医学部コラム
【講師監修】日本医科大学医学部の入試傾向と受験対策・勉強法を解説|医学部進学予備校メビオ
基本情報
2023/10/17(火)
(最終更新日2024/12/13)
日本医科大学医学部の受験を目指す人に重要なのは、入試の出題傾向を知ること、出題傾向に合わせて十分な対策を取ることです。 この記事では、日本医科大学医学部の入試情報、科目別の出題傾向や勉強法など、受験に向けて知っておきたい情報を紹介します。
日本医科大学医学部の概要
日本医科大学の前身は、1876年に越後長岡藩軍医の長谷川泰によって創設された済世学舎でした。長谷川泰は「済世救民」「克己殉公」を建学の精神とし、私心を捨て、すべての人を分け隔てなく救う精神は現代の日本医科大学にも受け継がれています。創立から140年以上経つ、国内の私立医科大学で最も古い歴史を誇る大学です。
日本医科大学医学部の入試情報
【所在地】東京都文京区千駄木1-1-5
【学生数】748名 ※2022年5月1日現在
【公式サイト】https://www.nms.ac.jp/
【アドミッション・ポリシー】
【求める学生像】
本学の学是は「克己殉公」、すなわち“己に克ち、広く人々のために尽くす”ことであり、教育理念として「愛と研究心を有する質の高い医師、医学者の育成」を掲げ、多くの臨床医、医学研究者、医政従事者を輩出してきました。この学是、理念、そして歴史ある私立医科大学という特長を基盤に、最新の医学を教育・研究し、広く国際的な視野に立った見識と豊かな人間性を備えた医師、医学研究者の養成に努め、人々の健康の維持・増進、社会に貢献することを使命と考えています。本学では、この学是、理念そして使命を理解・尊重し、豊かな資質を持った次のような人を求めています。
- 医学を学ぶ目的意識が明確で、医師、医学者となるに必要な知識・技能の獲得のために自ら努力する人
- 生命倫理を尊重し、医学を学ぶための知識・知性および科学的論理性と思考力を備えた人
- 病める人の心を理解し、相手の立場で物事を考えることができ、主体性を持ちつつ協働して学ぶことのできる人
- 社会的な見識を有し、周囲との協調性を尊重しながら、自らを表現し、判断できる人
- 世界の医学・医療の進歩と発展に貢献する強い意欲のある人
【6年間の学費】2,229万7,800円
【奨学金情報】
日本医科大学新入生奨学金
日本医科大学奨学金
日本医科大学父母会
日本医科大学特別学資ローン制度
福島県へき地医療等医師確保修学資金
千葉県医師修学資金貸付制度貸与募集枠
静岡県医学修学研修資金貸与募集枠
日本学生支援機構の奨学金
地方公共団体および民間の奨学団体による奨学金制度
日本医科大学医学部の試験科目・募集人数・受験料・出願期間、入試日程・会場アクセス、受験者数・合格者数など詳細情報はこちら
日本医科大学医学部合格に向けたロードマップ
高1生
医学部に入るためには高校1年生のうちから以下のことに取り組むことが重要です。
まずは高い学力を身につけるために、授業に真剣に取り組み、定期的な復習を行いましょう。英語や数学に特に力を入れることが必要です。 また、医学に関連する本やウェブサイトを読んで知識を広めることも大切です。 さらに、ボランティア活動や病院見学など医療現場に触れる機会を増やし、医師の仕事や現実を理解することも意義があります。 英語力を向上させるために英会話や英語の読解力を磨き、教養を身に着けることもおすすめです。
高2生
高校2年生の場合は、以下のことに取り組むことが重要です。
まずは学力向上に注力し、特に英語や数学を重点的に学びましょう。 予習や復習を欠かさず行い、定期的なテストや模試で自己の理解度を確認しましょう。 また、学校の進路指導や受験情報を活用して、医学部受験に必要な科目や内容を把握しましょう。さらに、医療に関連するボランティア活動や研修プログラムに積極的に参加し、医療現場の実践的な経験を積むことも重要です。 英語力を高めるためリーディングや英作文にも時間を割きましょう。最後に将来の進路や大学選びについての情報収集を始め、必要な準備や対策を進めることも大切です。 。
高3生
高校3年生の場合は、以下に注力することが特に重要です。
まずは受験勉強に集中し、医学部入試に必要な科目や範囲を徹底的に理解しましょう。 過去問題や模擬試験を解いて実践力を養い、苦手分野を克服する努力を惜しまないようにしましょう。また、志望校の出願要件や受験情報を確認し、必要な書類や面接対策の準備を行いましょう。同時に、継続的なボランティア活動や病院見学など医療現場での経験を積み、自身の意志や目的を深めてください。英語力の向上も忘れずに取り組み、英語のリーディングや英作文の練習を行いましょう。
日本医科大学医学部の科目別受験対策・勉強法
英語
傾向分析
英語は、「コミュニケーション英語Ⅰ」「コミュニケーション英語Ⅱ」「コミュニケーション英語Ⅲ」「英語表現Ⅰ」「英語表現Ⅱ」から出題されます。90分の試験時間で配点は300点です。
発音・語彙・アクセントに関する問題・文法正誤問題などを含む長文総合問題と英作文が出題され、年度によって大問は3~5題と幅があります。解答はマークシートと記述式で、記述式には選んだ選択肢の理由を述べるものが含まれます。自由英作文の内容は、本文の内容に関連したものが出題されることが多い傾向にあります。
受験対策・勉強法
日本医科大学の英語長文問題は約2,200語と入試問題としては長めであるため、集中力を切らさずに読み通せることが大切です。素早く読み進めながらパラグラフごとに書かれている内容を把握する速読能力の向上を目指しましょう。英文解釈能力を一定以上身につけた後は、前から読み下す練習、音読練習も効果的です。また、内容一致問題も解答だけでなく、その根拠となる部分を考える習慣を日頃からつけましょう。併せて150語程度の自由英作文も練習しておきましょう。
数学
傾向分析
数学は、「数学Ⅰ」「数学Ⅱ」「数学Ⅲ」「数学A(場合の数と確率・図形の性質)」「数学B(数列)」「数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)」から出題されます。試験時間は90分で配点は300点です。大問が3~5題出題されることが多く、1題の計算量と問題量がかなり多いので、90分に全問を解き切ることはかなり難しいでしょう。出題形式は穴埋めと記述式の割合が半々です。日本医科大学の数学は数学Ⅲからの出題が多く、中でも微分積分は毎年出題されています。微分積分以外は図形と方程式、確率の問題が頻出傾向です。
受験対策・勉強法
教科書に書かれている公式・定理がスラスラと出てくるように、例題は完全にマスターします。定理の証明・導出ができるよう目指しましょう。まずは教科書レベルの問題集を反復練習し、基礎学力を仕上げていきます。次に、標準レベルの入試頻出問題の定型解法を身につけていきましょう。何周か繰り返して何も見ずに解けるようにしていきます。その後、難関国立大学レベルの入試典型問題に取り組み、定型解法をマスターしましょう。過去問は最低5年分に挑戦することが望ましいです。
化学
傾向分析
理科は化学・物理・生物のうちから2科目を選択し、試験時間は2科目で120分、配点は1科目につき200点です。化学は、化学基礎・化学から出題され、全問記述式で大問4題構成になっています。
大問は理論化学と有機化学から1題ずつ出題されるのがほぼ固定化されており、あとの2問は年度によって変わります。高校化学の全範囲から出題されるので、どの分野もおろそかにできません。なかでも理論化学の「化学平衡」は頻出分野です。見慣れない物質や実験についての出題もありますが、標準問題の知識で解答できるものがほとんどなので、焦らずに取り組みましょう。
受験対策・勉強法
基本問題はなるべく早く習得し、頻出問題の反復練習をしていきましょう。基本問題は問題集に掲載された問題が解けるようになることに留まらず、扱われている内容を自分なりに興味を持って調べたり覚えたりすることも含みます。
難易度が高く、オーソドックスな問題が少ないうえ融合問題が多いので、各単元のつながりを意識して学習しましょう。標準的な解法や考え方を身につけることや、時間内に正確に解答できる計算力も必要です。応用力を養う問題集をやり込んだ後に過去問に取り組みます。
物理
傾向分析
理科は化学・物理・生物のうちから2科目を選択し、試験時間は2科目で120分、配点は1科目につき200点です。物理は、物理基礎・物理から出題されます。出題方法は記述式で、大問が4題出題されます。小問が全部で20問ほどあるので、1問につき3分程度で解答しなければなりません。力学、電磁気、波動、熱力学の各分野から偏りなく出題されている傾向です。2物体が力を及ぼし合う運動に関しては、近年頻出の傾向があります。日本医科大学の物理は、他の理系科目と比べると標準問題や典型問題が多い傾向です。
受験対策・勉強法
教科書は最初から最後まで熟読し、すべての例題や問題を解いておきます。教科書に載っている公式は、完璧に言えるようになっておかなければなりません。問題を見た瞬間に解法が思い浮かばなければならないので、基礎問題に取り組み解法をひたすらインプットしましょう。その後、入試の標準レベルの問題集を繰り返して解きましょう。最終段階は過去問を解いていくことです。問題を解く順番を意識しながら時間を計り、実際の入試のつもりで解いていきましょう。
生物
傾向分析
理科は化学・物理・生物のうちから2科目を選択し、試験時間は120分、配点は1科目につき200点です。生物は生物基礎・生物から出題され、出題方法は記述式、大問が3題構成です。2題は典型的な知識問題、1題は実験考察問題という組み合わせが多い傾向です。細胞・遺伝情報・体内環境・生殖・発生など、医学関連に特化した出題が多く見られます。高校生物の範囲を逸脱した問題はほぼないので、確実に基礎力を定着させることが重要です。
受験対策・勉強法
日本医科大学の生物の入試問題は、きちんと勉強した人が点を取れる良問揃いです。教科書で知識をインプットし、教科書レベルの基礎問題集でアウトプットをします。毎年必ず出題され、合否の分かれ目になる実験考察問題への対策として、ハイレベル問題集を用いた問題演習を行いましょう。答え合わせをする際には、実験の手順、結果、考察を整理します。
過去問は知識問題のレベル感を把握するために、夏休みの間に1~2年分は挑戦しましょう。もしここで知識の抜けなどがあれば、基礎問題集に戻って確認します。秋以降には過去問を使った本格演習を行い、時間配分などを確認します。
日本医科大学医学部の受験対策についてよくある質問
日本医科大学医学部の特徴は?
日本医科大学は全国の大学に先駆けて2014年度より国際認証基準に対応したカリキュラムを導入しており、70週に及ぶ参加型臨床実習も実施しています。また、世界で活躍する医学者・医師を養成するために医学英語教育にも力を入れており、6年次には海外の提携大学での臨床実習の機会が与えられているほか、医学留学など海外との交流も盛んです。
日本医科大学医学部の難易度はどれくらい?
私立大学医学部の難易度は全体的に上がっており、ほとんどが難関といわれる早稲田大学・慶応義塾大学の理工学部を大きく上回る偏差値です。日本医科大学医学部の難易度は、国公立大学の東京大学医学部をはじめとした別格レベルではないものの、私立大学の医学部では慶応義塾大学医学部、慈恵会医科大学に次ぐ最難関レベルです。
日本医科大学医学部の受験対策や勉強法はどうすればいい?
日本医科大学医学部に合格するためには、各科目における得意分野と不得意分野を把握し、不得意分野を克服していくことが大切です。ここまで解説してきた学習法を取り入れ、特に基礎事項に関しては抜けや漏れがないようにし、受験に勝てる応用力を身につけていきましょう。