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【講師監修】大阪大学医学部の入試傾向と受験対策・勉強法を解説|医学部予備校メビオ

基本情報

2024/12/26(木)

(最終更新日2024/12/27)

国立大学医学部を受験するにあたっては、学校ごとに二次試験の出題傾向が異なります。そのため入試の出題傾向を知り、出題傾向に合わせて十分な対策を取ることが重要です。この記事では、大阪大学医学部の入試情報、科目別の出題傾向や勉強法など、受験に向けて知っておきたい情報を紹介します。

大阪大学医学部の概要

大阪大学医学部の自由な学風の源流は、1838年に蘭学者緒方洪庵が開いた適塾です。洪庵は日本全土から集まった門人に蘭学・医学を教えました。その後、緒方洪庵の息子や弟子たちの尽力もあり、1869年に明治新政府は大阪仮病院と大阪医学校を開設します。このうち大阪医学校は明治、大正、昭和への時代の流れと共に何度かの名称変更を経た後、1931年に設置された大阪帝国大学の医学部として位置づけられます。その後1946年に大阪大学医学部と改称され、1993年には中之島地区にあった医学部と附属病院が吹田市に移転しました。2019年に大阪大学医学部は医学伝習150周年を迎えています。

大阪大学医学部の入試情報

【所在地】大阪府吹田市山田丘2-2
【学生数】1,333人(※2024年5月1日現在、医学部在学生数)
【公式サイト】https://www.med.osaka-u.ac.jp/igakubu-jyukensei
【アドミッション・ポリシー】
【求める人材像】

  1. 医学部医学科では、地域医療に貢献する人材や、世界をリードする医師・研究者を養成することを教育目標とし、これを実現するため、以下のような資質・能力を持った学生を受け入れます。
  2. 高度な倫理観に裏付けられた豊かな人間性を持ち、組織においてリーダーシップを発揮できる者
  3. 医学科の教育課程を履修するに必要な高度な学力、知性および語学力を有する者
  4. 医学の進歩に貢献するとの強い信念を持ち、それを実現する行動力を有する者
  5. 多様な価値観を受け入れる柔軟性と知への探究心、自由で豊かな発想力を持ち、創造性を発揮できる者
  6. 社会における自らの役割を理解し、協調性と責任感をもってそれに貢献する意欲のある者

【6年間の学費】349万6,800円
【奨学金情報】
楽友会奨学金
岸本基金奨学助成金

大阪大学医学部の入試情報の詳細はこちらをご覧ください。

大阪大学医学部合格に向けたロードマップ

高1生

医学部に入るためには高校1年生のうちから以下のことに取り組むことが重要です。
まずは高い学力を身につけるために、授業は真剣に取り組み、定期的に復習を行いましょう。英語や数学に特に力を入れることが必要です。また、医学に関連するニュースや書籍を読んで知識を広めましょう。さらに、ボランティア活動や病院見学など医療現場に触れる機会を増やし、医師の仕事や現実に理解を深めておくのがおすすめです。英語力を向上させるために英会話や英語の読解力を磨いておきましょう。

▼メビオの高校1〜2年生向け受験対策を見てみる

高2生

高校2年生の場合は、以下のことに取り組むことが重要です。
まずは学力向上に注力し、特に英語や数学に重点を置いて学びましょう。予習や復習を欠かさず行い、定期テストや模試で自己の理解度を確認することも大切です。また、学校の進路指導や受験情報を活用して、医学部受験に必要な科目や内容を把握しましょう。さらに、医療に関連するボランティア活動や研修プログラムに積極的に参加し、医療現場への理解を深めることも意義があります。英語力を高めるに英会話やリーディングにも時間を割くことが大切です。最後に将来の進路や大学選びについての情報収集を始め、必要な準備や対策を進めましょう。

▼メビオの高校1〜2年生向け受験対策を見てみる

高3生・高卒生

高校3年生・高卒生の場合は、以下に注力することが特に重要です。
まずは受験勉強に集中し、医学部入試に必要な科目や範囲を徹底的に理解しましょう。 志望校の過去問題や模擬試験を解いて実践力を養い、苦手分野を克服する努力を惜しまないようにしましょう。また、志望校の出願要件や受験情報を確認し、必要な書類や面接対策の準備も行います。同時に、継続的なボランティア活動や病院見学など医療現場への理解を深め、自身の意志や目的を確かなものにしてください。英語力を向上させるために、英語のリーディングやリスニング、英作文の練習を行いましょう。

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大阪大学医学部の科目別受験対策・勉強法

英語

傾向分析

大阪大学における個別学力検査の数学は、試験時間が90分で500点満点です。「コミュニケーション英語Ⅰ」「コミュニケーション英語Ⅱ」「コミュニケーション英語Ⅲ」「英語表現Ⅰ」「英語表現Ⅱ」から出題されます。
英語は外国語学部を除く学部共通問題です。例年大問4題が出題され、英文和訳、長文読解、自由英作文、和文英訳の構成になっています。英文和訳は60~80語程度のボリュームで2題出題されるのが慣例です。長文読解は700語ほどとなっており、論説文が中心で、医学分野からの出題は多くありません。自由英作文は60~70語、和文英訳は2種類の文章が出題される傾向です。

受験対策・勉強法

大阪大学の英語は旧帝大ということもあり、出題の難易度は高めの傾向です。長文読解が1題しか出題されず、根本的な英語力を試す問題が多いことが特徴となっています。試験時間は短いと感じる人が少なくないでしょう。英文和訳、和文英訳は、出題された文章を分かりやすい日本語に変える必要があるため、英語力だけでなく日本語の記述能力も高めなければなりません。長文はボリュームが多いため、速読と精読を同時にできる力を養う必要があります。過去問を解く際には、長文は30分以内、自由英作文は15分程度で解くことを目安にするとよいでしょう。

数学

傾向分析

大阪大学における個別学力検査の数学は、数Ⅰ・数Ⅱ・数Ⅲ・数A・数B(ベクトル・数列)から出題されます。試験時間は150分、配点は500点です。
数学は他の理系学部と共通問題です。全問記述式で例年大問5題が出題されます。数Ⅲの出題比率は40~60%で、微積分・極限、三角関数が頻出分野です。整数の性質も毎年出題されています。図形的な考察が必要なベクトル、複素数平面、図形と方程式なども毎年1題は出題されている状況です。複数の分野にまたがった融合問題が出題されることが多く、思考力、論証力、計算力など総合的な数学の力が必要です。

受験対策・勉強法

数学は、標準的な問題は少なめで全体的に難易度が高い問題が多い傾向です。公式や典型的な解法を用いるだけでは太刀打ちできない問題が多くなっています。頻出分野以外はまんべんなく出題されているので、全分野にわたってしっかりと学習しておくことが大切です。出題の仕方も多岐にわたるため、基礎的な力をしっかり身につけたあとは応用問題を多く解き、さまざまな出題形式に慣れる練習をしましょう。特に、頻出の微積分と極限は難易度の高い問題集でしっかり対策を行うことがポイントです。過去問は過去5年分以上取り組みましょう。

化学

傾向分析

大阪大学における個別学力検査の理科は、化学・物理・生物の中から2科目選択です。化学は化学基礎・化学から出題されます。試験時間は2科目で150分、配点は2科目で500点、1科目で250点です。
化学は他の学部と共通問題です。例年大問4題が出題され、理論化学2題、有機化学1題、高分子1題の出題構成であることが多いようです。理論と無機、有機と理論、高分子と理論などの融合問題も出題されます。空所補充、小問方式による出題が多くを占め、選択問題はほとんどありません。20~100文字程度の論述問題、反応式の記述問題、実験装置やグラフの図示問題が頻出で、計算式の途中経過を書く問題も出題されます。

受験対策・勉強法

化学は、理論が出題比率の半分以上となっており、有機や高分子にも理論を含む出題がなされているため、理論は応用分野まで身につけておく必要があります。学習する際には、範囲があまり広くなく計算ミスをしにくい有機や高分子の難問から先に取り組み、得点源としましょう。理論は範囲が広いため、有機や高分子を固めた後にじっくりと取り組むことがポイントです。ケアレスミスを防ぐためにも、解答欄に書く前に確認を怠らない、数字の読み間違えをしない、途中式を丁寧に書く、考え方をメモするなどが有効です。

物理

傾向分析

大阪大学における個別学力検査の理科は、化学・物理・生物の中から2科目選択です。物理は物理基礎・物理から出題されます。試験時間は2科目で150分、配点は2科目で500点、1科目で250点です。
物理は他の学部と共通問題です。例年大問3題が出題されていますが、2017年以降は大問3が独立した2つの問題に分かれているため、実質的には大問4題の出題です。力学・電磁気が毎年1問ずつ出題されています。波動、熱力学、原子の分野や、力学と他の分野の融合問題もよく出題されます。解答のみを答える短答形式が主で、空所補充形式、記号選択方式が多い傾向です。

受験対策・勉強法

物理は、標準~やや難易度が高い問題が出題されます。大問の後半に行くほど難易度が上がる傾向です。試験時間に対して問題量が多く、複雑な計算もあるので、解き切るのは難しいかもしれません。標準問題を見極めて確実に解答し、残った時間で難易度の高い問題を解き進めていくことが大切です。過去に出題された問題と似た設定の問題がよく出題されるため、過去問を解いておくことが重要になります。理科は2科目で150分の試験時間となっているため、直前期は直近の過去問を使い、もう1科目と合わせて時間を計りながら解く練習をしましょう。

生物

傾向分析

大阪大学における個別学力検査の理科は、化学・物理・生物の中から2科目選択です。生物は生物基礎・生物から出題されます。試験時間は2科目で150分、配点は2科目で500点、1科目で250点です。
生物も他の学部と共通問題です。例年大問4題が出題されます。生物は理科3科目の中で最も難易度が高い傾向です。考察問題がほとんどを占めており、中には医学部の教授が作問しているといわれる超高難易度の問題が出題されることがあります。分子生物と神経、遺伝情報の発現、体内環境、動物・植物の反応、代謝、生殖と発生が頻出分野です。逆に、生態学の分野はほとんど出題されません。

受験対策・勉強法

生物は、基礎的な知識を問う空所補充の問題も出題されていますが、差がつきやすい論述や計算問題も多く出題されています。論述や計算問題の出題割合は年度によって変わるため、注意が必要です。難易度が高い実験考察の問題が頻出で、描図問題も出題されています。問題文が長く記述式の解答も多いため、時間的な余裕は少ないといえます。試験までに時間が取れない場合は、頻出分野の分子生物や神経だけでも、最高難度の考察系問題集に取り組んでおきましょう。難易度の高い考察系の問題は、旧帝大の間で似たような問題が出題されていることも多々あります。他大学の過去問も含めて触れておきましょう。

面接

傾向分析

大阪大学医学部の面接は10分程度で、受験生1人に対し、面接官が3人です。大阪大学医学部の面接で尋ねられることはさほど難しい内容ではありません。医学部を志望した理由、大阪大学への入学を志望する理由、大学で何を学びたいか、などがよく聞かれます。面接の目的は受験生の人柄やコミュニケーション能力を見ることです。試験官は3人とも穏やかで優しいので気負わずに面接に臨みましょう。ただし、浪人生や再受験生に対しては、浪人の間に何をしていたか、なぜ再受験をしようと思ったのかなど、やや突っ込んだ質問が投げかけられることがあります。

受験対策・勉強法

面接はあまり身構えずに自然なコミュニケーションが取れるようにしましょう。嘘をついたりごまかしたりせず、素直に答えることが大切です。大阪大学のカリキュラムについて尋ねられることがあるので、事前に調べておきましょう。医療分野の時事問題について質問されることがあります。知識がなければ答えられないため、医療問題に関する新聞記事やニュースを見て、自分の意見をまとめておきましょう。浪人生の場合は、浪人生活で何をしていたか、再受験の場合はなぜ再受験をしようと思ったのか、面接官を納得させられるような答えを考えておきます。

大阪大学医学部の受験対策についてよくある質問

大阪大学医学部の特徴は?

大阪大学医学部では、従来の医学科のカリキュラムをそのまま受講しながらも、時間外に基礎医学研究を実践するMD研究者育成プログラムが実施されています。学生時代から医学教育と平行して本格的な研究生活を体験することを目的としており、1年次から6年次終了までの6年一貫プログラムです。
大阪大学医学部は世界をリードする研究者を輩出しており、研究成果も残しています。そのための基盤として、学内外を問わず、さまざまな機関との協力体制が整っていることも特徴です。
1,086床を有する大阪大学医学部付属病院は、地域の中核病院としての役割を果たす他、高度先進医療を提供しています。2020年には地域がん診療連携拠点病院(高度型)として国の指定を受けました。

大阪大学医学部の難易度はどれくらい?

国立大学医学部医学科の2024年度前期日程における入試倍率の平均は4.3倍でした。それに対して大阪大学医学部の入試倍率は2.8倍で、平均より倍率は低い傾向です。ただし、大阪大学医学部の難易度は、国立大学の中では東京大学と京都大学に続く最難関校であることから、入試倍率は低いといえども、非常に狭き門となります。

大阪大学医学部の受験対策や勉強法はどうすればいい?

大阪大学医学部の難易度は国立大学医学部の中でも高いレベルです。そのため、オールマイティな力をつけることが求められます。自分の得意分野や不得意分野を正確に把握し、少しでも早い段階で不得意分野をなくすよう努力しましょう。さらに、これまで紹介してきた勉強法を取り入れて、抜けや漏れがないよう受験に向けてしっかり対策を進めていくことが大切です。

大阪大学医学部の受験対策なら大学別模試の受験がおすすめ

医学部受験を考えるなら、なるべく早い時期から目標を見据えて対策を始めることが大切です。医学部に合格するには確かな学力を身につける必要があります。そのためには、できないこと、間違えやすい部分を自分で認識することが大切です。
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