受験機会を増やし、入試直前まで個に対応した指導で 多くの大学に合格。
Dさんの場合(2015年卒)
東京慈恵会医科大進学。
他に、山口大医学部、杏林大医学部、東京医科大、日本大医学部、愛知医科大、大阪医科大合格。
Dさんは一浪で薬学部に入学。しかし4月半ばになって、医学部をめざそうと考え直してメビオを訪れました。受験した私立医大の中で一次合格できたのは3つだけ。Dさんは「国公立をあきらめ私立医大の決め打ち対策を」と考えていました。二浪目でもあり、どこの医学部でもいい、東京の大学であればさらにうれしいという謙虚なものでした。代表の神尾は、センターでの社会の得点が9割を超えていたこと、6割5分しか得点できなかった国語に関してDさんが苦にしていないことを考慮。「国語と社会の負担はそれほど大きくはない、絞るのはもったいない、私立医大のセンター利用枠も考えて受験校を増やした方が得策だ」と考え、Dさん、そして保護者と話し合いながら方針を立てていきました。
①国公立二次試験・上位私立医大の入試に対応できる数学・英語・理科の実力を養う。②国語・社会の勉強は続けてセンター試験での高得点をめざす。③個々の私立医大の癖のある出題に対しては受験直前まで対応していく。という方針を出しました。受験スタートのセンターでは900点満点で92%の得点率。前年を77点上回る得点です。国語は196点でした。私立医大の受験開始と並行するかたちで国公立の出願校の選定に入り、センターでほぼ100%合格の可能性が考えられる山口大医学部に出願。Dさんが最後まで自信を持てなかった科目は数学でした。「実力はついたが、どんなにできた時でも『全然だめです』と答えるような数学アレルギーだった」と1年間数学を担当した高橋。杏林大医学部の入試終了後に、数学が全くできずに落ち込んでいるDさんに高橋は「高得点は取れない難しい問題だから、解けなかったことを気にしないでいい。総合成績で合格しているよ」と励まし日本医科大を勧めましたが、数学が難しいと評判の受験は受け入れてくれませんでした。これ以上数学でダメージを受けると、山口大の二次試験にも影響すると考えてしまったのです。しかし杏林大医学部は正規合格。そして次々と私立医大の一次合格を獲得していく中で、Dさん本人が東京慈恵会医科大の受験に踏み切る決断をしたという報告が入りました。
直ちに教務は東京でのDさん個人の慈恵直前対策授業を組みました。大阪から英語の上田昭夫を派遣。独特の癖と思考力を要する、前半の問題への対応を指導しました。文法内容は基礎的だが、ほぼ見たことのない単語が出題されてくる。そのどこに手がかりがあるかを見つけ出すためのアドバイスです。このアドバイスは、短時間でありましたが効果がありました。後半の和訳や英作文は、国立対応で十分鍛えられていた内容です。「持っていたスピードに、メビオの授業で正確さと深さを加えたDさんが、思考力を要する慈恵の受験で負けるはずはない」。1年間担当した上田には自信がありました。 数学は亀井が担当。慈恵だけは旧課程受験生には考慮しないため、新課程からの『複素数』の範囲が出題される可能性がないとはいえません。そのためDさんは出願はしたものの、受験には躊躇していたのでした。亀井はこの範囲からの出題はないと読んではいましたが、大事なのはリラックスした状態で数学の入試を迎えることだと考えました。Dさんの気持ちを安定させるために、亀井はコンパクトな直前対策テキストではなく、基礎から応用までを含んだ複素数のテキストを、6年以上前のファイルから引き出して準備、2日間にわたって解説。Dさんは集中授業を楽しんでいました。結局『複素数』は出題されず、東京慈恵会医科大そして山口大医学部に合格しました。