【講評】藤田医科大学[後期] 入試問題分析
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メビオ講師コラム
2022/03/05(土)
2022年度 藤田医科大学[後期] 講評
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英語
【第1問】 [文法・語法4択] (標準)
頻出の語法・イディオムの知識が幅広く問われており、総じて標準的な良問。確実に得点したい。
【第2問】 [語句整序] (やや易)
英文法の基本をしっかり理解できていれば、正解できる良問。確実に得点したい。
【第3問】 [長文総合] (やや易)
「AIを用いた面接」に関するインタビュー記事を基にした長文。前期と同様の出題形式で、内容や話題となっている状況に関する推測能力が問われる。
【第4問】 [長文総合] (やや易)
「嵐がバリアー島の景観変化に及ぼす影響」に関する英文。前期と同様の出題形式で、内容や話題となっている状況に関する推測能力が問われる。
【第5問】 [長文総合] (標準)
「道具使用と言語能力との関連」に関する英文。説明問題は根拠とすべき箇所を特定する手がかりは見つけられるが、どこまで記述すべきかの判断に迷うかもしれない。また一部日本語として仕上げるのが難しい箇所も含まれる。
【第6問】 [長文中英訳] (標準)
「異常気象による都市部における鉄砲水のリスク増加」に関する英文中の和文英訳問題。英文中に若干単語のヒントがあり、基本となる英文構造を予想することも比較的容易である。
●総評
マーク部分、記述部分ともに、昨年度後期よりも取り組みやすい。記述部分の出来で差がつくだろう。1次合格のための目標は65%
数学
【問題1】 [小問集合]
設問数は前期と異なり例年通りの10個に戻った。難易度は昨年度後期より難化した。計算量や処理量の多い問題が並び、解法は思いつくもののしっかりと正解を導くことは難しかっただろう。処理の精度の差により受験生の得点はばらつきそうである。(2)(5)(8)(9)(10)は典型題で計算量も標準的であるので今回のセットの中では落とせない。できない問題はどんどん後回しにしてできる問題で稼げるだけ稼ぐべきである。
【問題2】 [空間図形] (難)
空間図形の問題であるが、展開図から立体を組み立てないといけないので苦手な人は非常に苦労したであろう。立体の概略がつかめてもDFが平面Pと並行だと勘違いすると正解できない。計算は必要な平面での断面を切り抜いてきて、三角形の相似から比を決めていくのが簡単である。基本となるベクトルを3つ決めて、すべての点をそれらのスカラー倍の和として決定していく方針でも求めることができる。その際も対称性などから明らかに成り立つ事実は取り込んで、計算を簡単にする工夫は必要だろう。
【問題3】 [複素数平面、極限] (やや難)
大きさが等比数列的に縮んでいくベクトルの和についての問題。典型的出題であるが、大きさの比や角度の変化量をパラメータとして軌跡を求めさせているところがユニークである。(1)(2)は落とせない。(3)(4)は色々な解法が考えられるが、いずれにしても範囲や除外点の議論が必要で、完答するのは容易ではないだろう。
●総評
昨年度後期と比べると、全体として難易度は上がっている。小問集合については作業量が多く、方針が立ったとしても制限時間内に高得点はとりにくい。また、問題2で立体がイメージできず(1)からお手上げとなった受験生も多かったと予想される。1次合格のための目標点は50%
物理
【第1問】 [力学:箱の中の物体の運動] (やや難)
2物体が衝突を繰り返す問題設定自体は受験生には馴染みのあるものだが、内壁の間の距離や、一方の物体の質量を逆算する設問は珍しい。衝突時に、重心に対する相対速度が各物体でそれぞれ-e倍されること、などを用いて効率よく解答したい。
【第2問】 [力学:回転する粗い斜面上の物体が滑る条件] (標準)
遠心力のはたらく物体について、摩擦力が0となる条件や物体が滑り出す条件に関する問題である。問4までは標準的であるが、問5では悩んだ受験生も多かったかもしれない。
【第3問】 [原子:原子核反応] (標準)
典型的な原子核反応の問題だが、問題文を読むと、反応直後α粒子が十分離れていないときに、質量減少分のエネルギーが運動エネルギーに変化したと読めてしまう。クローン力の位置エネルギーを持っている状態では静止エネルギーが解法されておらず、問4、問5の導出で混乱した受験者もいたのではないだろうか。問4の導出には、問4のあとの情報が必要だと思われる。
【第4問】 [波動:マイケルソンの干渉計] (やや難)
標準的な干渉の問題。L1、L2の大小関係を決めるのが難しいが、L1>L2ことに気付けば完答することも可能。
●総評
総じて昨年度後期と難易度は変わらない。それぞれの問題では、第1問が6割、第2問が8割、第3問が8割、第4問が6割取れれば十分。全体での目標は60%
化学
【第1問】 [陽イオンの定性分析] (標準)
陽イオンの定性分析の問題。問2の溶解度積の計算問題では√2の値が与えられていなかったり、問5で酸化数の変化のない反応で反応前後の酸化数を答えさせたり、さらには実験4のろ液に加えたNaOH由来のイオンが含まれていたりと、少し戸惑う問題も含まれていたが、それ以外は標準的。
【第2問】 [平衡] (やや易)
平衡に関する基本的な問題。バランスシートを書いて質量作用の法則により未知数を決定する典型題である。平衡定数の変化についてもル・シャトリエの原理から直ちにわかる。この問題は落とせない。
【第3問】 [小問集合] (やや易)
組成式決定・弱塩基の電離度・熱化学の3題だったが、どの問題も解き方で悩むものはなかっただろう。問1はうまく整数比にできたかどうか、問2は体積の単位の換算を忘れなかったかどうかなどが正解不正解の差に繋がるだろう。
【第4問】 [構造推定] (標準)
オーソドックスな構造推定問題であり、良問。基礎からのきちんとした勉強ができているかどうかが得点に現れただろう。なお本問は2019年度後期の第4問のリメイク版となっており、概ね同じ問題だったため演習していた受験生はちょっと驚いたかもしれない。
【第5問】 [芳香族化合物] (標準)
窒素を含む芳香族化合物についての問題。記述より化合物Cがフェノールで化合物Dがそれをニトロ化した化合物であると読めればあとは一息に解いていけただろう。最終的な生成物ある化合物G(アセトアミノフェン)が解熱鎮痛薬であることを知っていたら、一層解きやすかった。
【第6問】 [核酸] (標準)
核酸についての知識を問う問題。難易度としては易〜標準レベルだが、きちんと対策していたかどうかで差がつきやすい分野である。水素結合の形成の要素については、どの原子がどのような電荷を帯びているかを考えて解答したい。
●総評
2021年度後期から問題数は変化なかったが、計算量も少なく取り組みやすい問題が並んだ。差がつくとすれば有機分野だろうか。丁寧に取り組んで、70%以上を確保したい。
生物
【第1問】 [水分調節] (標準)
問6は、生物よりもむしろ化学の知識が必要であり、計算量も多いので、後回しにするのが正解だろう。それ以外は基礎的な内容であるため、得点しておきたい。
【第2問】 [生殖・発生] (やや難)
インプリンティングについての知識があり、問題文を丁寧に読解できれば解答できるが、制限時間の中でその作業をこなすのは難しかっただろう。
【第3問】 [インスリン合成] (やや難)
問題文と図をしっかり解釈できれば解答できるが、注意力と正確な処理力が求められる。
【第4問】 [遺伝子の発現調整] (やや難)
メチル化についての知識がないと苦しかっただろう。
●総評
全体的にしっかりとした読解力と、正確な処理力が求められる。60分という制限時間の中で、いかにうまく立ち回ることができたかどうかで差がついただろう。後期試験という狭き門であることを考慮すると、目標は60%
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