持ち前の直観・センスを裏付ける論理を鍛え、 苦手な英語をも克服。
F君の場合(2017年卒)
関西医科大進学。
他に、近畿大医学部合格。
中堅公立高校出身で、勉強らしい勉強をしたことのない受験初心者だったF君。物腰は柔らかく、どこかふわふわしたところがありながら、意外と性格的にきっぱりとしたところもありました。食べ物の好き嫌いが激しいところにもそんな一面が現れていました。高校時代はあまり勉強をしていませんでしたので、一浪で入会してきた時点では、F君なりのやり方で好きなところをつまみ食い、といった状態。メビオの春期講習は下位クラスからのスタートでした。春期講習は、本科での受験に向けた勉強の足がかりとなる基本中の基本をスピーディーに固め直す内容です。素直に講師の話に耳を傾けられるF君は、それまで散らかっていた頭の中をある程度整理することで、めきめき頭角を現していきました。
本科前期からは、「少し上のクラスで鍛えた方が良い」という春期担当講師の判断もあり、中堅クラスで勉強することになりました。「勉強が楽しくなってきた」といって、よく講師に質問をしていました。これも初心者ならではの素直さという強みなのでしょう。「むずかしいですねー」と言いながら楽しそうに勉強するF君でしたが、得意の数学では「センスは良いが、計算がふにゃふにゃ」、「細かい処理になると手を抜こうとする」といった弱点が露わになりました。口癖のように「方針は合っているから」と言い訳するF君に対し、講師の鷹合は「答えが合っていなければダメ」と言い続けました。それでも「まあ符号が違うだけですし」などと言い放つあたり、どこまでも前向きでしれっとしたF君らしいのですが、どうも直観・センス頼みで、論理的に詰めていく作業が不得意でした。
夏期から私立志望の最上位クラスに上がったF君に対して、数学の高橋はある程度直観頼みのスタイルを認めつつ、少しずつ根拠を持って答えられるように指導。それは難しい問題に対してあきらめが早いという姿勢に対しても同様でした。苦しくなるとすぐに顔を上げるF君に対し、高橋は手を使って「あと30秒待て」というジェスチャーを送ります。そして「あと1分」、「あと5分」と少しずつこらえる時間を長くしていくことで粘り強く考える姿勢に誘導したのです。
苦手だった英語も夏の終わりには偏差値が30も上がりました。講師の上田は英語の考え方を軸に指導することで、単純暗記の苦手なF君が「わかる」楽しさを感じられるように授業を行いました。講師の平沢は「知識がない分、文脈で素直に単語の意味を考えられる」F君の長所を褒めて伸ばしつつ、知識不足を少しずつ補うように指導。近畿大医学部推薦入試に向けて勉強を始めると、間違えた問題をひとつずつ講師と検討して知識の穴を埋めていきました。ゲーム好きなF君にとっては過去問をこなすという実践的な勉強が肌に合っていたのでしょう。はじめは半分も取れなかったのが、何とか7割を越えるまでに成長したのです。
近畿大医学部推薦入試を見事突破して勢いに乗ったF君は、その後も努力を続けて関西医科大に合格。高橋曰く、「感覚のよさに裏付けができた」ことが勝因でしょう。様々なタイプの生徒に合わせて、指導方法を柔軟に使い分けることができる講師陣の存在はF君の劇的飛躍に少なからず役立ったのではないでしょうか。