性と教養があり、生涯にわたり国際社会や地域社会に貢献できる医師を育成するため、次のような人材を求めています。
- 高い倫理性と豊かな人間性を有する人
- 医学・医療の進歩に貢献しようとする熱意を有する人
- 医師に必要な使命感、協調性を備えた高いコミュニケーション能力を有する人
- 課題を発掘する好奇心や探究心を有する人
- 自己啓発・自己学習を継続する意欲を有する人
【6年間の学費】2,100万円
【奨学金情報】
関西医科大学特待生制度
関西医科大学学生奨学金
研究医療コース貸与奨学金
関西医科大学特定診療科勤務を条件とする奨学金
関西医科大学慈仁会給付奨学金
日本学生支援機構の奨学金
地方公共団体および民間の奨学団体による奨学金制度 関西医科大学医学部の試験科目・募集人数・受験料・出願期間、入試日程・会場アクセス、受験者数・合格者数など詳細情報はこちら
関西医科大学医学部合格に向けたロードマップ
高1生
医学部に入るためには高校1年生のうちから以下のことに取り組むことが重要です。
まずは高い学力を身につけるために、授業に真剣に取り組み、定期的な復習を行いましょう。数学や英語に特に力を入れることが必要です。
特に推薦試験を考えているなら、英語の試験でも英語以外の幅広い教養が求められる傾向にあるので、日頃から国語や社会といった科目にも力を入れて学習しておくことが必要です。
また、医学に関連する本やウェブサイトを読んで知識を広めることも大切です。
さらに、ボランティア活動や病院見学など医療現場に触れる機会を増やし、医師の仕事や現実を理解することも意義があります。
高2生
高校2年生の場合は、以下のことに取り組むことが重要です。
まずは学力向上に注力し、特に数学や英語を重点的に学びましょう。
予習や復習を欠かさず行い、定期的なテストや模試で自己の理解度を確認しましょう。
英語については、速読力を身につけておくことが大切です。また、自由英作文に備えて、自分なりの意見を発信できるように、医学に関連した話題に日頃から触れておくことが大切です。さらに、医療に関連するボランティア活動や研修プログラムに積極的に参加し、医療現場の実践的な経験を積むことも重要です。
最後に将来の進路や大学選びについての情報収集を始め、必要な準備や対策を進めることも大切です。
高3生
高校3年生の場合は、以下に注力することが特に重要です。
できるだけ早い段階で、関西医科大学の過去問に触れて、今の自分に足りない力が何なのかを明確にしておきましょう。例えば、自由英作文を時間内に仕上げられない、長文は意味を理解できても、空所に何を入れていいかわからない、など、人によって抱えている課題は違うはずです。その状況を踏まえて、無駄なく弱点克服を図ることができるかどうかで結果が変わります。
大学別模試なども利用して、実践力を養い、苦手分野を克服する努力を惜しまないようにしましょう。また、志望校の出願要件や受験情報を確認し、必要な書類や面接対策の準備を行いましょう。同時に、継続的なボランティア活動や病院見学など医療現場での経験を積み、自身の意志や目的を深めてください。
関西医科大学医学部の科目別受験対策・勉強法
英語
傾向分析
試験時間は80分で100点満点です。2023年度から一部にマークシートが導入されたことで、出題形式に変化が見られました。1問目はこれまでとは異なり言語に関する問題で、すべてを正しい・正しくないで答える問題形式でした。2問目の出題形式はこれまでと同様の問題形式、3問目はこれまでに例のない新たな出題形式として自由英作文が出題されました。また、関西医科大学の出題傾向は年度によって大きく変化するので、過去問を使って備えていても、それが役に立たないことも起こり得ることを覚悟しておきましょう。
受験対策・勉強法
長文は1,000語を超える文章が出題される傾向があるので、読解の持久力をつけておくことが必要です。設問の傾向そのものは、本質的には大きな変化はありません。選択肢なしの空所補充問題が出されることもあるので、過去問を使って慣れておく必要があります。2023年度に初めて出題された自由英作文は、特定の意見に対する賛成・反対を記述するのではなく、自分の考えを書くタイプのものでした。規定の語数を書くことが難しかった人もいるかもしれませんが、できるだけ何かしら自分の言葉で表現できるよう練習をしましょう。
数学
傾向分析
試験時間は90分で配点は100点です。数IAと数IIBはもちろんですが、数IIIの割合がとても高いため、万全な準備が必要です。昨年度は5問に増えた大問が今年は4問に減り、小問形式は昨年同様見られませんでした。例年は難易度が低い順に問題が並ぶ傾向がありますが、2023年度前期は2問目、4問目はかなり難易度の高い出題でした。数学の出題形式は毎年変更されているので注意が必要です。
受験対策・勉強法
易しい問題への対策としては、教科書傍用の問題集を満遍なく抜けのないように基礎を固めます。難問に関しては、複数の問題集を解くよりも易しい理系レベルの数学問題集1冊をマスターできるまで繰り返し解くとよいでしょう。関西医科大学の過去問はもちろん、やや難易度が高い大阪医科薬科大学や国公立の単科医大の過去問にも触れておきましょう。
化学
傾向分析
試験時間は2科目で120分、100点満点(2科目で200点満点)です。今年は大問が4問出題され、これまでと形式は同じだったものの、理論分野の計算問題が増えたため差がつきやすくなった印象があります。無機化学、有機化学、高分子反応は頻出分野です。今年出題された身近な化学的事象に関する問題や問題文から必要なデータのみを取り出して解く問題などは、今後も出題される可能性があります。
受験対策・勉強法
基礎固めとして、教科書や参考書、予備校で学んだ基礎的なことが理解できているかを確認し、不明な箇所が出てきたときは放置せず、資料集で調べる癖をつけましょう。その後は応用力をつけるために受験用の問題集に取り組み、不明点が出たらその都度解決していくよう努めます。頻出問題は必ず解けるようにしておき、過去問を解いて苦手だと感じた箇所については、基礎固め・応用力をつけるための問題集で該当箇所を再度解いていきましょう。
物理
傾向分析
試験時間は2科目で120分、100点満点(2科目で200点満点)です。物理の出題範囲は力学・電磁気・波動・熱力学・原子のすべての分野にわたっています。出題形式は基本的には大問4問の記述式ですが、後期日程では大問3問となる場合があります。一部には空所補充やグラフ描図の問題も含まれます。毎年関西医科大学の物理は毎年難易度が高いですが、2023年度は一部の問題が解きやすくなりました。計算量が多いため、効率良く解いていかないと時間が足りなくなりがちなので注意しましょう。
受験対策・勉強法
見たことのないような設問が出されるのが特徴ですが、特に近年はグラフや表の読み取り、与えられた情報を分析して結論を求める問題が増えています。これらの問題に対応するには、誘導にうまくのって解答につなげることがポイントです。また、教科書や図録のコラムで取り上げられている題材が出題されることも多いので必ず目を通しておくようにしましょう。入試の標準レベルの問題をスムーズに扱えるようになったら、過去問をじっくり解きます。最難関国立や他の私立医大の過去問で演習するのも有効です。
生物
傾向分析
試験時間は2科目で120分、100点満点(2科目で200点満点)です。体内環境、代謝、動物の反応、細胞、遺伝子などが良く出題され、生物の分類や生物の集団なども出題されることがあります。出題形式は大問4問で、2023年度もその傾向が続きました。解きにくい問題が多少あったものの、努力をしていれば結果につながりやすい良問が出題される傾向になりつつあります。
受験対策・勉強法
2021年度以降、易化傾向にありますが、そのぶん⾼得点勝負になってきていますので、基本⽤語やオーソドックスな計算問題は、分野によらず確実に正解できるようにしておきたいです。⼀⽅で、,問題⽂や図表の解読が求められる考察問題や計算問題も引き続き出題されていますので、難易度の高い大学の過去問や問題集などを用いて経験を積んでおきましょう。
小論文
傾向分析
2023年度より、小論文試験は廃止されています。
面接
傾向分析
形式は個人面接、試験時間は10~15分、評価は段階評価です。基本的にはオーソドックスな個人面接ですが、多浪生や再受験生など、試験官が気になった学生については、2回目の面接が実施されることもあります。2023年度からは小論文試験が廃止されたため、その場で資料を読んで答える、という質問が追加されるようになりました。
【2023最新】関西医科大学医学部の各科目講評と全体統括
関西医科大学医学部は学費を大幅に下げたことで人気が高まり入試が難化したため、いずれの科目も出題に変化がみられました。新しい形式の問題への対策が必要とされます。合格最低水準は250点です。
- 英語は自由英作文が新しく出題されました。なるべく規定の文字数を埋めるよう努力しましょう。
- 数学は点を取りやすい問題と難問が混在しました。解答欄が狭いので、コンパクトに解答できるよう訓練しておく必要があります。
- 化学は高分子の計算問題が5年ぶりに出題されました。理論の計算問題が多めでしたが、出題形式は従来と変化はありません。
- 物理は例年ほどではないものの、難易度がとても高い傾向でした。中でも非常に難易度が高かった回析格子以外の問題は点をしっかり取ることがポイントです。
- 生物は従来と同じ形式でした。1番の小問集合の中に解きにくい問題はあったものの、2~4の大問はオーソドックスな出題でした。
関西医科大学医学部に合格した受験生の体験談
「大学ごとの対策授業」に驚きました
2023年関西医科大学進学/Y K(四天王寺高等学校卒)
11月の推薦入試が近付いてきて驚いたのは、「大学ごとの対策授業」があることです。英数の授業に加え、関西医科大学の推薦試験方式に合わせて生物選択の生徒には物理、物理選択の生徒には生物の授業が用意されていました。また、関西医科大学の傾向を掴んだ過去問、小論文なども練習することができ、このような対策が本番の安心材料になったと感じています。
そして、推薦合格に一番繋がったのは・・・・・・
関西医科大学医学部の受験対策についてよくある質問
関西医科大学医学部の特徴は?
英国の教育専門誌「タイムズ・ハイアー・エデュケーション」が実施した「世界大学ランキング2022」によると、国内の国公立私立大学の総合大学を含めて13位、関西の大学では昨年に引き続き3位にランクインしました。中でも研究の影響力(被引用論文)の評価が高く、国内3位のハイスコアを獲得しています。
関西医科大学医学部の難易度はどれくらい?
私立医学部の難易度は、私立理系学部の中でも総じて高い傾向です。その中でも関西医科大学医学部は上位ランクに位置しています。全国的にみてもトップレベルの慶應義塾大学や順天堂大学や東京慈恵会医科大学などに続く難易度といわれています。西日本の私立医学部では大阪医科薬科大学と並び最難関で、そのレベルは国公立と比較しても旧六医学部と並びます。
関西医科大学医学部の受験対策や勉強法はどうすればいい?
関西医科大学医学部の受験対策としては、自分の得意分野や不得意分野は何なのかをしっかりと把握することが大切です。そのうえで、得意分野はさらに伸ばし、不得意分野をつぶすよう努力していかなければなりません。模擬試験などを利用して今の自分の習熟度を都度確認することが大切です。これまで解説してきた対策法に基づき、合格を勝ち取れる学力を身に付けましょう。