医学部コラム
【講師監修】東海大学医学部の入試傾向と受験対策・勉強法を解説|医学部予備校メビオ
基本情報
2024/12/27(金)
(最終更新日2024/12/27)
私立大学医学部は各学校によって入試の出題傾向が異なるため、入試の出題傾向を知り、出題傾向に合わせた十分な対策を取ることが重要です。この記事では、東海大学医学部の入試情報、科目別の出題傾向や勉強法など、受験に向けて知っておきたい情報を紹介します。
目次
1.東海大学医学部の概要
2.東海大学医学部の入試情報
3.東海大学医学部合格に向けたロードマップ
3-1.高1生
3-2.高2生
3-3.高3生
4.東海大学医学部の科目別受験対策・勉強法
4-1.英語
4-2.数学
4-3.化学
4-4.物理
4-5.生物
4-6.小論文
5.【2023年最新】東海大学医学部の各科目講評と全体統括
6.東海大学医学部の受験対策についてよくある質問
6-1.東海大学医学部の特徴は?
6-2.東海大学医学部の難易度はどれくらい?
6-3.東海大学医学部の受験対策や勉強法はどうすればいい?
7.東海大学医学部の受験対策なら大学別模試の受験がおすすめ
東海大学医学部の概要
東海大学医学部は1974年4月に設置され、1975年2月に医学部付属病院が開院しました。1983年に医学部付属東京病院、1984年に医学部付属大磯病院、2002年に医学部付属八王子病院が開院しています。2013年より神奈川県地域枠入学試験制度、2017年より静岡県地域枠入学試験制度が導入されています。
東海大学医学部の入試情報
【所在地】神奈川県伊勢原市下糟屋143
【学生数】1,071名(※2023年5月1日時点)
【公式サイト】http://www.med.u-tokai.ac.jp/index.html
【アドミッション・ポリシー】
強い使命感をもち、医学科の教育研究上の目的及び養成する人材像を理解し、これらを達成するために自ら学ぶ意欲を持った人を求めます。
『求める学生像』
医学部医学科の教育目標を理解し、この目標を達成するために自ら学ぶ意欲を持った人材。及び、ディプロマ・ポリシーで求められている能力を、身に付けられると期待できる基礎学力を十分有する人材。
『入学者にもとめる知識・技能・思考力・判断力・表現力・態度』
(1)知識・技能
英語では、高校での英語の科目を通して英語の文章理解力、表現力、コミュニケーション能力を身につけておくことが望ましい。
数学では、高校での数学の科目の履修を通して公式や計算方法を理解した上で、それらを応用できる能力を身につけておくことが望ましい。
理科では、高校での理科(物理、化学、生物)の科目の中から数科目を選択し、個々の項目の内容を理解していることが望ましい。
(2)思考力・判断力・表現力
他者の意見を傾聴でき、自身の知識・体験を通じて共感でき、相手を尊重しながら自身の考えを発信できる能力を身につけていることが望ましい。
(3)主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度
周囲と協調しながら、目標に向かって継続した努力や挑戦する姿勢を持てることが望ましい。
【6年間の学費】35,506,200円
【奨学金情報】
東海大学医学部医学科特別貸与奨学金
医学部医学科奨学金
医学部医学科奨学金〈ひまわり〉
日本学生支援機構奨学金
地方公共団体・民間育英団体奨学金 など
東海大学医学部の試験科目・募集人数・受験料・出願期間、入試日程・会場アクセス、受験者数・合格者数など詳細情報はこちら
東海大学医学部合格に向けたロードマップ
高1生
医学部に入るためには高校1年生のうちから以下のことに取り組むことが重要です。
まずは高い学力を身につけるために、授業に真剣に取り組み、定期的な復習を行いましょう。英語や数学に特に力を入れることが必要です。
また、医学に関連する本やウェブサイトを読んで知識を広めることも大切です。
さらに、ボランティア活動や病院見学など医療現場に触れる機会を増やし、医師の仕事や現実を理解することも意義があります。
英語力を向上させるために英会話や英語の読解力を磨くこともおすすめです。
高2生
高校2年生の場合は、以下のことに取り組むことが重要です。
まずは学力向上に注力し、特に英語や数学を重点的に学びましょう。
予習や復習を欠かさず行い、定期的なテストや模試で自己の理解度を確認しましょう。
また、学校の進路指導や受験情報を活用して、医学部受験に必要な科目や内容を把握しましょう。さらに、医療に関連するボランティア活動や研修プログラムに積極的に参加し、医療現場の実践的な経験を積むことも重要です。
英語力を高めるために英会話やリーディングにも時間を割きましょう。最後に将来の進路や大学選びについての情報収集を始め、必要な準備や対策を進めることも大切です。
高3生
高校3年生の場合は、以下に注力することが特に重要です。
まずは受験勉強に集中し、医学部入試に必要な科目や範囲を徹底的に理解しましょう。
過去問題や模擬試験を解いて実践力を養い、苦手分野を克服する努力を惜しまないようにしましょう。また、志望校の出願要件や受験情報を確認し、必要な書類や面接対策の準備を行いましょう。同時に、継続的なボランティア活動や病院見学など医療現場での経験を積み、自身の意志や目的を深めてください。英語力の向上も忘れずに取り組み、英語のリーディングやリスニング、英作文の練習を行いましょう。
東海大学医学部の科目別受験対策・勉強法
英語
傾向分析
英語はコミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II・コミュニケーション英語III・英語表現I・英語表現IIからの出題です。試験時間は70分、配点は100点です。
英語は大問が8題出題され、大問1~6がマークシート方式、大問7と8が記述式となっています。大問1は500~600語程度の読解問題、大問2~6は文法、語彙、会話問題、整序問題、グラフ問題です。大問7と8は和文英訳と英文和訳が出題されます。
受験対策・勉強法
東海大学医学部の英語の試験問題は問題数が多く、時間配分がカギになります。大問1~6は標準的な問題ですが、大問7・8は年度によって難易度の高い問題が出題されるため、早期からしっかりした対策が必要です。英文和訳、和文英訳は入試のハイレベルまで対応した問題集を繰り返し練習しましょう。大問1~6は基本的に標準レベルの問題であり、9割の得点を目指す必要があります。会話問題には独特の難しさがあることも多いので、ここだけでも過去問に数年分触れておくとよいでしょう。全体として取りこぼしのないよう、基礎を徹底して身につけることが大切です。
数学
傾向分析
東海大学医学部の数学は数I・数II・数A・数B(数列・ベクトル)から出題されます。試験時間は70分、配点は100点です。
大問が3題出題され、はじめの大問は小問集合です。その他の大問は誘導形式になっており、基本的な問題から手間のかかる問題まで出題されます。すべて解答のみを書き込む空所補充形式で部分点はありません。
受験対策・勉強法
数学は微分・積分、確率、数列、ベクトルが頻出分野で、微分・積分は毎年のように大問で出題されます。大問1は小問集合で、さまざまな分野から出題される傾向です。東海大学医学は1日目と2日目の2回受験するチャンスがあり、どちらも問題の難易度や分量は同程度となっています。出題範囲の重複はほとんどないため、どの分野から出題されても大丈夫なように対策しておくことが必要です。基本的な問題なので、確実に得点できるよう準備をしておきましょう。
化学
傾向分析
東海大学医学部の理科は化学・物理・生物の中から1科目選択です。化学は化学基礎・化学から出題されます。試験時間は70分、配点は100点です。
解答方式はマークシート方式と記述式が混在しています。化学は大問が5~6題出題され、小問数は20~25問です。試験時間は70分なので、1問につき2~3分で回答する必要があります。記述式問題は論述や作図などは出題されないものの、有効数字付きの計算問題、化学反応式や構造式の記述、空所補充、選択肢式など、出題形式は多様です。
受験対策・勉強法
化学は物理や生物に比べると難易度が低い傾向です。ただし、科目間の難易度差によって生ずる不公平感を調整するために得点は偏差値化されるので、化学選択者は高得点を目指す必要があります。典型問題から標準問題まで出題されており、難問・奇問は出題されない傾向です。
計算問題が多いため、基礎レベルの問題集を用いて計算力を身に付けておきましょう。2021年に出題された酒石酸の構造のように教科書や問題集に載っていない問題が出題されることがあるため、資料集を使った学習をしておくとよいでしょう。
物理
傾向分析
東海大学医学部の理科は化学・物理・生物の中から1科目選択です。物理は物理基礎・物理から出題されます。試験時間は70分、配点は100点です。
物理は大問が3~4題、小問は大問ごとに4~6問出題され、全体の小問数は20問というのが毎年決まったスタイルとなっています。最初に大前提の設定や仮定が図とともに数行で示されており、小問ごとに設問に解答する方式です。記述式とマークシート方式が半分ずつで、前半は記述式、後半はマークシート方式になっています。
受験対策・勉強法
東海大学医学部の入試は、他の科目は標準的なレベルであるのに対し、物理の難易度が高いことが特徴です。また、試験が2日にわたって実施され、2日とも出題範囲が異なるため、どの分野が出題されても答えられるよう満遍なく対策しておく必要があります。
特に物理では力学、電磁気の単元は必出で、波動、熱力学、原子の単元から何題か出題される傾向です。また、複合問題もよく出題されます。入試の標準レベルの問題集を1冊選び、解答を見ずに自分で答えを導き出せるようになるまで訓練を積みましょう。
生物
傾向分析
東海大学医学部の理科は化学・物理・生物の中から1科目選択です。生物は生物基礎・生物から出題されます。試験時間は70分、配点は100点です。
生物は大問が5題出題され、大問1題につき小問が10問を超えることがあるため、素早く解くことが重要です。解答方法は全問記述式で、字数制限つきの記述問題も出題されます。基本的な内容を問う問題から難易度の高い問題まで、出題される問題のレベルは幅広い傾向です。
受験対策・勉強法
東海大学医学部の生物は問題文の文章量が多い傾向があるため、問題文が長く、記述を多く扱う難易度が高めの問題集を利用して演習をしましょう。選択式の問題はすべて選ばせるなど、正確な知識が求められます。また、字数制限付きの記述問題は練習が必要です。グラフなどの作図問題も出題されることがあるため、過去問演習は必ず行いましょう。
小論文
傾向分析
小論文は一次試験の日に実施され、二次試験の合否判定に用いられます。指定文字数は500文字、時間は45分です。出題形式は決まっているわけではなく、イラストや写真を見て感じたことを書く、詩や川柳をもとに感じたことを書く、課題文を読んで感じたことを書く形式などが過去に出題されました。
受験対策・勉強法
東海大学医学部の小論文は、45分間に500文字の文章をまとめなければなりません。与えられた文章を読んで要約する練習を積んでおきましょう。単に自分の考えを述べるだけでなく、知識がない人に分かるよう説明する力が求められます。過去問や類題を用いて正確に物事を伝える練習や、誰が読んでも分かるような取扱い説明書を書く練習をしておきましょう。
【2023年最新】東海大学医学部の各科目講評と全体統括
2023年度の東海大学医学部入試は、いずれの科目も出題形式は前年度とほぼ同じでした。次年度の受験に向けては、最新の入試結果をもとに対策を立てることが重要です。2023年度の東海大学医学部入試に置ける科目ごとの講評と全体統括については、こちらで詳しく解説しています。
東海大学医学部の受験対策についてよくある質問
東海大学医学部の特徴は?
東海大学医学部は、日本で初めてクリニカルクラークシップ(診療参加型臨床実習)を導入しました。充実した海外留学制度や模擬患者を活用したPBL(問題解決型学習)、Advanced OSCE、スキル・クリニックの運営など、時代を先取りした教育を実施しています。
他の医療系大学には見られない大幅な編入学枠を設けている点も、東海大学医学部の特徴です。さまざまな背景や文化を持つ学生同士が入学後に切磋琢磨しながら人間性や社会性を磨いています。
東海大学医学部の難易度はどれくらい?
一般的に、医学部は理系学部の中でも全体的に偏差値や難易度が高い傾向です。東海大学医学部の偏差値は、30年前と比較すると大きく上昇しました。最近の偏差値は慶応義塾大学や早稲田大学の理工学部と同程度です。2023年度の一般選抜の入試倍率は、26.8倍でした。偏差値が上昇したことに加えて入試倍率も高いことから、難易度はとても高いといえます。
東海大学医学部の受験対策や勉強法はどうすればいい?
東海大学医学部に合格するためには、自分の得意分野や不得意分野を把握し、抜けや漏れがないように満遍なく着実な対策が必要です。これまで紹介してきた勉強法を取り入れて、受験に向けてしっかり対策しましょう。
東海大学医学部の受験対策なら大学別模試の受験がおすすめ
東海大学医学部の受験を考えているなら、早い時期から準備を始めて、着実に力をつけることが大切です。
医学部進学予備校メビオでは説明会や無料の体験授業、数々のガイダンスやイベントを随時行っています。高校生から浪人生に向けた講座まで幅広く展開しているので、ぜひ検討してみてください。
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