医学部コラム
国公立医学部受験の二段階選抜とは?
基本情報
2019/10/07(月)
(最終更新日2022/06/30)
国公立大学の受験で気をつけたいのが二段階選抜制度です。二段階選抜では、センター試験を一次試験として利用し、その合格ラインを通過した受験生のみが、大学が独自で設ける二次試験を受験することができます。合否判定は、大学によって異なる点もありますが、二次試験の結果とセンター試験の結果の総合判断によってなされることが一般的です。
そのため、国公立大学やセンター利用私大入試では、センター試験での合格ラインが設定されているので、志望校の二次試験対策のみならずセンター試験の受験科目を徹底して勉強しておくことが、より大切になります。今回は、二段階選抜に注意した受験のポイントをみなさんにご紹介いたします。
二段階選抜制度では全受験生が二次試験を受けられるわけではない
二段階選抜制度を採用している大学の入試では、一次試験で不合格になってしまう受験生が一定数います。この制度は国公立大学の受験で特に注目されていて、センター試験の結果を元にして、二次試験への受験資格を選抜するのが目的で行われます。
受験生にとって厄介な存在ですが、大学にとって毎年の受験者の数を揃え、倍率を一定に保つように受験生の数をコントロールするのは重要な事です。受験をする前にまずは一次試験の基準をよく見極めてから出願をするように注意しておきましょう。
二段階選抜を見据えた受験の計画
国公立大学の受験
国公立大学を受けるときに注意したいのが何よりも一次試験をしっかりとクリアすることです。そのためにはまずセンター試験で十分な点数を確保する必要があります。大学にもよりますが、基本的に国公立大学の医学部医学科を受験するときにはセンター試験で90%近い得点を求められます。70%後半~80%前半では一次試験不合格のリスクも高くなりますし、せっかく出願したとしても受験資格を得られません。
国公立大学の医学部を受験するのであれば、まず最低でもセンター試験で87%程度の点数の取得を目指す必要があります。国公立大学の医学部は非常に狭き門ですが、一次試験の比重が高い大学であればこれだけの得点を取得できればかなり合格の可能性が高まります。
受験予備校にはどれくらいの点数で一次試験不合格になるのかデータが蓄積されています。適切な対策を立てられるように、受験予備校や大学Webサイトなどでしっかりと情報を集めるようにしましょう。
私大受験の併願でリスク分散
国公立大学を受験するにあたり、私大の受験は避けて通れないものと思いましょう。特に国公立受験で一次試験不合格になる可能性がある場合には、私大の受験が必要になる可能性が高いです。二次試験に進めない点数をセンター試験で取ってしまった場合には、センター出願以外の受験方式での私大合格を勝ち取って、国公立大学の受験をするのが定石です。
私大医学部の受験ではセンター試験のように国語や社会の試験を求められないので、二次試験の形式が得意な学生は受験前に滑り止めの大学の選定をしっかりと行っておきましょう。もちろん、国公立と私立では、学費が大きく違うため、志望校選びは総合的に判断することが大切です。
ただし、私立大学でも藤田医科大学のように、特定の試験の点数が基準点に満たない場合は、無条件に不合格になってしまうこともあります。受験する大学の入試制度を確認する際は、このような基準点設定にも目を光らせるようにしましょう。
二段階選抜の対策としてできること
国公立大学受験ではセンター試験で必ず十分な点数を取ろう
最初にやるべき対策は、何よりもセンター試験でしっかりと点数を確保することです。具体的には、まず国語と社会の対策を早めに始めることが大切で、多くの受験生が後回しにしてしまいがちなこの2科目を得点源に据えておければ、一次試験突破の可能性が高まります。
英語・数学・理科は2次試験で利用する科目なので、どうしても勉強の時間を長く割くことになりますが、国語と社会で点数をしっかりと取れる状態をキープできれば、本番で80%後半まで狙える準備が整います。現役の学生では特に文系科目への対策が手薄になってしまうことがあるので、高校2年生の段階からしっかりと計画を立てて、あらかじめ文系科目を武器に変えておきましょう。
現行の理系科目のセンター試験の対策ですが、数学の問題解答で計算に使う時間対応が非常に厄介です。数字ⅡBでは特に計算量が多く、時間が足りないと感じる人も多いでしょう。しかし、公式の活用や計算スペースの工夫などによって計算の効率化を測るとかなり時間短縮ができます。闇雲に解くのではなく、時間管理まで計画に入れて受験対策をしましょう。