医学部コラム
医学部の面接で落ちる確率は? 面接で不合格になる人の特徴から対処法まで解説!
受験計画
2024/12/23(月)
(最終更新日2024/12/24)
将来医師となる人材を育てる医学部では、面接試験を行うそれなりの理由があります。実際にほとんどの医学部で面接が課されており、面接次第で不合格になることもあり得ます。では、どのような人が面接で落ちるのでしょうか。
この記事では、医学部入試の面接で不合格になる人の特徴から対処法まで詳しく解説しますので、受験対策として参考にしてください。
目次
1.そもそも医学部の面接試験は何のためにあるの?
1-1.医師としての適性を見るため
1-2.コミュニケーション能力を見るため
1-3.医学部に入りたいという熱意を見るため
2.医学部の面接で落ちる可能性はどのくらい?
3.医学部の面接に落ちる人の特徴
3-1.志望大学のアドミッションポリシーを理解していない
3-2.医師になりたい/医学部に入りたい動機が弱い
3-3.医師として素質に欠ける
3-4.高校の出席日数が少ない
3-5.知ったかぶりをする
3-6.面接対策を全くしていない
4.医学部の面接対策としてやっておくべきこと
4-1.アドミッションポリシーをよく読んでおく
4-2.結論から答える癖を付けておく
4-3.医学部の面接の流れをよく理解しておく
4-4.医学部の面接でよく質問される答えに慣れておく
5.医学部面接の対策をしよう!
そもそも医学部の面接試験は何のためにあるの?
そもそも医学部の面接試験は、なぜ実施されているのでしょうか。具体的には以下で解説するように、医師としての適性や医師に必要なコミュニケーション能力を備えているか、そもそも医学部に入りたいという熱意を持っているのかなどをチェックするためです。それぞれ詳しく見てみましょう。
医師としての適性を見るため
医学部は他の学部に比べて、入試の難易度が高い学部です。加えて将来医師になる可能性が高い医学部を目指す受験生には、学力テストだけでは測れない医師としての適性を備えていることも求められます。
医師は豊富な知識と優れた技術を持っていればそれでよいというわけではなく、人間性も優れていることが大切です。そのため、大学によっては面接を重視したり、受験生の点数が同じ場合は、面接の結果が良かった方を選んだりすることもあります。
面接で求められる適性は、将来医師になったときに必要とされるものです。単に入試対策というだけではなく、医師としての適性とは何かを考え、人格も磨くようにしましょう。せっかく医学部を目指して勉強するのであれば、面接対策も力を抜かないようにしてください。
コミュニケーション能力を見るため
医師と患者、医師と他の医療従事者との間にコミュニケーションは不可欠です。実際に患者やその家族に症状を説明したり、患者や家族から話を聞き、要望を踏まえた上で治療方針を決めたりするためには、高いコミュニケーション能力が必要です。
また現代の医療現場ではチーム医療が重視されるようになり、多種多様な医療従事者がそれぞれの専門分野を生かしつつ、協力して医療に取り組む体制になっています。医師にも他の医療従事者を尊重し、コミュニケーションを取りながら患者の治療に取り組む姿勢が必要とされるため、医学部の面接でもコミュニケーション能力が見られています。
医学部に入りたいという熱意を見るため
医学部は学習することが多く、かつ学ぶ期間は他学部よりも長い6年間です。がんばって医学部に入学したとしても、次々に難しい課題にぶつかることがあるでしょう。医師国家試験に合格して卒業しても、研修医として研鑽しなければならない期間もあります。
さらに目まぐるしい進歩を続ける医学に携わっていくためには、医師として一人前になった後も学び続けなければなりません。「人を助けたい」という強い思いがなければ、なかなか続かないでしょう。
勉強をがんばろうという熱意が薄れてしまうと、留年したり中退したりという事態につながる可能性もあります。医学部入試の面接では、医学部になりたいという熱意があるかどうかも重要なポイントです。
医学部の面接で落ちる可能性はどのくらい?
では、医学部の面接で落ちる可能性はどのくらいあるのでしょう。結論からいうと、面接で落とされる確率は大学によってさまざまです。入学試験における各科目の配点は公表されているため、面接の配点がどのくらいの割合になっているのか、志望する大学の情報を調べてみてください。
小論文や面接を重要視する度合いは、大学によって異なります。もし面接が苦手なら、面接の配点が少ない大学を選ぶのも選択肢の一つです。小論文や面接の評価方法には、英語や数学などの科目と同様の点数評価の他、点数化はしない段階評価があります。
段階評価は点数化しないからといって、合否に関係ないわけではありません。段階評価を採用している場合でも、極端に面接の印象や内容が悪ければ不合格になる可能性があるため、おろそかにしないことが重要です。志望校を決めるに当たり、小論文や面接が課されているのか、配点や評価方法はどうなのかなどを確認しましょう。
医学部の面接に落ちる人の特徴
では医学部の面接で落ちるのは、どのようなケースなのでしょうか。面接の合否を左右するポイントが分かれば、対策も立てやすくなります。面接に落ちる人の特徴として、以下の6つが考えられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
志望大学のアドミッションポリシーを理解していない
大学では教育理念や目的、求める学生像、受入方針などをアドミッションポリシーとしてまとめています。つまりアドミッションポリシーは大学側がどのような学生を求めているのかを示しているものです。
そもそも大学が求めているものを理解していない学生を、大学側が受け入れてくれるでしょうか。アドミッションポリシーに合致しているかどうかは合否を決める基準の一つとなっているため、理解していない人は落とされる可能性があります。
そのため志望大学のアドミッションポリシーは、最低限読んで把握しておいてください。志望校を選ぶ上でも、有益な情報になるでしょう。面接では、自分がその大学にマッチしていることをアピールすることが重要です。
医師になりたい/医学部に入りたい動機が弱い
医師になりたい、または医学部に入りたいという意欲に欠ける人も面接では落ちる可能性があります。やがては人の命を救う医師になろうとしているはずなのに、医学部に入学しようとする志望動機が弱いのはNGです。
熱意がない人が合格したことで、本当に医師になりたいという人が不合格になってしまったらどうでしょうか。もし熱意のない人が中途退学すれば、他の学生が医師になる可能性を奪うことになります。地方を中心に医師不足が叫ばれている状況を踏まえると、大学はできるだけ入学した人に中途退学してほしくないはずです。
面接ではほとんど志望動機が尋ねられます。質問で深掘りされても答えられるくらい、説得力のある志望動機を答えられるようにしておいてください。
医師として素質に欠ける
医学部は将来医師になる人を育てる学部であるため、医師としての素質に欠けるのはやはりNGです。医師を目指す人の中には、本音として「稼ぎたいから」「社会的なステイタスが高いから」などの理由を持っていることがあるかもしれません。
収入が良いからという理由で短絡的に医師になりたいと考えていたり、医師というステイタスだけを求める姿勢が透けて見えていたりすれば、面接では印象が良くないでしょう。もちろん命を軽んじる発言はもっての他であり、人間性に問題がある人は落とされる可能性があります。
他人の命を預かる医師には、高い倫理観も求められます。マイナスのイメージを与えてしまわないよう、面接での言動には細心の注意を払ってください。
高校の出席日数が少ない
医学部の入試では、高校時代の出席日数や生活態度なども考慮されます。先述したように、大学は中途退学するリスクのある学生を取りたくありません。医学部は多くの学習量が求められるため、欠席が多く、単位が取れなくなりそうな人も面接ではじかれる傾向にあります。
そのため高校であまりにも欠席日数が多い場合は、面接で落とされる可能性があります。もちろん正当な理由があって欠席数が多い場合は、納得できる説明ができれば問題ないでしょう。
また生活態度に問題があるような人も、面接で落とされる可能性があります。医学部は学生数が少ないこともあり、生徒間の距離が近いのが特徴です。生活態度の悪い人がいると周囲に悪影響を及ぼすことも考えられるため、面接で落とされる理由になります。
知ったかぶりをする
面接では緊張するのが当たり前です。質問に答える際、多少詰まってしまうこと自体はそれほど問題にはならないでしょう。むしろ知らないことを無理に答えようとしたり、中途半端な知識で答えをひねり出したりしようとすると、的外れな解答になりかねません。
面接官に掘り下げた質問を投げかけられたら、ほころびが出てくることも考えられます。合格したいあまりに、知ったかぶりをして答えるのはマイナス評価につながります。
そもそも医師にふさわしい人格を持ち合わせているかどうかが、面接で見られるポイントの一つです。受験生には誠実さを求めているため、知らなければ率直に答えた方が好印象になります。無理に取り繕ろうとせず、誠実に答えるようにしてください。
面接対策を全くしていない
実際に面接が行われる時間は、そう長くはありません。だからといって面接を甘く考えていると、適切な対応ができないことも考えられます。個人面接の場合は、年上の大人複数と自分だけしかいない空間です。そのため、どうしても緊張してしまうでしょう。
面接では質問に対する答えの内容はもちろん、答え方や表情、不意に見せる仕草の隅々まで観察されています。面接対策をしていないと太刀打ちできません。きちんとした受け答えができるよう、事前に面接の練習をしておくことが大切です。
医学部の面接対策としてやっておくべきこと
では面接で落とされないためには、どのような対策を立てて準備すればよいのでしょうか。以下で4つの対策を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
アドミッションポリシーをよく読んでおく
面接に落ちる人の特徴として「志望大学のアドミッションポリシーを理解していない」というポイントがありました。逆をいえば、最低限志望する大学のアドミッションポリシーは調べておかなければならないということです。
面接では「なぜ医師になりたいのか」「どのような医師になりたいのか」などの質問は、ほぼされると考えておいてください。答えはアドミッションポリシーに合致していることが重要です。
なぜ他の大学ではなく、この大学の医学部でなければならないのか、面接官を納得させられる答えでなければなりません。単にアドミッションポリシーを読むだけではなく、内容に合う具体的な自身のエピソードも盛り込んで話せると説得力が高まります。
結論から答える癖を付けておく
面接対策として、結論から答える癖を付けておくこともポイントです。面接の場で緊張しすぎると、何を言っているのか分からなくなることがあります。自分の言いたいこと、相手に伝えたいことがあると、つい長々としゃべってしまうこともあるでしょう。
特に自分の得意な分野や長所・特技などは饒舌になりがちです。自分の主張を具体的に述べるのは大切なことですが、ダラダラしゃべり続けると、結局言いたいことが何か分からなくなってしまいます。
それでは印象も悪くなる可能性があるため、質問に対する答えは結論から述べるようにしてください。その後に理由や具体的な例などを簡潔に話すと、相手に伝わりやすくなります。
医学部の面接の流れをよく理解しておく
面接の流れを理解しておくと、当日に落ち着いて行動できます。以下では一般的な例を紹介するので、覚えておきましょう。
・控室
控室にいる時点から面接はスタートしています。むやみに歩いたりスマートフォンを触ったりせず、静かに座って呼ばれるまで待ちましょう。
・入室
名前を呼ばれたら元気に「はい」と返事をして、面接会場のドアを2~3回ノックしてください。「どうぞお入りください」と言われたら「失礼します」と言って一礼し、入室します。後ろ姿も見られていることを意識して行動しましょう。受験番号・学校名・名前を名乗り、「よろしくお願いします」とあいさつしながら、再度一礼します。
・着席
「どうぞお座りください」と言われたら指示に従い、「失礼します」と一声添えて着席します。椅子には背筋を伸ばして、浅めに座りましょう。
・面接
面接中はキョロキョロしたり下を向いたりせず、姿勢を保ったまま、にこやかな笑顔で対応しましょう。相手の眉間や鼻あたりに視線を向けると自然です。面接官が複数いる場合は、均等に視線を配ってください。髪を触るなどの癖がある人は、癖を出さないよう意識しましょう。
・退出
面接が終了したら「ありがとうござました」とあいさつして一礼し、「失礼します」と一言添えて再び一礼してから、ゆっくりドアを閉めて退出しましょう。退出してからの態度も見られていることがあるため、建物を出るまでは気を抜かないでください。
医学部の面接でよく質問される答えに慣れておく
医学部の面接でよく質問される答えに慣れておくことも重要です。どのような質問が多いのか以下でまとめたので参考にしてください。
・志望理由
抽象的な答えは面接官の印象に残りにくく、さらに詳しく突っ込まれる可能性もあります。具体的なエピソードなどを含め、熱意を込めて答えてください。
・入学後にやりたいこと
単に「がんばって医師になりたい」など、ありきたりの答えではなく、具体的なビジョンやその大学が得意とする専門分野・実績なども含めて話すとよいでしょう。
・中学・高校時代の経験や取り組んだこと
部活やボランティア活動などで何を学んだのか、これからの人生に経験したことをどう生かせるのかなども含めてください。物事に取り組む姿勢やコミュニケーション能力、協調性などが伝わるように話すとよいでしょう。
・自分の長所と短所
長所は医師として生かせそうな内容を含めると有効です。短所は人間性が疑われるような内容は避けた方がよいですが、基本的には隠さずに伝えてください。その上で短所を克服するために努力していることなどを含めると印象はプラスになります。
・理想の医師像
真剣に医師になりたいと考えていることを示すために、将来のビジョンをしっかり描いていることを伝えることがポイントです。具体的なエピソードも加えると説得力が増します。
・浪人・再受験の理由
浪人の場合は不合格になった理由の分析、今年に向けてどう取り組んできたのか、再受験の場合は医学部を受け直す理由を明確に答えられるようにしておきましょう。 話しづらい内容でも、曖昧な答えでごまかしたり、嘘をついたりしないことが重要です。
・医療ニュースに関する質問
医学部を受験する以上、医療に関連するテーマについては、常にアンテナを張っておいてください。それぞれのテーマに対して自分なりの意見も述べられるようにしておきましょう。
医学部面接の対策をしよう!
医学部の入試では、ほとんどといってよいほど面接が課されています。面接では医師としての適性やコミュニケーション能力、医師になりたいという熱意などが見られています。医学部の入試で合格を勝ち取るためには、面接で落とされないためのポイントを押さえておくことが大切です。
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