医学部コラム
【2021年最新】医学部倍率ランキング|倍率の意味と難易度の関係性とは
基本情報
2021/12/20(月)
(最終更新日2022/06/30)
近年では高まる医師の需要と比例するように医学部への志願者も増加しています。医学部受験の倍率も高くなっているため、倍率を見て「難易度が高そう」と思う人もいるかもしれません。
しかし、医学部の難易度を判断するには倍率以外にも見るべき部分があるのです。この記事では医学部の倍率と難易度がどう関係するかを解説します。また、医学部の系譜や合格倍率ランキングを国公立・私立に分けて紹介するので参考にしてください。
目次
1.医学部の倍率と難易度の関係
2.医学部の歴史・系譜
2-1.国公立大学
2-2.私立大学
3.医学部の倍率の推移
4.公立医学部の合格倍率ランキング
5.私立医学部の合格倍率ランキング
6.【2021年最新】国公立・私立医学部の志願倍率
7.医学部選びもメビオが全力でサポートします
医学部の倍率と難易度の関係
倍率には主に志願倍率と実質倍率(合格率)の2つがあります。志願倍率とは、募集定員に対してどの程度の志願者があったか示すもので、実質倍率とは受験者数に対してどの程度の合格者があったかを示すものです。しかしこれらの倍率が難易度と比例するかというと、必ずしもそうではありません。
医学部合格の難易度は倍率(受験者数)よりも、同じ大学を受験する受験者の学力レベルによって大きく左右されます。つまり自分より学力の高い受験者が多ければ難易度が高く、少なければ難易度が低くなるということです。
基本的にはいわゆる「旧帝大」と呼ばれる大学や、歴史・伝統のある大学に学力レベルの高い受験者が集まる傾向があるため、これらの大学は難易度が高くなります。
医学部の歴史・系譜
医学部の持つ歴史や伝統は難易度と大きな関連があります。以下で国公立大学と私立大学に分けて医学部の歴史・系譜について説明するので、難易度の高い大学を把握する参考にしてください。
国公立大学
国公立大学は旧帝大・旧医科大学・旧医専・新設医科大学とグループ分けされます。旧帝大は明治から昭和にかけ「帝国大学」として設置された北海道大学・東北大学・東京大学・名古屋大学・京都大学・大阪大学・九州大学の7つで、最も歴史のある大学です。
その後、1919年の大学令により千葉大学・金沢大学・新潟大学などの国立6大学と、公立の京都府立医科大学が医科専門学校から昇格して医科大学となりました。現在これらは旧医科大学と呼ばれます。
旧医専は戦時中の医師不足対策として設立された医学専門学校を前身とする弘前大学や群馬大学などの国立12大学、札幌医科大学などの公立7大学です。
新設医科大学は、地域による医療格差を是正するため1970年代に設立された大学です。旭川医科大学や秋田大学などの国立17大学、準大学の防衛医科大学校がこれに当たります。
私立大学
私立大学は私立御三家・旧医学専門学校・新設医大とグループ分けされます。私立御三家とは戦前からの長い歴史を持つ慶應義塾大学・東京慈恵会医科大学・日本医科大学の3つです。国公立大学が研究を重んじるのに対し、これらは臨床を重んじる大学として生まれました。
旧医学専門学校(旧設)とは御三家に続いて昇格した医学専門学校をルーツとする大学です。順天堂大学・昭和大学・東京医科大学・大阪医科大学・久留米大学・岩手医科大学・関西医科大学・東邦大学・東京女子医科大学がこれに当たります。加えて1942年に日本大学が専門部医学科から旧制大学医学部昇格の認可を受けました。
新設医大(新設)とは高度経済成長期の医療需要増加に対応するため1970年代に設立された歴史の新しい私立大学です。これには自治医科大学・杏林大学・北里大学などの16大学が属します。
医学部の倍率の推移
近年では医学部の新設が行われたことや、医師不足により地域での医療需要が高まった影響により医学部の定員は増加傾向にあります。
しかし、その定員増加をしのぐ勢いで志願者が増えているため志願倍率も増加しているのが現状です。これは一部の私立大学の学費が減額されたことや、メディアにより医療現場の深刻な医師不足が認知されたことなどが影響しています。
医学部の難易度を左右するのは倍率よりも受験者の学力レベルであると説明しましたが、近年では医学部偏差値の最低値もひと昔前より高くなっており、全体的に学力レベルの高い受験者が増加しているのが実情です。そのため、医学部の難易度は総じて上昇傾向にあります。
国公立医学部の合格倍率ランキング
文部科学省のデータをもとに、令和2年度の国公立大学医学部医学科の実質倍率を高い順に並べたランキングが以下です。
大学名 | 実質倍率 | |
---|---|---|
1 | 鳥取大学 | 6.1 |
2 | 奈良県立医科大学 | 5.64 |
3 | 旭川医科大学 | 5.47 |
4 | 愛媛大学 | 5.17 |
5 | 岐阜大学 | 4.92 |
6 | 島根大学 | 4.9 |
7 | 熊本大学 | 4.81 |
8 | 高知大学 | 4.59 |
9 | 香川大学 | 4.24 |
10 | 山口大学 | 4.17 |
11 | 広島大学 | 4.08 |
12 | 岡山大学 | 3.7 |
13 | 佐賀大学 | 3.67 |
14 | 山形大学 | 3.65 |
15 | 富山大学 | 3.62 |
16 | 鹿児島大学 | 3.46 |
17 | 北海道大学 | 3.44 |
18 | 新潟大学 | 3.41 |
19 | 秋田大学 | 3.39 |
20 | 琉球大学 | 3.38 |
21 | 東北大学 | 3.36 |
22 | 東京大学(理科Ⅲ類) | 3.35 |
23 | 東京医科歯科大学 | 3.25 |
24 | 札幌医科大学 | 3.23 |
25 | 弘前大学 | 3.2 |
26 | 筑波大学 | 3.19 |
27 | 滋賀医科大学 | 3.15 |
28 | 大阪大学 | 3.13 |
29 | 福井大学 | 3.04 |
29 | 信州大学 | 3.04 |
31 | 群馬大学 | 2.99 |
32 | 浜松医科大学 | 2.95 |
33 | 千葉大学 | 2.93 |
33 | 名古屋市立大学 | 2.93 |
35 | 長崎大学 | 2.9 |
36 | 宮崎大学 | 2.87 |
37 | 名古屋大学 | 2.77 |
38 | 三重大学 | 2.65 |
39 | 山梨大学 | 2.53 |
40 | 京都大学 | 2.52 |
40 | 福島県立医科大学 | 2.52 |
42 | 金沢大学 | 2.47 |
43 | 横浜市立大学 | 2.4 |
44 | 大分大学 | 2.36 |
45 | 神戸大学 | 2.32 |
46 | 九州大学 | 2.3 |
47 | 大阪市立大学 | 2.21 |
48 | 京都府立医科大学 | 2.2 |
49 | 和歌山県立医科大学 | 1.76 |
50 | 徳島大学 | 1.69 |
平均 | 3.35 |
出典:各大学医学部の入学状況及び国家試験結果等|文部科学省
このデータを見ても、一般的に難易度が高いといわれる東京大学、京都大学、大阪大学などの旧帝大の実質倍率はいずれも全体平均と同程度で決して高くないことが分かります。
また国公立大学には後期試験が用意されている大学もありますが、上記のランキングは前期・後期を合わせた数値をもとにしています。前期試験で不合格になった人が後期試験を受けるパターンが多いため、前期よりも後期のほうが倍率は高くなりやすいことも覚えておきましょう。
私立医学部の合格倍率ランキング
以下は、文部科学省のデータをもとに、令和2年度の私立大学医学部医学科の実質倍率を高い順に並べたランキングです。
大学名 | 実質倍率 | |
---|---|---|
1 | 帝京大学 | 30.43 |
2 | 東海大学 | 19.08 |
3 | 久留米大学 | 19.06 |
4 | 金沢医科大学 | 19.05 |
5 | 埼玉医科大学 | 18.98 |
6 | 日本医科大学 | 17.63 |
7 | 自治医科大学 | 15.68 |
8 | 日本大学 | 15.18 |
9 | 昭和大学 | 14.38 |
10 | 近畿大学 | 13.99 |
11 | 大阪医科薬科大学 | 12.85 |
12 | 産業医科大学 | 12.7 |
13 | 順天堂大学 | 11.6 |
14 | 獨協医科大学 | 11.06 |
15 | 福岡大学 | 11.04 |
16 | 関西医科大学 | 10.32 |
17 | 藤田医科大学 | 9.92 |
18 | 杏林大学 | 9.77 |
19 | 愛知医科大学 | 9.7 |
20 | 岩手医科大学 | 9.43 |
21 | 国際医療福祉大学 | 9.4 |
22 | 東邦大学 | 8.9 |
23 | 東京医科大学 | 8.2 |
24 | 聖マリアンナ医科大学 | 7.96 |
25 | 兵庫医科大学 | 7.95 |
26 | 川崎医科大学 | 7.71 |
27 | 北里大学 | 7.15 |
28 | 東京女子医科大学 | 6.51 |
29 | 慶應義塾大学 | 5.82 |
30 | 東京慈恵会医科大学 | 5.61 |
31 | 東北医科薬科大学 | 4.87 |
平均 | 11.64 |
出典:各大学医学部の入学状況及び国家試験結果等|文部科学省
私立大学は国公立大学よりも実質倍率が高く、全体で見ると3倍以上の開きがあるのが特徴です。1位の帝京大学に至っては実質倍率30倍と非常に競争率が高くなっています。医学部を設置している大学数および合計の定員数は私立大学のほうが少ない一方で、合計の志願者数は国公立大学の4倍程度になっているという状況です。
私立大学の受験方法には大学によって一般とセンター利用の2種類があり、それぞれ前期・後期が用意されているケースもあります。国公立大学の場合と同様、いずれも前期より後期のほうが実質倍率は高くなり、大学によっては倍率が100倍を超えることもあるでしょう。
【2021年最新】国公立・私立医学部の志願倍率
2021年度の医学部の志願倍率は国公立・私立ともに前年と同程度となっているようです。一方、福島県立医科大学や和歌山県立医科大学などは倍率が大幅にアップする中で、横浜市立大学は倍率が半分程度になるなど大学によって差が出ています。
こうした倍率の変動は毎年ありますが、先述の通りそれが合格の難易度と必ずしも関連しているわけではありません。志望先の志願倍率が変動しても一喜一憂しないようにしましょう。
医学部選びもメビオが全力でサポートします
倍率だけではなかなか難易度がわからない医学部受験。確実に合格を目指すなら、医学部受験一筋、40年の実績を誇るメビオにご相談ください。医学部選びやスケジューリング、少人数指導、常勤講師による丁寧な質問対応など、メビオ独自のノウハウで合格をサポートします。
私立医学部の特殊な設問や地方による入試の違いなど、目まぐるしく変化する受験状況にも的確な対応が可能です。ぜひ、メビオ校舎での体験学習や公式サイトからの資料請求をご利用ください。