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偏差値の低い医学部とは? 入りやすい穴場の医学部を国立・私立別に紹介!

基本情報

2024/12/20(金)

(最終更新日2024/12/20)

医学部は大学の学部の中でも、とりわけ難関といわれる学部です。医学部に入りたい、医師になりたいなどの希望を持っている人にとって、大学選びは将来を考える大きな一歩でしょう。難関といわれる医学部に合格するためのハードルは高いかもしれません。その中でも比較的入りやすい大学の医学部はあるのか、国立・私立別に紹介します。

偏差値が低い(受かりやすい)医学部の特徴

志望校を決める際は自分自身の実力とともに、偏差値など大学の難易度も併せて検討するのではないでしょうか。比較的入りやすい医学部があれば、視野に入れたいと思う人も多いはずです。では偏差値が低い、または受かりやすい医学部とはどのようなところなのでしょうか。受かりやすい医学部の特徴として、主に以下に挙げる4つがあります。

地方都市にある

比較的受かりやすい医学部の特徴として、地方都市にある大学が挙げられます。都市部にある大学は人気が高い一方、地方都市にある大学は人気が下がる傾向があります。人気が低いと競争率も下がり、結果的に偏差値も下がります。都市部にある大学は便利な立地にあることが多いですが、地方都市ではキャンパスへのアクセスが不便なところも少なくありません。

 中には周囲に遊べる場所や商業施設がなく、入学してから不便さに気づくこともあります。地方都市では、別の地域から入学を希望する受験生が集まりにくいのも特徴です。志望校を決める際は受かりやすいかどうかだけではなく、入学後の生活も想像しながら周辺環境もチェックするようにしましょう。

比較的歴史が浅い

医学部の歴史は大学によってかなり違いもあり、明治時代や江戸時代までルーツをさかのぼれる医学部もあれば、比較的新しく設置された医学部もあります。どちらが人気かといえば、やはり長い歴史を誇る大学でしょう。歴史が浅い医学部はまだネームバリューがないこともあり、歴史のある有名医学部に比べるとどうしても人気が落ちる傾向にあります。

新しく設置された医学部だからといって、決して魅力がないわけではありません。他にはない特徴があったり、独自の道を極められる道筋があったりなど、自分の目指す医師像にマッチする医学部ならば選ぶ価値があるでしょう。もちろん確固たる歴史を積み重ねた医学部にも素晴らしいところはありますが、将来のキャリアを考えて進学先を選ぶようにしてください。

地域枠率が高い

医師の偏在は長年問題になっており、対抗策として2010年に導入されたのが地域枠です。地域枠といっても奨学金が貸与されるタイプやされないタイプ、実施内容などにバリエーションがあります。実際に多くの医学部で地域枠が導入されていますが、一般的には卒業後にあらかじめ指定された病院や特定の地域で勤務することが義務付けられています。

地域枠選抜は卒業後の勤務地も地方になるため、一般選抜に比べて競争率は低いのが一般的です。地域枠を設けている医学部の中には、その大学や地域ならではの特徴を持ち、ユニークなカリキュラムを用意しているところもあります。さまざまな分野で実績を上げている医学部もあるため、自分のキャリアプランと合うのであれば選択肢として考えてみるといいでしょう。

学費が高い

国立大学の学費は国内どこであっても原則的に同額であるため、学費という点では差がありません。しかし、私立医学部の学費は大学によってかなり幅はあるものの、国立大学とは比べものにならないほど高いのはいうまでもありません。私立医学部の学費は高いところだと6年間で4,000万円を超えるところもあるほどです。

そのため私立大学の中でも学費が安い医学部は人気があり、偏差値も高くなる傾向があります。進学する医学部によっては、自宅から通えない可能性もあるでしょう。そうなると一人暮らしをするなど、学費以外の生活費もかなりかかってくることが予想されます。志望校を決める際は、学費面も考慮に入れる必要があります。

偏差値が低い(受かりやすい)医学部を狙うときの注意点

偏差値の低い受かりやすい医学部の受験を決めた場合、いくつか注意しておきたいポイントがあります。ここからは穴場といわれる医学部を狙う際の注意点について、詳しく掘り下げて解説します。

他学部に比べると偏差値は高いことに注意!

医学部同士で比較し、偏差値が低い大学があったとしても、それがイコール簡単に入学できるとは限りません。医学部は、他学部と比べるとやはり偏差値は高く、入学は狭き門であることには違いないからです。国公立大学の医学部を目指すならば、大学入学共通テストの対策もしっかり行った上で、個別学力試験に向けた勉強にも取り組む必要があります。

私立医学部も個別学力試験はそれぞれ出題傾向が異なり、決して簡単な対策で合格できるわけではありません。小論文が課されるところが多い上、ほとんどの医学部で面接も実施されています。偏差値が低い、受かりやすいという狙い目だけにこだわりすぎず、希望する医学部の入試傾向も踏まえてしっかり対策を行って試験に臨むことが大切です。

隔年現象にも留意しよう

大学の志願者が1年おきに増加したり、減少したりを繰り返すのが隔年現象です。医学部はもちろん、大学入試では珍しい現象ではありません。前年の倍率が高いと合格できる確率が下がるのではないかと考え、志望校を決める際にその大学を避ける傾向があります。逆に前年の倍率が低かったところは、狙い目だと考えて受験者数が増えることもあります。

その結果、定員が同じかつ、試験の難易度自体にそれほど変化がなかったとしても、受験者数や倍率だけが増減することになるのです。受験する医学部を決めるに当たり、あえて前年の倍率が高かったとこを選ぶのも一つの選択でしょう。ただ志願者の増減は毎年起こるとは限らないため、過去数年分のデータをチェックするなど隔年現象に留意してください。

入りやすい、偏差値低めの国立医学部4選

国公立大学にも、比較的偏差値が低めで入りやすい医学部があります。それぞれの医学部の特徴を把握しておくことで、受験の視野に入れるか入れないかを判断したり、実際に受験する際に役立ったりするでしょう。ここでは地方都市にある秋田大学と高知大学、福島県立医科大学、旭川医科大学の4大学について、それぞれ詳しく紹介します。

秋田大学

秋田大学は東北地方という立地から、志願者が集まりにくい医学部です。関東圏からはもちろん、西日本の受験者にとっては選択肢に入りにくい傾向があります。秋田大学の医学部が設置されたのは1970年になってからで、前身の秋田県立女子医学専門学校も設立が検討されたのは第二次世界大戦中の医師不足の時期でした。

秋田大学医学部は比較的新しいこともあり、伝統を大切にする受験生からも選ばれにくい傾向にあります。それでも2024年2月に実施された118回医師国家試験では、秋田大学医学部は新卒の合格率が98.4%、総数でも96.3%と好成績でした。偏差値は低めでも、入学してからしっかり学べる医学部でしょう。

高知大学

高知大学医学部も四国地方にある大学として、地理的に受験者が集まりにくい国立医学部です。それだけではなく、比較的新設の医学部であることも選ばれにくい理由になっています。高知大学医学部の前身である高知医科大学は1976年に開学、2003年になって旧高知大学と旧高知医科大学が新たに高知大学として統合されました。

高知大学は地域枠が多いのも入りやすい理由になっています。2025年度の募集要項では入学定員95人のところ、一般選抜では大学独自の地域枠が5人です。また、一般選別とは別に学校推薦型選抜Ⅱが実施され、四国・瀬戸内地域枠として15人以内(2024年7月時点では20人以内となるよう調整中)が予定されています。

福島県立医科大学

福島県立医科大学も、秋田大学よりは都心に近いながら地方都市にあるため、受験生が集まりにくいとされています。医学部のキャンパスは最寄りのJR福島駅から少し離れており、駅からキャンパスまで路線バスが通ってはいるものの、所要時間が30分以上かかる立地です。

また福島県立医科大学は、地域枠の多さも入りやすい理由になっています。2023年度および2024年度の入試では、一般選抜前期の定員75人のうち30人が地域枠でした。2024年7月時点での2025年度の募集では、70人程度の定員に対して25人程度が地域枠となっています。さらに、学校推薦型選抜でも地域枠が設けられています。

旭川医科大学

旭川医科大学は全国にある医学部のうち、日本最北端の医学部です。秋田大学よりもさらに遠く、道内の主要都市からも離れています。最寄り駅はJR旭川駅ですが、キャンパスまでの所要時間は旭川電気軌道バスを利用して30分前後です。他の大学と同じく、立地の面では選ばれにくいでしょう。

加えて旭川医科大学も、地域枠の割合が多いのが特徴的です。2024年7月時点で発表されている2025年度の入学者選抜では、入学定員100人のうち、総合型選抜(北海道特別選抜)が40人、学校推薦型選抜(道北・道東特別選抜)が7人です。地域枠を狙う受験生には、特に入りやすい大学でしょう。

入りやすい、偏差値低めの私立医学部4選

私立医学部は大学によって入試問題の傾向がかなり異なるため、どの医学部の難易度が高いか単純に判断しにくいところはあります。その中でも一般的に入りやすい、偏差値が低めといわれる私立大学として、以下の4校を紹介します。それぞれの理由を詳しく紹介するので、私立医学部の受験を検討する際の参考にしてください。

川崎医科大学

2024年7月時点で、川崎医科大学の6年間にかかる学費は4,550万円です。川崎医科大学では1年次は寮に入ることが義務付けられており、寮費に80万円、食費に36万円、その他の諸経費もかかります。他の私立医学部と比較しても学費は高く、他の医学部に合格できる実力の人からは避けられやすい理由になっています。

また川崎医科大学も開学したのが1970年と、比較的新しい医学部です。他の入りやすい医学部と同様に、やはり歴史を重んじる人からは敬遠される傾向もあります。川崎医科大学は良医の教育に力を入れていたり、1年次から段階的に臨床実習を取り入れていたりなど特色ある教育を行っているので、受験者のニーズに合えば選択肢に入れてみるのもいいでしょう。

埼玉医科大学

埼玉医科大学も私立大学の中では、学費が高い医学部です。2024年7月時点で、6年間にかかる学費の合計は3,700万円になっています。先述の川崎医科大学よりは少し下がるものの、国公立大学医学部や他の私立医学部に比べると学費の高さが理由となり、偏差値は低めです。

埼玉医科大学設立の起原となる病院は明治時代からありますが、医学部の開学は1972年になってからです。比較的新設の医学部であるという点は、やはり偏差値を下げる理由になっています。それでも埼玉医科大学は附属病院における豊富な手術件数や研究実績などを誇っているため、自分が将来描くキャリアに合うならば選択肢となり得るでしょう。

獨協医科大学

獨協医科大学があるのは栃木県下都賀郡壬生町です。北海道や東北地方などに比べると首都圏には近いものの、地方都市という立地は受験者が集まりにくい理由になっています。県庁所在地の宇都宮市と栃木市の間にある町で、周囲は住宅地や田畑が混在している環境です。

周囲に大きな商業施設などの遊ぶところが欲しい人には選ばれにくいかもしれませんが、静かな環境で勉強したい人にはいい環境といえます。加えて獨協医科大学も学費の高さで敬遠されがちです。2024年7月時点で6年間の学費の合計は、3,660万円となっています。開学したのが1973年で、まだ歴史が浅いのも川崎医科大学や埼玉医科大学と同じです。

東京女子医科大学

東京女子医科大学は2021年に学費が値上げされ、偏差値にも影響を与えていると考えられます。2024年度の学費は委託徴収金も含めて入学時に1,144万9,000円、2年度以降は695万3,000円です。6年間では4,621万4,000円で、私立医学部の中でも高い学費になっています。2021年以前に比べると、6年間で1,200万円程度引き上げられており、受験者への影響は大きいでしょう。

ただ、東京女子医科大学は新卒の医師国家試験は第118回医師国家試験で96.3%と好成績を残しています。東京都内の通いやすい立地にあり、サポートも手厚い唯一の女子大として、魅力のある医学部です。

偏差値の低い医学部は狙い目?

一般的に入りやすいといわれる医学部は地方都市で他の地域からは受験しにくかったり、歴史が浅かったり、地域枠が多かったりすることが理由の一端になっています。さらに、私立医学部では、学費の高さも選択肢に入りにくい理由の一つです。

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