医学部コラム
医学部面接でよく聞かれる10の質問|失敗しないための対策も解説
受験計画
2021/12/19(日)
(最終更新日2024/12/19)
医学部の合格を目指す人にとって、面接対策は非常に重要な課題です。志望先にもよりますが「勉強ができれば医学部に入れる」というのは昔の話であり、現状では面接での高評価なしに医学部に合格することは難しいという実情があります。
一方、面接試験に苦手意識を持っていて限られた時間内で自分の熱意をうまく伝えることに難しさを感じる人も多いのではないでしょうか。この記事では、医学部の面接で聞かれることが多い質問と面接を成功させるためのポイントを解説します。
目次
1.医学部入試面接の特徴
1-1.個人面接
1-2.集団面接
1-3.MMI(Multiple Mini Interview)
2.医学面接でよく聞かれる質問と回答例
2-1.その大学(医学部)の志望理由
2-2.入学後にやりたいこと
2-3.最近読んだ本
2-4.理想の医師像
2-5.医療ニュースに関する質問
2-6.自分の長所と短所
2-7.尊敬する人物について
2-8.中学・高校時代の活動内容や経験
2-9.併願校はあるか
2-10.浪人・再受験の理由
3.医学部面接の対策方法
3-1.最低限のマナーは守る
3-2.志望先の募集要項に目を通す
3-3.オープンキャンパスに参加する
3-4.模擬面接や面接対策指導に参加する
3-5.志望先に関連する医療知識やニュースをチェックしておく
4.医学部面接で失敗しないための身だしなみ
5.医学部の面接は事前に入念な対策が重要
医学部入試面接の特徴
個人面接
個人面接は、受験生1人に対して面接官が1人もしくは複数人で行われる面接です。個人面接は多くの大学で行われています。面接室には自分と面接官しかいないため、何を問われているかを落ち着いて聞くことができ、自分の回答に集中できることがメリットです。
個人面接では、あらかじめ提出した志望理由書を元に、質問されることがあります。志望理由書に書いたことと面接で答える内容が一致していない場合、一貫性がない印象を与え、面接官に対して熱意が伝わりません。面接対策のために、志望理由書はコピーして保管しておきましょう。
個人面接は、面接官に対して自分をしっかりとアピールできる機会です。さまざまな視点から質問を受けたり、深堀りした質問が投げかけられたりする可能性があります。どのような質問にもしっかり答えられるよう準備しておきましょう。
集団面接
集団面接は、同時に2人以上の受験生に対して行われる面接です。受験生の人数は5〜10人ほどの場合もあります。面接官の人数は1人もしくは複数人と、学校によってさまざまです。
集団面接では面接官から受験生全員に対して共通の質問がなされ、受験生が順番に回答します。他の受験生が答えているとき、自分ならどう答えるかをシミュレーションしましょう。集団面接では、他の人が話しているときにどのような態度で聞いているかもチェックされています。自分が回答しているときだけでなく、他の人の話も熱心に聞く態度を見せることが大切です。
集団面接は、受験生一人ひとりに対する面接時間は多くありません。しかし、受け答えや態度を含め、他の受験生と比較されやすい傾向にあります。回答時間が長すぎると自己中心的ととらえられる可能性があるため、1分程度で簡潔に回答しましょう。
MMI(Multiple Mini Interview)
MMI(Multiple Mini Interview)とは、近年医学部入試に導入されるようになってきた面接方式です。受験生は、複数のブースを回って複数の面接官とそれぞれのブースで異なるテーマについて対話をします。
各ブースで用意されている質問は、医療倫理やチームワーク、リーダーシップなど、医師に必要とされる資質を測ることを目的としたものです。現代の医療現場で必要とされるコミュニケーション能力や冷静な判断能力、倫理的な問題への対応能力など、受験生の能力を多面的に判断します。
複数の面接官と対話をするため、公平な評価が行われやすいこともメリットです。面接官と特定の課題について質疑応答を行う形式の他、与えられた課題に対してプレゼンテーションをする学校もあります。
医学面接でよく聞かれる質問と回答例
医学面接では、入学後に自分がどうなりたいかという将来の展望と、現状の自分についてよく聞かれます。そのため、これまでの自分を客観的に把握し、今後のキャリアプランを明確にしておくことが大切です。ここでは、面接でよく聞かれる質問と回答例を紹介します。回答の望ましい形と良くない例も併せて紹介しますので、参考にしてみてください。
その大学(医学部)の志望理由
その大学(医学部)の志望理由は頻出の質問です。多くの医学部の中からなぜその大学を選んだのか、を明確に答えられなければなりません。大学ごとのアドミッションポリシーを理解しておくことはもちろん、大学の研究実績や設備なども調べておきましょう。
望ましい回答としては「大学の校風や伝統に対する憧れ」「自分が研究したい分野に功績を残した教授の元、整った設備の中で学びたい」「オープンキャンパスでの体験授業の素晴らしさに感銘を受けた」などです。逆に、偏差値や知名度、模試の判定、両親や担任からの勧めなどを理由にすると、主体性がないと取られかねません。
入学後にやりたいこと
医学には臨床と研究があり、さまざまな診療科があります。医師になりたいという気持ちを漠然と伝えるだけでは抽象的すぎて良い回答とはいえません。臨床医になりたいのか研究医を目指したいのか、どの診療科に興味があるのかを具体的に答えましょう。
大学にはそれぞれ特色があるため、自分が描く将来のビジョンと志望校のカリキュラムの整合性が取れていることが大切です。志望校がどの分野に強く実績を残しているのかをしっかり調べておくことにより、自分が将来学びたい内容にどう関わるかを述べることができるでしょう。
最近読んだ本
最近読んだ本を尋ねるのは、受験生の教養や知的好奇心、性格を探ろうとしているためです。その本を読んで感銘を受けたこと、自分の人生にどのような影響を与えたのかを簡潔に述べられるようにしておきましょう。本のタイトルや作者だけではなく、本の主旨、心に残ったフレーズなども言えるようにしておきましょう。本は必ずしも医療に関係する内容のものでなくても構いません。
「本は読んでいません」と答えるのは良くない回答例です。受験期は勉強に追われてしまい、あまりじっくりと本を読む時間は取れないかもしれませんが、何か1冊読んで感想を言えるように準備をしておきましょう。面接は待ち時間が長い場合もあるので、その間に読んでしまうのも一つの手です。学校の行き帰りの通学時間を利用して、電車の中で読んでおくのも良いでしょう。
理想の医師像
医師として目指す姿を問われることもあります。医学部の志望動機とも重なりますが、抽象的な回答をしているようでは面接官の心をとらえることはできません。
医療技術が進歩し、専門的な研究が進んだおかげで、多くの人命が救われるようになりました。しかし、患者が医師を信頼し、安心して身を任せることができなければ、治療はうまくいきません。そのために、医師が治療する相手は人間であること、患者に信頼してもらえるような人間性を備えた人になること、患者に温かく接することができる人間になることを目標としましょう。
理想の医師像として「自分の父親のようになりたい」と言う人もいますが、それだけでは十分ではありません。なぜそう感じるのか、自分の体験も含めた具体的なエピソードを付け加えるようにします。
医療ニュースに関する質問
面接では、医療ニュースに関して質問されたり、「最近関心を持ったニュースは何か」と医療に関係なく問われたりすることがあります。このような質問には正解はありません。受験生の関心や考え方が大学の方針と合っているか、世の中に対して幅広く関心を抱いているかを問うことが目的です。医療ニュースは、正しく理解し、自分なりの考え方をまとめておきましょう。
凄惨な事件や事故のニュースは、目についただけだと判断される可能性があり、望ましくありません。医療ニュースは、医療事故のようなマイナスイメージにつながる題材より、ノーベル賞受賞のようなプラスイメージの題材の方が話題にしやすいでしょう。
自分の長所と短所
医師として働く際に生かせる強みがあるのか、医師としての資質があるかを見極めるために、長所や短所を問われることもあります。
長所は医師の仕事に関係するような要素を選びましょう。例えば、責任感が強く温厚、人見知りをしないなどです。短所は、医師としての資質や人間性が備わっていないと思われてしまうような要素を言うのは避けましょう。例えば、感情のコントロールができない、周りが見えなくなるなどです。
長所をアピールするのはもちろんですが、自分が短所にどのように向き合っているのか、克服するよう努力しているのかを伝えましょう。
尊敬する人物について
尊敬する人物を尋ねることで、受験生の価値観や人柄をつかもうとしています。特にジャンルを指定されていない場合は、親や先生、クラブの顧問など、身近な人を挙げてもよいですが、具体的なエピソードを入れて話しましょう。歴史上の人物を指定されている場合は、その人物の功績をきちんと調べて把握しておくことが大切です。中途半端な知識しかない場合、深く突っ込まれると太刀打ちできません。
尊敬する人物がいない、と答えるのはマイナスイメージになります。思いつかない場合は父母でも構いませんが、具体的にどの点を尊敬しているのかを言えるようにしておきましょう。
歴史上の人物は、可能なら医療関係者か医師がおすすめです。日本人に限らず外国人でも問題ありません。具体的に説明できるなら、漫画の主人公や医療ドラマの主人公など、実在の人物でなくても大丈夫です。
中学・高校時代の活動内容や経験
部活動やボランティア活動、習い事などの課外活動や、そこで得た経験について答えることが一般的です。実績よりも、活動を通して何を学んだのか、医師として働く上でどのように生かせるのかが大切になります。
クラス委員や体育祭実行委員をしたなどの事実を述べるだけでは、相手に伝わるものがありません。例えば、部活動や習い事をコツコツと続けた経験は、医師になったときに粘り強く仕事に臨めるという強みになるでしょう。その分野に詳しくない人にも分かるように、具体的な例を出しながら説明することが望ましいです。
併願校はあるか
医学部受験では複数校を併願することは珍しくないため、正直に伝えて問題ありません。ただし、併願校として挙げる学校は、2〜3校に留めておくのが無難です。その学校を選んだ理由を聞かれた場合は、自分が学びたいカリキュラムがあることや設備が整っていることなど、学習面に着目して答えると良いでしょう。
ただし、併願校があっても、本学が第一志望で入学を希望していることを伝える必要があります。滑り止めとして受けたことや、志望順位が低いことなどは、失礼に当たるため言うべきではありません。
地方の大学では、卒業後にその地域で医師として働けるかが問われることがあります。なりゆき任せにならないように、意思を明確に提示しましょう。
浪人・再受験の理由
浪人生の場合は、不合格だった理由を尋ねられることがあります。この質問は、不合格になった本当の理由を尋ねることが目的ではありません。不合格だった理由をどう分析しているのか、失敗から何を学んで克服しようとしたのかが問われます。失敗点を振り返り、将来につなげられるような回答をしましょう。
再受験の場合は、前の大学を辞めた理由と医学部を目指す理由を問われます。医師を目指す理由が明確に答えられないと面接官に与える印象が悪くなるため、しっかりと考えをまとめておきましょう。
医学部面接の対策方法
医学部の面接といっても、一般的な面接と基本は変わりません。重要なのは医療に関する知識やニュースの見識を広げておくことです。ここでは医学部面接の基本的な対策について解説します。
最低限のマナーは守る
面接には最低限のマナーがあります。マニュアルを丸暗記する必要はありませんが、最低限のマナーは守りましょう。
服装はリクルートスーツが好ましく、一礼とともに一言添えて入室します。以前は「失礼します」と言って入室するのが一般的でしたが、昨今では「面接試験に参りました」など目的を言って入室するケースもあります。背筋を伸ばして正しい日本語で話せば、それほど問題になることはありません。受験する大学の校風やルールに合わせて準備しましょう。
しかし頭では分かっていても、いざ本番となると緊張してしまってスムーズに立ち回れないこともあるかもしれません。面接が苦手な人は事前にシミュレーションを重ねて慣れておくのが重要です。緊張していること自体を理由に不合格にされる可能性は低いですが、マイナスな印象を与えることを避けるために対策しましょう。
志望先の募集要項に目を通す
オープンキャンパスに参加する
大学案内や大学のホームページを見るだけでは、大学の雰囲気や良さを感じることができません。大学のオープンキャンパスには積極的に参加しましょう。オープンキャンパスは、年に何度か開催されることが多いです。オープンキャンパスでは大学紹介や入試説明会の他、キャンパスツアーや模擬講義、実習体験、学生によるプレゼンや懇談会など、さまざまなイベントが開催されます。
面接で大学を志望した理由を尋ねられた際、オープンキャンパスに参加したことで、より進学したい気持ちが強まった経験があれば、熱意を面接官に伝えやすくなるでしょう。また、オープンキャンパスに参加することで、入学後の生活をシミュレーションことにもなり、受験に対するモチベーションも高められます。
模擬面接や面接対策指導に参加する
本番の面接に落ち着いて臨むためには、模擬面接で練習しておくことが効果的です。医学部の面接では医師としての資質を問われるため、入念な対策が必要とされます。
医学部入試では、1次試験に合格した後、2次試験まで数日しかない大学が少なくありません。せっかく最難関といわれる医学部の1次試験に合格したのに、面接対策が手薄だったということにならないよう、しっかりと準備しましょう。
医学部の面接は、医学部特有のポイントや大学ごとの特徴があるため、自分一人で対策するのは難しいです。医学部進学予備校では、学科試験対策だけでなく、面接対策のしっかりとしたサポートも行っています。自分で質問を予測して答えを考えるよりも、効率的な面接対策が可能です。医学部進学予備校が開講している面接対策指導への参加がおすすめです。
志望先に関連する医療知識やニュースをチェックしておく
全世界的もしくは全国的に話題になっている医療ニュースについては面接でも質問されやすいポイントです。一般的な知識を広く得ておくことは前提ですが、マスコミや世論に惑わされず自分なりの見解を持って面接に臨みましょう。
また、都道府県にはそれぞれ保健医療計画があります。志望先の所在県の計画には必ず目を通し、分からない点を調べておくことも大切です。面接では最先端の医療技術について詳しければよいというわけではありません。問題を多く抱えている地方医療や時事的なニュースにも目を通しておきましょう。
医学部面接で失敗しないための身だしなみ
面接を受ける際は、私服が認められている場合でも、なるべく制服やスーツ着用で臨みましょう。制服やスーツは汚れやほつれ、シワなどがないかを事前に確認しておきます。靴下やストッキングは、派手なものは避けましょう。スカート丈は膝が隠れる程度の長さ、ズボンは腰の上まで引き上げます。
髪型は、清潔感があることが大切です。男性は、額が見えるようにし、前髪で額を隠さないようにしましょう。黒髪・短髪で臨むのがおすすめです。派手な髪型は避けましょう。ジェルなどでセットした髪型も面接には適していません。女性は耳が見えるようにしておき、髪の毛が顔にかからないようにしましょう。前髪が長い場合はピンで留めます。ピンは、黒や茶などのシンプルなものを使いましょう。髪の毛は染めないようにします。
受験当日に必須の持ち物は、受験票、筆記用具、腕時計、スマートフォン、現金・交通系ICカード、試験会場までの地図、常備薬などです。その他に、使い慣れた問題集や参考書、お守り、メガネ、生徒手帳、受験する学校のパンフレットなども持っていくと良いでしょう。
医学部の面接は事前に入念な対策が重要
医学部の面接では医師としての資質を問われる質問が多く、入念な対策が必要不可欠です。しかし医学部特有のポイントや大学ごとの傾向があるため、自分1人での面接対策は難しいこともあります。
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