医学部コラム
医学部カリキュラムとキャリアパスの関係|早い段階から将来を考えよう
基本情報
2019/10/07(月)
(最終更新日2022/06/30)
目次
1.医学部生はキャリアパスが大切
1-1キャリアパスを見据えてカリキュラムが組まれている
1-2大学時代にキャリアパスが決まる可能性もある
2.医学部在学時のカリキュラム
2-11〜2年は基礎を学ぶ時期
2-23〜4年で臨床医学の勉強を進める
2-35〜6年は ポリクリと国試対策! マッチングも注目!
3.卒業後はこうしてキャリアを進める
3-1初期臨床研修
3-2後期臨床研修
3-3研究やさらなる勉強の時期
4.まとめ
医学部生はキャリアパスが大切
キャリアパスを見据えてカリキュラムが組まれている
医学部生の間は、大学ごとに設定されたカリキュラムに沿って勉強が進むため、ついていくだけで必死な学生は自分のキャリアパスをイメージする機会が持てないかもしれません。しかし、振り返るとわかるのですが、じつは医師として成長をするうえで必要なことが、必要な順番でカリキュラムになっていることが多く、カリキュラムが進むにつれてキャリアパスを見据えやすくなるようになっています。
余談ですが、受験生の段階からキャリアパスを考えて入学試験に臨めば、面接試験において良いアピールになる可能性が高いです。
大学時代にキャリアパスが決まる可能性もある
医学の世界は、狭いように見えて幅が広く、医学部生が進路の選択をするにあたっても、選択肢がかなり多い世界だと言えます。まず医学部を卒業した後に医師として勤務する人がいる一方、行政医官という公務員として働く人、研究者になり大学に残る人など、医師免許を持つ人材が必要とされている場所の多さに気がつくと思います。
医学の世界は人間関係のつながりがとても重要で、どのような診療科で働くのか、どの病院で経験を積むのかといったキャリアパスにも、大学時代の人間関係が影響を与えることがあります。学部時代からしっかりと自身のキャリアについて考えて行動することが、理想とする将来を実現するためには大切です。
医学部在学時のカリキュラム
1〜2年は基礎を学ぶ時期
3〜4年で臨床医学の勉強を進める
3・4年次では臨床医学という治療の学問が始まります。メジャー科目と呼ばれる内科・外科・救急を主体に、マイナー科目と呼ばれる皮膚科・小児科・産婦人科・眼科などの勉強を行い、病気の治療法を理解していきます。
1・2年の基礎医学を活用しながら勉強を行うので、この時期に基礎医学をもう一度復習する学生も少なくありません。4年生のタイミングでCBT・OSCEという学科・実技の試験があり、この2つの試験に合格すると臨床実習への参加資格を得ます。そのためこの時期はこれまで以上に勉強が忙しくなるのが一般的です。
5〜6年は ポリクリと国試対策! マッチングも注目!
卒業後はこうしてキャリアを進める
初期臨床研修
後期臨床研修
研究やさらなる勉強の時期
後期研修が終わり、専門的な領域での研究を深めることや、治療の経験をより多く積むことなど、研修の経験から今後のキャリアパスについて考えるのがこの時期です。大学の医局に所属し、治療と研究の両方に従事するか、市中病院で治療の経験を積み臨床の専門家として活躍するか、などの選択を迫られることが多く、場合によっては大学院に入学し、博士課程で研究に特化した生活を送るという生活を選択することもあります。医師としての専門性を持ち、自身の望んだ医療のイメージを実現するための一歩となる時期です。
まとめ
医師のキャリアパスは学部生のカリキュラムを学んでいる頃から定まることもあれば、卒業後初期臨床研修を終えた後にキャリアパスを具体的に決めること、学部生の間の人間関係で決まることなど、どのタイミングで決めるのかは人によって異なります。将来、医師として自分の望んだ成長を遂げることができるよう、医師としてどのようなキャリアパスを歩めるのか、想像しておくことが大切です。そうすれば、自身の望む将来に合ったカリキュラムを提供している大学を受験校に選ぶことができますよ。
また、受験生が知っておくべき点は2017年頃から、医学部のカリキュラム内で、座学の期間が短くなり、臨床実習の期間が長くなっていることです。これは、2023年以降に国際基準を満たしたカリキュラムを履修していない医学部卒の学生が、アメリカのECFMGへの申請ができない2023年問題に対応するためです。将来を考える上で重要な要素な1つであることを覚えておきましょう。