医学部コラム
【講師監修】自治医科大学医学部の入試傾向と受験対策・勉強法を解説|医学部予備校メビオ
基本情報
2024/12/25(水)
(最終更新日2024/12/26)
自治医科大学は、へき地での医療の確保や福祉の増進を目的として全国の都道府県が共同で設立した大学であるため、全国から医師を目指す学生が集まります。この記事では、自治医科大学医学部の入試傾向と受験対策・勉強法を詳しく解説します。
目次
1.自治医科大学医学部の概要
2.自治医科大学医学部の入試情報
3.自治医科大学医学部合格に向けたロードマップ
3-1.高1生
3-2.高2生
3-3.高3生
4.自治医科大学医学部の科目別受験対策・勉強法
4-1.英語
4-2.数学
4-3.化学
4-4.物理
4-5.生物
5.自治医科大学医学部の受験対策についてよくある質問
5-1.自治医科大学医学部の特徴は?
5-2.自治医科大学医学部の難易度はどれくらい?
5-3.自治医科大学医学部の受験対策や勉強法はどうすればいい?
6.自治医科大学医学部の受験対策なら大学別模試の受験がおすすめ
自治医科大学大学医学部の概要
自治医科大学は1970年に当時の自治大臣が「医学高等専門学校設立構想」を表明し、2年後の1972年に自治医科大学として開学しました。翌年には附属病院も開院し、大学院医学研究科博士課程の設置も1978年に認可されています。現在は医学部と看護学部の医療系2学部を擁する大学となり、地域医療学センターや分子病態治療研究センターをはじめとした多彩な教育研究施設も充実しています。
自治医科大学医学部の入試情報
【所在地】栃木県下野市薬師寺3311-1
【学生数】 754名 (※2022年5年1日時点)
【公式サイト】https://www.jichi.ac.jp/
【アドミッション・ポリシー】
■ 求める学生像
医師として社会に貢献する自覚をもち、地域医療に進んで取り組む気概のある、次のような人を求める。
《適性》
コミュニケーション能力が高く、行動力がある。
高い倫理観と幅広い教養を兼ね備える。
困難に直面しても、目標に向かって努力を継続できる。
《基本的学力》
論理的思考力が高い。
文章や発表における表現力が高い。
医学習得に必要な能力と十分な意欲を有する。
《地域医療への意欲》
総合的診療能力を有する医師を目指す。
医療を通じて地域社会のリーダーを目指す。
【6年間の学費】約23,935,820円
上記学納金は自治医大から貸与され、卒業後も条件により免除される。詳細は確認すること。
【奨学金情報】
自治医科大学医学部修学資金貸与制度(入学者全員)
自治医科大学医学部奨学資金貸与制度
特待生制度(修士課程対象)
その他 日本学生支援機構の奨学金
自治医科大学医学部の試験科目・募集人数・受験料・出願期間、入試日程・会場アクセス、受験者数・合格者数など詳細情報はこちら
自治医科大学医学部合格に向けたロードマップ
高1生
医学部に入るためには高校1年生のうちから以下のことに取り組むことが重要です。
まずは高い学力を身につけるために、授業に真剣に取り組み、定期的な復習を行いましょう。英語や数学に特に力を入れることが必要です。
また、医学に関連する本やウェブサイトを読んで知識を広めることも大切です。
さらに、ボランティア活動や病院見学など医療現場に触れる機会を増やし、医師の仕事や現実を理解することも意義があります。
英語力を向上させるために英会話や英語の読解力を磨くこともおすすめです。
高2生
高校2年生の場合は、以下のことに取り組むことが重要です。
まずは学力向上に注力し、特に英語や数学を重点的に学びましょう。
予習や復習を欠かさず行い、定期的なテストや模試で自己の理解度を確認しましょう。
また、学校の進路指導や受験情報を活用して、医学部受験に必要な科目や内容を把握しましょう。さらに、医療に関連するボランティア活動や研修プログラムに積極的に参加し、医療現場の実践的な経験を積むことも重要です。
英語力を高めるために英会話やリーディングにも時間を割きましょう。最後に将来の進路や大学選びについての情報収集を始め、必要な準備や対策を進めることも大切です。
高3生
高校3年生の場合は、以下に注力することが特に重要です。
まずは受験勉強に集中し、医学部入試に必要な科目や範囲を徹底的に理解しましょう。
過去問題や模擬試験を解いて実践力を養い、苦手分野を克服する努力を惜しまないようにしましょう。また、志望校の出願要件や受験情報を確認し、必要な書類や面接対策の準備を行いましょう。同時に、継続的なボランティア活動や病院見学など医療現場での経験を積み、自身の意志や目的を深めてください。英語力の向上も忘れずに取り組み、英語のリーディングやリスニング、英作文の練習を行いましょう。
自治医科大学医学部の科目別受験対策・勉強法
英語
傾向分析
自治医科大学医学部の英語の入試は試験時間が60分で、大問が3題出題されています。3題すべてが長文読解問題で、内容一致問題や同意語選択問題、語句整序問題の他、共通テストでは出題されなくなったアクセントを問う問題も出題されています。
解答形式はすべてマークシート方式で、それほど難易度が高い訳ではありません。ただし、長文の問題が3題の構成になっているため、速読しながら内容を的確につかむ能力は求められるでしょう。
受験対策・勉強法
まとまった長さの長文読解問題が3題出題される自治医科大学医学部の英語対策では、まず速読のスピードを上げておく必要があります。
内容は人文系や社会系がテーマとなることもありますが、医療関連をはじめとした理系分野からの出題が多いため、日頃から科学的な文章には触れて慣れておきましょう。もちろん基本的な語彙力をつけ、アクセントもチェックしておくことも大切です。
数学
傾向分析
自治医科大学医学部の数学は、試験時間が80分です。出題形式には変化がありますが、小問集合と大問の設問数の合計が25問で一定しています。難易度は基本的なレベルから標準的なレベルが中心です。ただし、問題数が多いため単純計算で1問あたり約3分程度と、あまり時間をかけられません。
解答形式はすべてマークシート方式で、選択肢が0~9の10択になっていることが多いのが特徴です。出題数が多いこともあり、まんべんなくほとんどの分野から出題される可能性があります。
受験対策・勉強法
自治医科大学医学部の数学は問題数が多いため、基本的なレベルや標準レベルの問題は素早く解けるようにしておく必要があります。基礎固めをした上で問題を解く練習を積み、できれば問題を見ただけで解き方が分かるレベルにしておきたいところです。
数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・Cと分野の偏りなく出題されるため、苦手分野を作らないようにしましょう。独特の出題形式に慣れておくために、過去問に取り組んで慣れておくのも有効です。
化学
傾向分析
自治医科大学医学部の理科は2科目で80分です。化学の解答形式はすべてマークシート方式で、独立した問題が全部で25問出題されています。1科目を40分で解かなければならないことを考えると、1問あたりにかけられる時間は2分未満です。
難易度は標準レベルの問題がほとんどですが、正誤の組み合わせを答えさせるなど、正確な知識がなければ正答を導き出せない問題も出題されます。出題範囲は高校で学ぶ有機化学・無機化学・理論化学の全分野です。
受験対策・勉強法
自治医科大学医学部の化学では、理論化学・無機化学・有機化学が同様のボリュームで出題されます。そのため高校で学ぶ化学の分野は、偏りなく勉強しておかなければなりません。
また自治医科大学医学部の化学は問題数が多いため、理科1科目を40分で解ききるのは難しい分量です。基礎固めを行うとともに、ミスなく素早く計算できるスピードを身につけ、過去問に取り組む際も時間を意識しながら解いていくようにしましょう。
物理
傾向分析
自治医科大学医学部の理科は2科目で80分です。物理は他の理科系科目と同様に解答数で25の問題が出題されます。力学と電磁気を中心として波動や熱力学、原子物理まで、高校物理で学ぶ範囲が幅広く出題されます。
例年、同じテーマから複数の問題を出されることもありますが,25問の問題のうちほとんどが独立した問題となっています。解答形式はすべて5択のマークシート方式ですが、紛らわしい選択肢が並んでいるので形式になれておく必要があります。
受験対策・勉強法
自治医科大学医学部の物理は、全体的な難易度はそれほど高くないものの、問題数が多い上に出題が広範囲に及んでいます。出題内容や難易度は年によってばらつきはありますが、定性的に判断し解答を選べる問題から、計算のボリュームがあるものまで多様な問題が出題されています。
物理の問題に取り組むときには、素早く問題のタイプを把握し、解きやすいタイプの問題から解いていく柔軟さが必要となります。したがって、基礎的な力をつけた上で過去問演習を積み、どのようなタイプの問題でどのくらいの時間がかかるのかという感覚を養っておくことがとても有効な対策となります。
生物
傾向分析
自治医科大学医学部の理科は2科目で80分、解答形式はすべてマークシート方式です。生物の問題も化学・物理と同様に、全部で25問出題されます。出題範囲は高校で学ぶ生物の全分野におよび、他大学では出題頻度が低い進化や植生に関する問題もよく出題されています。
出題形式は空所補充や正誤判断、計算問題、実験考察などさまざまです。凝った設定の考察問題が出ることもありますが、難易度は全体的に易しいレベルから基本的なレベルでしょう。受験対策・勉強法
自治医科大学医学部の生物は、難易度が低く高得点が狙える分、易しい問題を落とさないことが大事です。問題数も多いため、ケアレスミスを少なく抑えてテンポよく解けるかどうかがポイントになります。また、出題分野に偏りが少ないので、苦手分野を作らないようにしましょう。
勉強方法としては、応用の問題集に取り組むというよりは漏れなく基礎固めを行い、知識を確実なものにしておくことが重要です。基礎固めができたら過去問を使った演習を行いながら、出題形式に慣れておいてください。
自治医科大学医学部の受験対策についてよくある質問
自治医科大学医学部の特徴は?
自治医科大学では1年次から受講可能な選択的セミナーを開講しているなど、臨床を重視した6年間一貫教育のカリキュラムが組まれています。また6年間全寮制となっており、共に学ぶ仲間との絆を深めることができる点も特徴です。
使命感を持った優秀な学生が多く、医師国家試験の合格率の高さも特徴の一つです。2013年から2022年まで医師国家試験の合格率が10年連続で全国第一位だったほか、2023年も合格率99.2%で全国2位と好成績でした。
自治医科大学医学部の難易度はどれくらい?
自治医科大学医学部の難易度は、私立医学部の中でもかなり高いレベルです。私立医学部では最も難易度が高いとされる慶應義塾大学の医学部に次ぐ難易度であり、国公立大学を含めた医学部の中でも、別格ラインに近い難易度と考えておいた方がいいでしょう。
自治医科大学医学部は私立医学部ではあるものの、全国の都道府県が共同で設立した少し特殊な大学です。合格者は各都道府県につき2、3人程度となっているため、入試では同じ都道府県の受験生がライバルになります。
自治医科大学医学部の受験対策や勉強法はどうすればいい?
自治医科大学医学部は他大学の医学部とは異なるところもありますが、合格を勝ち取るためには、まず現在の自分の学力を把握するところからがスタートです。得意分野と不得意分野を知った上で、ここまで解説してきた勉強方法を取り入れることが重要です。
自治医科大学医学部の受験対策なら大学別模試の受験がおすすめ
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