医学部受験一筋医学部進学予備校メビオ

第3回 OB対談 平野大輔氏

第3回 OB対談 平野大輔氏

メビオ卒業生

メビオ講師コラム

2018/11/20(火)

これまで38年間のメビオを支えてくださった方々、現在のメビオを支えている講師、医療の現場で活躍している卒業生など、関わりのある方々との対談などを通じてメビオの姿を紹介していきます。

第3回はメビオ主任講師 亀井真人とOB 平野大輔氏の対談です。

生徒・講師が共に振り返る、あの一年。

医師と弁護士のダブルライセンスをお持ちの平野大輔先生。入会時から進学まで平野先生の担当講師を務めたのは、主任講師の亀井でした。終始、笑いが絶えずなごやかに行われた、メビオ在籍時を振り返っての師弟対談です。(以下 敬称略)

1997年 メビオ入会
1998年 東京慈恵会医科大学進学
    同校卒業後、那須赤十字病院外科医局勤務を経て、
2014年 中央大学法科大学院卒業・司法試験合格
    同年11月 司法修習生
2015年 弁護士登録

メビオ史上、最も伸びた生徒。

亀井
平野君は“メビオ史上で最も伸びた生徒”だと講師の間では語り継がれている存在。
でも入会当時は、何も知らない生徒だったでしょ?(笑)

平野

高校はケンブリッジだったんで、日本のような模試はないのですが、
校内の学力テストでは、偏差値80とかだったんです。
なのに帰国して受けた全統模試の結果は30いくつ……
「これは、どうしたことか!?……どうしたものか!?」(笑)と。

亀井
入会テストの成績は良くなかったので、春期講習では最も下のクラスからのスタートだったよね。
講習が始まって間もなく、関数の理論を教えた萩原が、授業中の休憩時間に講師ルームに戻って来て
「平野は、上のクラスで学ばせるべきだ!」と。
それでクラス編成の時期を待たずに、すぐに一番上のクラスで学んでもらうようにした。 “正しく訓練は受けていないが、
能力はすごい”と、どの講師も分かっていたと思う。

“図を描け”が思い出。

亀井
勉強することで、知らないことがどんどんつぶれていく、って快感だったのでは?

平野
僕、よく勉強してましたっけ?
うーん……そんなに勉強、勉強って感じではなく、
楽しい話をしてもらってるっていうか。
「勉強しろ」と言われた覚えもないですよ、とくに亀井先生には。
問題を解いている時に僕の席まで来て「……図を描け」って。
それくらいだった。

亀井
その指導は、変わらず続けている。
今も昔も図を描かない生徒って本当に多い。
「数学はイメージすることが大事。
式だけで解いては、だめ」って。
ひたすら図を描かせている。

平野
先生が出したお茶の水女子大の過去問が面白かった。
図を描いて解いていくと、 最後はその図が“円”になる。
だから、解答を確かめなくても、その図を見れば正解の確信が持てるという……。

どんな解法も大歓迎。

亀井
興味を引く面白そうな問題を用意する、
そしてその問題に驚くべき別解が存在することを見せる。
この二つだけで、平野君は喜んで勉強してくれたから。
だから、「勉強しろ」と言わなくてもよかった。
実際、力もついていったし。数学は、楽しんだ人が勝つ。

平野
授業で習った解法ではなく、違う方法で解いたことがあって———
その時「この解き方で合っているよ」って亀井先生が言ってくれた。
それはよく覚えています。
教える先生がその場で解法の正誤を判断できなければ、多分、
「この解法はダメ」って言われたのではないかな。

亀井
それは、教える側に必要な能力。
どんな解き方をされるか分からないので、即時に判断をしないといけない。
違う解法で正解を出しているのに、“×”をつけると不信感を抱かれてしまうから。
どんな解法でも正しければOK。それが面白いものならばさらに歓迎。
でも最終的には、最もうまい解法を身につけるのが大事。
実際、平野君の解法は面白くて
「こんな解き方した! なかなか思いつかないよな、すごいよな」
と、平野君の答案を講師ルームで回覧していた。
すると「おおっ! この子、冴えてるね」とか、反応がすごくて。
講師も平野君が出す解法を、楽しんでいた。

平野
それは知りませんでした。うれしいです。

無駄のなさに惹かれた。

平野
イギリスから帰国して最初の入試の時、会場で配布していた公式集を見て、
ここで勉強したい!って思ったんです。
ペラッと薄いのに、「コレだけでいい!」って内容だった。

亀井
あれは、私が作りました(笑)!

平野
亀井先生だろうと思ってました(笑)! 
無駄がない——そういうコンセプトですよね、あれは。

亀井
削いで、削いで———ということに注力したから、
そう言ってもらえてうれしい。分かってくれる人がやっぱりいたんだな。
入会の動機が公式集だったと知っていたら、
平野君には、実力判定テストを課さなかったかもしれない(笑)。
「そうか! 君はこの公式集の真価が分かるか! 
それを分かる君は、素晴らしい! それだけで十分だ!」ってね、
即座に入会許可を出してた(笑)。

亀井が残している19年前の成績ファイルを囲み、大いに盛り上がる3人。
高橋元(右)は季節講習で平野先生の物理を担当。今もSNSを通し交流が続いている。