チーム力がもたらした、最高の結果。
C君の場合(2017年卒)
和歌山県立医科大進学。
他に、国際医療福祉大医学部・藤田保健衛生大医学部・近畿大医学部・兵庫医科大合格。
関西の有名私立進学校出身のC君。「考える力は高く、頭の回転が速い。うまくいけば、国公立医学部も十分に可能性がある」。これは、春期講習の初回の授業を終えた直後の各講師共通の感想。素質は申し分ないと皆思いました。
しかし、授業を進めていくうちに、各科目でC君の弱点が露呈しはじめます。「解ったらよし」としてしまう傾向が強く、「解る」と「できる」の境界がC君の中では曖昧だったのです。 英文法担当の上田は、英語の基礎構造を教える初期段階から、その理解がどう入試問題につながっていくかC君に訴え続けました。数学では手元がやや雑で、要領の悪い解き方に固執してしまうというのが、C君の弱点でした。数学担当の高橋は、C君が新しい技を一つでも多く習得して使えるようになることを念頭に、様々な視点から一つの問題を解きほぐしていきました。しかし同時に高橋は、要領の悪い解き方でも何とか突破してしまうところに、逆にC君の可能性を見出していたのです。
また、全体的な底上げが必要な科目は化学でした。内容の大枠をセンスよくすぐにつかんでしまうのですが、そこで終わってしまうため知識が乏しかったのです。化学担当の亀井は、本質的な理解を最優先にしながらも、辛抱強く知識面での強化を図りました。処理力が高いというC君の長所を最大限発揮するためにも、それが不可欠でした。もちろん、合格の可能性を広げるのは本人の資質、そして努力です。それに各担当講師が全力で後押しをしていきます。しかし国公立医学部受験となると、出願校決定が大きな鍵を握ります。
メビオでは、特に国公立出願校選択に際して、すべての教科の担当講師と本人が一同に顔を合わせ、皆が納得するまで議論します。私立の入試も始まりつつあるなか、1年で最も忙しい時期ではありますが、十分に時間をとり、あらゆる角度から可能性を検討していきます。センター試験の得点や、予想志願者数、その中での位置といった情報も重要ですが、それだけで判断するのではなく、膨大に積み上げられた赤本の山を前に、1年間担当してきた生徒がそれぞれの大学特有の設問にどれだけ戦えるのか、想像力の限りをつくしてシミュレーションを行います。そして出した答えは、C君の場合は和歌山県立医科大でした。この場面に限らず、メビオでは生徒一人ひとりの現状、可能性について、科目の垣根を越えて講師が意見を交わします。入試は各科目の合計点で争われますが、それを最大値にもっていくには、必ずしも各科目で最大限の成果を上げればよいというものではありません。いわゆるチーム意識をもって「この生徒にとって何が必要か」をとことん議論し、指導の方向性を共有していきます。
そして見事、和歌山県立医科大合格。その結果はC君の力を考えると当然の結果のように思われますが、担当した講師それぞれにとっては、改めて感慨深いものでした。