医学部コラム
医学部合格に必要な勉強時間は5,000時間?スケジュール例や勉強時間を確保する方法まで徹底解説!
基本情報
2024/12/20(金)
(最終更新日2024/12/24)
大学の学部の中でも特に難関だとされる医学部に合格するためには、実際どのくらいの時間を学習に費やせばよいのでしょうか。この記事では、医学部合格に必要な勉強時間やスケジュール例、勉強時間を確保するコツなどを徹底的に解説します。
目次
1.医学部合格のために必要な勉強時間とは?
1-1.高1生は週に20時間以上が目安
1-2.高2生は週に30時間以上が目安
1-3.高3生は週に40時間以上が目安
1-4.浪人生は1日当たり12時間以上
2.医学部に合格する人のスケジュール例
2-1.平日の勉強スケジュール
2-2.休日の勉強スケジュール
3.勉強時間を確保するコツ
3-1.睡眠時間を削らない
3-2.学校の授業を有効活用する
3-3.1日の中で無駄な時間を減らす
3-4.スキマ時間も有効活用
4.医学部合格に向けた科目別の時間割
4-1.高1・2年生
4-2.高3生
4-3.浪人生
5.医学部合格に向けて勉強時間を確保しよう
医学部合格のために必要な勉強時間とは?
結論からいえば、一般的に医学部合格のために必要な勉強時間の合計は、約5,000時間だといわれています。学年ごとの目安としては、高1生が週に20時間以上、高2生が週に30時間以上、高3生が週に40時間以上です。浪人生の場合は毎日12時間以上だとされています。
もちろん上記の勉強時間は、あくまでも目安です。実際にはもっと少ない人もいれば、多い人もいるでしょう。ただ医学部を本気で目指す学生は、そのくらい勉強に時間をかけているのです。
以下で高1生・高2生・高3生および浪人生に分け、それぞれの学年で必要とされる目安勉強時間について、さらに掘り下げて解説します。
高1生は週に20時間以上が目安
医学部合格を目指す高1生ならば、週20時間以上の勉強時間を確保する必要があります。1日換算すれば、約3時間程度です。まだ高校に入学したばかりの高1生の場合、最初は環境の変化や学校生活にまだ慣れていないかもしれません。新しくできた友達と過ごす時間も欲しいでしょう。
部活動をしていれば、勉強以外に費やす時間も多くなりがちです。何より学校に通いながら、毎日3時間の勉強時間を確保するのは難しいかもしれません。もし毎日3時間の確保が難しければ、平日は少しペースを落とし、休日に5~7時間程度の勉強時間を取るなどして調節しましょう。
高2生は週に30時間以上が目安
高2生になったら、週に30時間以上を勉強に充ててください。高2生では、まだ部活動でも中心的な存在でしょう。部活が終わってから帰ると、平日は勉強時間の確保が難しいことも考えられます。しかし週30時間以上となれば、単純に計算して1日4時間以上の勉強時間が必要です。
平日の帰宅後に3時間程度しか勉強時間を取れないなら、その分休日に8時間以上の勉強時間を確保した方がよいでしょう。受験が近づいてくると、もっと長時間の勉強が必要です。高2生のうちから少しずつ勉強時間を増やし、集中力も続くようにしておいてください。
高3生は週に40時間以上が目安
医学部受験の本番まで1年を切る高3生になったら週40時間以上、つまり1日あたり5~6時間以上の勉強時間は確保してください。高3生になり、部活を引退すれば時間を確保しやすいでしょう。部活をまだ引退しない場合は、高1生・高2生と同様、平日は少なめにしても構いません。
その分休日や長期休み期間中は、1日12時間以上を目安に勉強時間を増やし、集中してしっかり勉強してください。移動時間のような、わずかなスキマ時間も無駄にせず、工夫しながら勉強時間を確保することも大切です。
浪人生は1日当たり12時間以上
浪人生の場合は部活や学校の行事で時間を取られることがないため、勉強時間は確保しやすくなるでしょう。平日・休日に関係なく勉強に充てられるため、1日あたり12時間以上を目安としてください。
ただし多くの時間を確保できるからといって、ダラダラ勉強しているのでは意味がありません。ダラダラしている間にも、医学部を目指す他の受験生たちは勉強を積み重ねているはずです。
浪人生の場合は勉強する時間としない時間を分け、メリハリを付けつつ勉強し続けることが大切です。効率的な勉強方法も探りながら、モチベーションが下がらないように気を付ける必要があります。
医学部に合格する人のスケジュール例
医学部に合格する人は日々どのように過ごし、勉強しているのか、お手本にできるような具体例があるとスケジュールをイメージしやすいのではないでしょうか。平日と休日でも、勉強できる時間には違いがあります。以下で医学部を目指す受験生の理想的な1日のスケジュールについて、平日・休日に分けて紹介しますので参考にしてください。
平日の勉強スケジュール
7:00 起床~朝食・準備
8:00 通学~学校で授業
16:00 授業終了
18:00 部活終了
19:00 帰宅~夕食・入浴
20:00 5分程度の休憩を挟みながら勉強
23:45 就寝前の準備
24:00 就寝
このスケジュールは、部活をしている前提でのスケジュールです。本格的に勉強ができるのは、夕食・入浴後から就寝までの時間しかありません。
休憩時間や就寝前の準備、自由時間を取ると、実際に勉強できるのは3時間~3時間半程度になるでしょう。部活を引退すれば、帰宅後から夕食までの時間にも2時間程度の勉強時間は確保できます。
休日の勉強スケジュール
7:00 起床~朝食・準備
8:00 15分程度の休憩を挟みながら勉強
12:00 昼食・休憩
13:00 15分程度の休憩を挟みながら勉強
19:00 夕食・入浴
20:00 15分程度の休憩を挟みながら勉強
23:45 就寝前の準備
24:00 就寝
休日は午前と午後、夕食・入浴後の3つの時間帯に分けて勉強する時間を確保できます。休日は早起きしたくないかもしれませんが、生活のリズムを崩さないためにも平日と同じくらいの時間に起きましょう。
長時間勉強し続けても、集中力は続きません。適度な休憩を挟んだり、勉強する場所を変えたりして、リフレッシュしてください。
勉強時間を確保するコツ
ここまで解説してきたように、医学部を目指すためには高1生でも週20時間は勉強しなければなりません。高2生では週30時間、高3生では40時間以上と、学年が上がるにつれて長時間の勉強時間が必要になります。
勉強時間を確保するためには、限られた時間を有効に活用することが重要です。ここからは勉強時間を確保するコツを紹介します。
睡眠時間を削らない
大前提として、睡眠時間を削ってはいけません。たしかに睡眠時間を削れば、それだけ勉強に充てられる時間は増やせるでしょう。
しかし睡眠時間を削ってしまうと体調にも影響を与え、集中力が続かなかったり、眠気が襲ってきたりすることもあります。結局は効率よく勉強することができなくなる可能性があり、本末転倒です。
逆に睡眠時間を十分取ることで、日中に勉強する際のパフォーマンスが上がります。最低でも6時間の睡眠時間は取りたいところです。上記のスケジュールのように24時に就寝するよう心掛ければ、7時間程度の睡眠を取ることができます。
学校の授業を有効活用する
現役生の場合は、学校で過ごす時間が1日の大半を占めています。学校の授業は医学部受験に必要な科目ばかりではありませんが、時間の確保が難しい人にとっては学校の授業も大切な勉強の時間です。授業の時間は学校によってさまざまですが、一般的には1週間に25~30時間の授業を受けていることになります。
医学部の入試は難関とはいえ、問題を解くために重要なのは高校の授業で学ぶ内容です。集中して授業に臨み、授業内容をしっかり理解し、基礎固めに力を入れてください。基礎が確実に定着していれば、後々の受験勉強にも役立ちます。
1日の中で無駄な時間を減らす
1日が24時間しかないことは変わりません。時間を増やすことはできないため、どこかで勉強に充てる時間を作るしかないでしょう。そのためには、無駄な時間を徹底的に減す必要があります。まずは自分が現在どのような時間の使い方をしているのか把握してください。
例えばスマートフォンをなんとなく見ているだけなど、無意識に無駄な時間の使い方をしているかもしれません。気分転換の時間も必要ですが、30分だけなど具体的に時間を区切った方がよいでしょう。誘惑に弱いのなら、勉強する部屋にはスマートフォンを持ち込まないなどの工夫が必要です。
スキマ時間も有効活用
スキマ時間の活用といっても、どれ程効果があるのか疑問に感じる人もいるかもしれません。ただわずかな時間であっても、1日のスキマ時間を合計すると、意外と使える時間があります。例えば電車やバスなどで通学しているのなら、その時間も勉強に充てられるでしょう。片道30分だとすると、通学だけで毎日1時間です。
学校での休み時間や食事中、お風呂にゆっくり漬かっている時間も、勉強のために使えます。スキマ時間では暗記系の勉強のように、何度も積み重ねて知識を定着させる勉強が向いているでしょう。スキマ時間の勉強ではノートや単語帳の他、スマートフォンを使った視聴覚教材も活用できます。
医学部合格に向けた科目別の時間割
ただやみくもに勉強しても医学部には合格できません。ダラダラと勉強していては、モチベーションを保てないでしょう。目指すゴールに向かって確実に進むためには、しっかりした学習計画を立てることが大切です。ここからは学年別に年間の科目別スケジュールを解説しますので、学習計画を立てる参考にしてください。
高1・2年生
高1生・高2生ではどの科目も徹底して基礎固めを行い、苦手分野を作らないことが大切です。まだ学校で新しいことを学んでいく段階であるため、単元ごとに学んだ知識を確実なものにしていってください。
夏休みや冬休みなどの長期休暇に入ったら、前学期で学んだ内容を復習しつつ、応用力を付けていきましょう。以下で科目別に学習の目安を紹介します。
【英語】
● 基礎となる単語やイディオム、文法は抜けのないように覚える
● リスニングや長文読解にも慣れるために少しずつ取り組む
● 「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能の基礎を固める
● 高2生では主要単元の理解を深めて実践レベルにまで持っていく
● 医学に関連する英語にも少しずつ慣れていく
【数学】
● 学校の授業で学ぶ各単元を確実にしていく
● 高2生が終わるまでに数学Ⅰ・Ⅱおよび数学A・Bを仕上げる
● 公式や定理はなぜ成立するのかを理解し、知識を使いこなせるようにする
【化学】
● まず理論化学と有機化学の重要分野を中心に、基礎固めをする
● 暗記事項を頭に入れ、知識を運用できるようにする
【物理】
● ただ覚えるだけではなく、物理の本質的な理解を目指す
● 基礎となる「力学」および「波動」の分野から基礎固めを行う
● その後は「電磁気」と「熱力学」の分野に進む
【生物】
● 丸暗記ではなく現象理解を通して学び、考えて覚える癖を付ける
● 頻出分野を中心に基本的な知識を定着させておく
高3生
高3生で新たに学ぶ内容も含め、夏休み前までにはどの科目も基礎固めを済ませてください。夏休みが終わってからは自分の到達度を確認しつつ、入試レベルの演習を取り入れていきましょう。
11月頃からは大学入学共通テストの対策を始める時期です。12月くらいになれば志望校の過去問にも挑戦し、不足する部分があれば適宜補強して仕上げていきます。
【英語】
● 1学期は単語やイディオム、文法の基礎固めを確実にする
● 夏休みからは長文読解問題をある程度解けるレベルにまで高める
● 2学期以降は志望校の傾向を踏まえて演習を積む
● 医学に関連した長文読解にも慣れておく
【数学】
● 夏休みまでに新たに学ぶ数学Ⅲなどの基礎を固める
● すでに学んだ数学Ⅰ・Ⅱ・A・Bは基礎レベルの演習を積む
● 夏休みからは数学Ⅲの演習も開始する
● 2学期以降は到達度を確認しながら入試レベルの演習をする
【化学】
● 1学期は新たに学ぶ分野の基礎固めをしつつ、すでに学んだ分野は演習を積む
● 理論化学と有機化学を中心に少しずつ入試レベルの演習にも取り組む
● 2学期になれば無機化学にも本格的に取り組む
【物理】
● 基礎固めができていれば、1学期から力学・波動は入試レベルの演習に取り組む
● 夏休みから2学期前半にかけて熱力学・電磁気にも力を入れる
● 2学期後半からは原子の分野にも取り組む
【生物】
● 11月くらいまでに一通りの基礎固めを確実にする
● 冬以降はテーマ別に演習を行い、得点できる実力を付けていく
浪人生
浪人生の場合は、特に新しく学ぶ内容はありません。ただし基礎が身に付いていない人も多いため、夏までには各科目の基礎固めをもう一度行う必要があります。
【英語】
● 夏までに長文読解や英作文の問題を解く基礎となる単語や文法の基礎を固める
● 基本的な長文読解問題や英作文の解き方も身に付けていく
● 秋以降は医学や生物に関連する分野の長文にも取り組む
【数学】
● 3~4月は高校数学の根幹となる関数や式の理論を学ぶ
● 4~8月までは数学Ⅱ・Ⅲの微積分や数列、確率や場合の数、ベクトルなどを単元別に学ぶ
● 9~12月は残っている複素数平面や空間座標などの分野を学びつつ、過去問の演習で実践力を強化する
● 冬以降は基本事項のチェックをしながら志望校別の直前演習を行う
【化学】
● 夏までに理論化学と有機化学の基礎固めを行いつつ、入試問題の演習も行う
● 夏頃からは高分子や無機化学も学び直し、全分野で深い理解を身に付ける
● 2月頃からは直前対策に力を入れる
【物理】
● 9月頃までに全分野をまず学び直す
● 秋以降は入試問題や過去問を繰り返し解きながら理解に磨きをかける
● 1月以降は直前対策に力を入れる
【生物】
● 春から秋にかけて各分野を一通り学び直す
● 12月以降はテーマ別に演習を積む
● 直前期には志望校に合わせて予想問題を解くなど直前対策を行う
医学部合格に向けて勉強時間を確保しよう
医学部に合格するためには、5,000時間程の勉強時間が必要だといわれています。学年が上がるごとに勉強時間も増やしていき、スキマ時間も活用しながら勉強に打ち込まなければ、なかなか医学部の合格は勝ち取れません。
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