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医学部受験を検討! 他学部受験との違いや私立と公立の入試方式について

基本情報

2021/12/13(月)

(最終更新日2022/06/30)

将来医者になることを目指している人にとって、避けて通れないのが医学部の受験です。医学部に入学してからも実際に医者として活躍できるようになるまでは長い道のりが待っていますが、そもそも医学部受験を突破できなければスタートすら切れません。

医学部は数多くある学部のなかでも、最難関といわれる学部です。少子高齢化が進む状況にあって学生の獲得に苦慮する大学が多いなか、ほかの学部と比べて人気も高い状況が続いています。

受験する人が多ければ多いほど競争率は高くなり、入試倍率は数十倍になることも珍しくありません。医学部に進みたいと考えているのなら、まずは受験の詳細を知ったうえで対策を立てることが大切です。

この記事では医学部受験を検討している方に向けて、主に他学部受験との違いも含めて詳しく説明します。同じ医学部の受験でも国公立と私立による違い、各入試方法の内容に対する疑問についても解決できるところまで紹介しますので、医学部を受験する際は参考にしてください。

医学部受験と他学部受験の違い

全国の大学には実に多彩な学部があり、ほかにも難易度の高い学部は存在します。そのなかでも医学部は特に偏差値が高く、ハイレベルな戦いが繰り広げられている学部です。それだけ医学部受験には高い学力が求められます。

たとえば2019年度まで実施されてきたセンター試験の結果をみると、一般的な学部で求められる正解率は60%程度でした。医学部についていえば7科目平均で90%の正解率が求められており、他学部受験との差は歴然です。

他学部の受験なら十分合格ラインを超える程度の点数を取れていたとしても、医学部の合格ラインには到底及ばないということも珍しくありません。医学部を狙うなら最低でも90%以上正解していなければチャンスは低くなるため、2020年度からはじまった大学入試共通テストでも満点を目指すくらいのつもりで受験する必要があるでしょう。

しかし、それだけの正解率を得る学力をつけるのは簡単ではありません。独学で勉強するだけでは難しく、多くの家庭で早いうちから医学部を受験できる学力をつけるために学ぶ環境を整えています。

もちろん他学部受験でも塾に通うなど、多くの人が受験対策の勉強をしているでしょう。医学部の受験を目指す場合は普通の塾ではなく、医学部受験のノウハウを持った専門の塾や予備校に通ったり、家庭教師をつけたりして勉強することが一般的です。

国立受験と私立受験の違い

医学部受験では、一般入試のほかに学校推薦型(推薦入試)や総合型(AO入試)も実施されています。特に国公立大学では、学校推薦型や総合型の導入が進んでいることが特徴です。調査書や本人記載の志望理由書等の提出を求められるケースも増えています。

近年では地方の医師不足を解消し地域医療を担う人材育成のための方法として、医学部受験時に地域枠を設けている大学も増えています。地域枠を利用して医学部に入学する場合、卒後後の一定期間はその地域の指定医療施設で勤務することなどが条件になっています。国公立・私立どちらも地域枠を設けているところがありますが、国公立大学の方が多く採用しているようです。

地域枠に出願できるのは地元出身者や現役生などに限られているケースが多いため、浪人生を含めて全国から志願者が集まる一般入試に比べると合格率は高めです。国公立大学では地域枠かつ学校推薦型を実施しているところも多く、2020年度の入試では全国50大学のうち39大学で行われました。

私立大学でも学校推薦型や総合型は行われていますが、一般入試での募集人数の方が圧倒的に多く8割程度です。私立大学の一般入試は理科科目を重視する傾向が強く、現役生ではなかなか受験までに十分勉強ができないことも珍しくありません。そのために国公立大学に比べて浪人生の割合が多いことも特徴です。

入試倍率

国公立と私立

入試方式

国公立受験でも私立受験でも、大学入学を目指して受ける試験という点では同じです。しかし実際にはさまざまな面で違いがあり、同じように考えていると太刀打ちできないことも考えられます。合格に向けて対策を立てるためにも、特徴や詳細をしっかり把握しておくことがポイントです。

国公立大学は大学入試センター試験に代わって2021年度から導入がはじまる大学入学共通テストを最初に受験し、その後に志望する大学の二次試験に臨みます。国公立大学では「二段階選抜」が行われるところが大きな特徴です。いわゆる「足きり」であり、大学入試共通テストの得点で上位からの規定人数内に入っていなければ二次試験が受けられません。

二次試験は前期・後期の2回にわかれていますが、募集人数は前期日程が全体の約3分の2を占め、後期日程は規模を縮小しつつあります。代わりに学校推薦型や地域枠、総合型などが増加傾向です。

私立大学の入試方式は一般入試が基本です。私立大学では特に大学入試共通テストを利用する必要はないものの、取り入れるところが拡大しています。2020年7月時点で国内にある31の私立大学医学部のうち、2021年度の入試で大学入試共通テストを活用する予定の大学は17校です。

なかには大学入試共通テストが必須となっている医学部もあるため、受験する大学によって対策を検討しなければなりません。近年では学校推薦型の入試方式を採用する私立大学も増えつつあり、入試方式は多様化しています。

国公立と私立

国公立の医学部では、まず大学入学共通テストで5教科7科目を受験することがスタートです。その際「基礎を付した科目」である理科Ⅰは受験できません。先述したように医学部に合格しようと思えば、まずここで90%以上得点しておくことがポイントです。そのためには苦手科目を作らず、どの科目もまんべんなく勉強する必要があります。

二次試験の受験内容は大学によって異なり、国公立の前期と後期で同じような試験が行われるとも限りません。一般的には前期日程の学科試験で英語と数学、理科2科目にプラスして面接が課されるところが多いですが、なかには国語が受験科目に入ってくる大学もあります。理科は物理・化学・生物の3科目から2科目を選んで受験するところがほとんどです。

後期試験では小論文または総合問題が出題されるとともに、面接も行われます。小論文で出題されるテーマは医療分野だけにとどまらず、自然科学分野や時事問題まで幅広いため、医学部ごとの傾向を把握しておくことが大切です。

共通テストを採用しない一般入試を採用する私立大学においては、学科試験が英語と数学および理科の物理・化学・生物の3科目から2科目を選択して受験する形が基本です。加えて小論文や面接が実施されます。

国公立と同じく小論文のテーマは医療分野だけではなく、全く関連のないテーマが与えられることがあります。受験する大学の傾向を踏まえながら、どのようなテーマを与えられても柔軟に答えられる判断力や対応力を身につけておくようにしましょう。

まとめ

医学部受験は他学部とは比べものにならないくらい入試倍率が高い難関です。求められる学力も高く、大学入試共通テストでは90%以上を正解できなければ合格するのが難しいかもしれません。

1人1校しか出願できない国公立大学とは違い、複数出願できる私立大学では入試倍率が15倍にもなります。医学部受験を検討しているのなら目標とする大学の傾向を押さえ、適切な対策を立てて勉強することが大切です。

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