医学部コラム
医学部のAO入試の実態は?受験対策はどうするの?
基本情報
2019/05/28(火)
(最終更新日2022/06/30)
目次
1.AO入試の仕組み
2.AO入試は現役・一浪に超有利!でも注意点も……
3.対策は大学別に立てる必要がある
4.併せて利用したいのがセンター利用
5.まとめ
AO入試の仕組み
AO入試は、学科試験(センター試験)に先立って書類選考・面接・小論文の試験を行い、特に面接でコミュニケーションの部分を重点的に審査する試験です。医師としての適性があるかどうかを審査される試験の仕組みとして、受験生にも広く利用されています。
AO入試は、早ければ10月~11月に1次選考と2時選考が行われ、その後1~2月に行われる合格発表を待つという仕組みのため、現役・一浪の受験生にとって非常に有利な日程になっています。
AO入試では面接・小論文の試験に加えてセンター試験の対策を行う必要があるので、センター試験に限っては個別の対策を立てる必要がありますが、11月中に個別の大学で受験する試験が終わるので、受験の仕組みとしては負担の少ないものといえるでしょう。AO入試は現役・一浪に超有利!でも注意点も……
AO入試は医師としての適性があるかどうかを審査する試験の形態で、コミュニケーション能力が高く、文章力のある学生にとってかなり有利に試験を受けることができるでしょう。
また、受験の条件としては現役・一浪に限って受験可能な制度になっていたり、高校時代の成績が不問とされている大学もあるなど、受験生にとっては非常にありがたいシステムであることが多いのが特徴です。1次選考・2次選考を終えた後にはセンター試験を受験するだけで合否が決まるため、AO入試を利用して受験しようと考える学生は非常に多いのが実情ですが、実はこの時にいくつか注意しておかなければならないことがあります。
まず、受験後の奨学金契約の締結とその後の返還について、しっかりと条件を確認しておく必要があります。大学にもよりますが、AO入試に合わせて奨学金の契約締結が求められ、その奨学金の免除の代わりに大学が存在している地域での医療従事が求められる条件が課されている場合が多く、地域医療に従事する予定がない受験生には非常に大きな負担になる可能性があります。
医師免許が取れるのであればいいと思われている方もいるかもしれませんが、卒後の初期研修を終え、後期研修という専門医取得の条件に見合った病院が奨学金返済の対象になる病院でなかった場合には、貸与された金額に利息をつけて返還をする必要があったり、実質的に卒後に進める診療科が制限されている場合があるので注意しなければいけません。
受験生にとって、どの診療科に興味があるかはまだ明確に分からないと思います。だからこそ、医学部に入学した後に専門にしたい診療科が制限されてしまうのは非常に大きなデメリットになるので、自身の選択肢が狭まってしまう可能性があることに注意しなければいけません。対策は大学別に立てる必要がある
実際にAO入試を検討する時には、個別に大学別の対策を立てることが非常に大切です。大学ごとに求めるアドミッションポリシーをしっかりと確認し、面接ではそのアドミッションポリシーに一致していることをしっかりとアピールすることが求められます。
また、小論文に関しても各大学によって文章の量・出題テーマの傾向などが異なっており、非常に特殊な問題を課されるケースもあります。とっさの応対能力を上げるためにも、医学部に限らず様々な学部系統の小論文のテーマを抽出し、問題演習を重ねておくことが非常に重要です。併せて利用したいのがセンター利用
AO入試と併せて利用したいのがセンター利用入試です。センター利用の試験ではセンター試験を受けた後に2次の小論文・面接が課されるので、チャンスを広げるためにも受験を検討するだけの価値はあります。
AO入試でもセンター試験を利用しますし、センター利用も併せて受験に利用することで負担を小さくしながら、いくつもの大学を受験することができるようになります。
併せて他の大学に併願を行い、医学部入試のチャンスを効率よく増やすよう検討してみましょう。