医学部コラム
医学部の大学院はどんな研究が行われている?博士課程の魅力とは?
基礎知識
2019/10/29(火)
(最終更新日2022/06/30)
目次
1.医学部での大学院の位置付け
1-1卒業後にすぐ入学する訳ではない
1-2博士課程に至る道のり
2.大学院で経験できる研究や授業
2-1基礎研究
2-2臨床研究
2-3大学院での研究
3.大学院進学の目的とメリットは?
3-1博士課程入学の目的はさまざま
3-2博士号取得は出世の条件
3-3研究を理解できることで次のステップが見えてくる
4.大学院入学に必要なこと
4-1基礎医学の知識は必須条件
4-2臨床経験も必要になることもある
5.まとめ
医学部での大学院の位置付け
卒業後にすぐ入学する訳ではない
医学部は他の学部と異なり、大学で学ぶ内容が日本国内で統一されていて、大学間の差はあまり大きくありません。一方、大学院では、各大学院の研究室や教室によって学べる内容が異なっています。
大学院は教授・准教授が中心となり、各教室でいくつかのテーマを決めて研究を進めていて、大学院に入学するとその教室で行われているテーマについて研究をすることができます。このため、大学院に進学する時にはまず自分の希望するテーマを見極めなければなりません。
博士課程に至る道のり
一般的には大学院に入るまでに、初期研修と後期研修を経験します。
初期研修は医師免許を取得した後にすぐに経験する研修で、全ての診療科の診察・治療に参加し、さまざまな病気について理解を深めていきます。初期研修期間では実際に手術を行ったり、産婦人科の分娩に立ち会ったりと医学部で学んだ以上に多くのことを経験します。この間にどの診療科の専門医になるのかを決める事が多いので、医師として一人前になっていく上で重要な期間です。一方、後期研修は自分が希望した診療科に所属し、その診療科で行われている治療にターゲットを絞って経験を積んでいきます。
大学院で経験できる研究や授業
基礎研究
臨床研究
大学院での授業
大学院進学の目的とメリットは?
博士課程入学の目的はさまざま
医学部の博士課程に入学する医師はさまざまな目的を持っています。治療の技術を向上させたい、病気の成り立ちを明らかにしたい、病気の原因となる遺伝子の機能を解明したいなど、人によって大学院進学を希望する理由やきっかけは異なります。
博士号取得は出世の条件
研究を理解できることで次のステップが見えてくる
実は、研究経験がないと論文の内容を理解することは、とても難しいことが多いです。実際に研究をしてみるとわかるのですが、自身が経験した実験以外の実験を理解したり、専門領域以外の分野の実験を知ったりすることに対して、苦労することもあるでしょう。
大学院入学に必要なこと
基礎医学の知識は必須条件
大学院入学後に、欠かせないのが基礎医学の知識です。PCR法・ウェスタンブロッティング・細胞の培養といった基本的な実験の技術や、分子生物学・生化学といった基本的な基礎医学知識無しに実験をすることはできません。
医学部の1・2年で履修する基礎医学は学年が上がるにつれて忘れてしまうこともあるかもしれませんが、大学院に入学してから基礎医学の知識が活躍します。基礎医学の勉強だけでなく、基礎配属期間の経験を活用し、大学院での学びに活かすように計画を立てましょう。
臨床経験も必要になることもある
医学部の大学院では臨床経験が活きることもあります。実際に治療をすることで、実務に必要なテーマや、医学会から注目されるような分野を見いだすきっかけとなり、より意義のある研究につながることもあります。今ある医療をより発展させるためには、治療の経験や、患者さんと医療現場で関わる経験が必要になるのです。