兵庫医科大学は兵庫県にキャンパスを構える私立大学です。兵庫医科大学の医学部に合格するためには入学試験の傾向を把握し、それに合わせて効率よく学習を進める必要があります。この記事では、兵庫医科大学医学部の試験の傾向と受験対策・勉強法を詳しく紹介します。

兵庫医科大学は1972年に開学し、同じ年には兵庫医科大学病院も開院しました。1995年には阪神・淡路大震災に見舞われるものの、その後もさまざまな施設や設備を充実させています。2022年4月には兵庫医療大学と統合し、医学部と薬学部、リハビリテーション学部、看護学部の4学部を持つ医療系総合大学として新たなスタートを切りました。

【所在地】兵庫県西宮市武庫川町1-1
【学生数】705名（2022年5月1日時点）
【公式サイト】https://www.hyo-med.ac.jp/
【アドミッション・ポリシー】本学は、建学の精神ならびに目的、使命、教育目標ならびに学位授与の方針（ディプロマ・ポリシー）、教育課程の編成方針（カリキュラム・ポリシー）を理解し、主体性をもって学び医療専門職者を志す学生を求めます。また、学生を適正に選抜するために多様な選抜方式を実施します。また、高等学校までに修得すべき「関心・意欲・態度」「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」は学力試験などで判断します。

【6年間の学費】3,700万円

「兵庫医科大学医学部の試験科目・募集人数・受験料・出願期間、入試日程・会場アクセス、受験者数・合格者数など詳細情報はこちら」

高1生

医学部に入るためには高校1年生のうちから以下のことに取り組むことが重要です。

まずは高い学力を身につけるために、授業に真剣に取り組み、定期的な復習を行いましょう。数学や英語に特に力を入れることが必要です。 英語は文章に易しめの医学系が扱われるため、医学に関連する本やウェブサイトを読んで知識を広めることも大切です。また高大接続型の受験資格である英検2級相当の資格を取ることも視野に入れ準備しましょう。

さらに、ボランティア活動や病院見学など医療現場に触れる機会を増やし、医師の仕事や現実を理解することも意義があります。

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高2生

高校2年生の場合は、以下のことに取り組むことが重要です。

まずは学力向上に注力し、特に数学や英語を重点的に学びましょう。 予習や復習を欠かさず行い、定期的なテストや模試で自己の理解度を確認しましょう。 また、学校の進路指導や受験情報を活用して、医学部受験に必要な科目や内容を把握しましょう。

さらに、医療に関連するボランティア活動や研修プログラムに積極的に参加し、医療現場の実践的な経験を積むことも重要です。 英語力を高めるために和訳や英訳の添削を受ける機会を設けることもおすすめです。

最後に将来の進路や大学選びについての情報収集を始め、必要な準備や対策を進めることも大切です。  

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高3生

高校3年生の場合は、以下に注力することが特に重要です。

まずは受験勉強に集中し、医学部入試に必要な科目や範囲を徹底的に理解しましょう。

過去問題や模擬試験を解いて実践力を養い、苦手分野を克服する努力を惜しまないようにしましょう。また、志望校の出願要件や受験情報を確認し、必要な書類や面接対策の準備を行いましょう。同時に、継続的なボランティア活動や病院見学など医療現場での経験を積み、自身の意志や目的を深めてください。英語はリーディングに加え和訳や英訳の練習を行いましょう。

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英語

傾向分析

兵庫医科大学医学部の英語は例年、大問が5題出題されていました。2023年度の試験では1問減り、大問が4題になったことから、時間的には余裕を持って解答できる問題量になっています。試験時間は90分、選択式・記述式が併用された解答形式です。

英作文は表現に工夫が必要な出題で、やや難易度が高い問題でした。3問出題された医学系長文では文法や語句整序問題など比較的取り組みやすい問題も含まれ、難易度はやや易しい、または標準レベルです。

受験対策・勉強法

長文総合問題はそれほど難易度の高い問題ではありませんが、内容は医学系のトピックです。長文総合問題は、2023年度の試験で3問出題されています。基礎を固めたうえで、日頃から医学用語になじんでおくと有利になるでしょう。

英作文の対策は過去問などを参照し行います。難しい日本語は簡単な言い回しに変換して考える、無理して1文で書こうとせず2文に分けて英文を作ってみるなど、適宜柔軟に対応できる力をつけておくことが重要です。

数学

傾向分析

兵庫医科大学の数学は試験時間90分、全問記述式で大問が3題出題されます。大問1は小問集合で、2023年度の試験では小問5問のうち4問は基本問題でした。大問それぞれ、最後のほうの設問は難易度が高くなっています。

出題範囲は数Ⅰから数Ⅲまでとなっていますが、頻出問題は微分・積分や確率、数列です。2023年度の試験では大問2で複素数平面が出題され、難易度は易～やや難レベルでした。大問3で出題された数列の問題は、易～標準レベルの問題です。

受験対策・勉強法

数Ⅰから数Ⅲまでまんべんなく勉強しておく必要がありますが、特に頻出問題の微分・積分や確率、数列などは重点的に学習しましょう。基本の公式や定理などを理解し、答えだけではなく途中過程もしっかり理解しておいてください。

計算力や処理能力を高め、複雑な計算が出てきても粘り強く取り組めるよう演習を重ねることも大切です。典型的な問題が解けるようになったら、過去問で出題傾向を把握しつつ、入試レベルの問題演習を重ねていきましょう。

化学

傾向分析

兵庫医科大学の化学は大問が3題出題され、各大問に共通のテーマがあります。解答形式は記述式で、計算問題には指示があるため解答する際は従わなければなりません。制限時間は理科2科目で120分です。

頻出分野は有機化学や無機化学で、2023年度の試験では大問3で有機化学が出題されました。ただ生命の化学に関する分野もよく出題されるなど、どの分野からも出題され融合問題が多いのも特徴です。2023年度の試験では全体的に問題が易化していました。

受験対策・勉強法

頻出の有機化学や無機化学、生命の化学は、基本的な内容をしっかり覚えておく必要があります。難易度が高い問題を正解できれば得点を稼げるのはもちろんですが、問題が易化している分、易しい問題や標準レベルの問題は落とさないことが重要です。

まずは基礎レベルの問題集などを使用し、徹底的にこなしていきましょう。基礎固めをしっかり行ったうえで、医学部受験に必要な発展レベルの問題や過去問演習などに進んでください。

物理

傾向分析

兵庫医科大学の物理は大問5題が出題されます。力学・電磁気・波動・熱力学・原子の分野から出題されますが、原子分野の代わりに力学や電磁気の分野から2題出題される年度もあります。2023年度は大問5で原子核反応が出題されています。

制限時間は理科2科目で120分、解答形式は主に記述式ですが，グラフの描図，空所補充，論述式の問題も出題されます。物理は時間のわりに分量が多めであるため、時間配分に気を配る必要があります。2023年度の難易度は標準レベルからやや難レベルの問題で構成され、前年度より難化しました。

受験対策・勉強法

公式や定義はただ覚えればいいのではなく、なぜそうなるのかしっかり理解して基礎固めをしておくことが大事です。兵庫医科大学の物理では計算過程やグラフを書かせる問題も出題されます。また、論述問題も比較的多く出題されます。論述の解答を書く練習もしておくとよいでしょう。

計算に時間がかかる問題も多いため、1問目から順番に解くのではなく，解きやすい問題から先に解答するようにしましょう。また、効率よく計算できる方法も身につける必要があります。標準的な問題が解けるようになったら過去問演習を通じて時間配分の練習をするとよいでしょう。

生物

傾向分析

兵庫医科大学の生物は大問5題が出題されますが、大問1は小問集合、残りの大問はテーマごとの出題です。生物の体内環境や遺伝子、進化などの頻出分野はあるものの、ほぼ全ての分野から出題されます。出題形式は全問記述式で、計算問題や選択問題、空所補充問題のほか、論述問題や年度によっては描図問題も出題されます。論述問題に至っては、合計文字数が600字前後もあります。

また兵庫医科大学の生物は問題数が多いため、各問題に時間をかけ過ぎないようにしましょう。過去問演習のときにはきちんと時間をはかり、時間配分の練習もしておくのもおすすめです。

受験対策・勉強法

幅広い分野から出題されるため、抜けなく学習しておく必要があります。兵庫医科大学の生物は前述のとおり、論述問題の分量が非常に多く、難易度も高いため、得点しやすい知識問題で取りこぼすことがないよう、普段から生物に興味を持ち、用語や生物の名称も正確に覚えておくことが大切です。まずは教科書や基礎問題集、資料集などを使い、しっかり基礎固めを行ってください。

高得点を狙うためには、論述問題の対策も進めておかなければなりません。試験時間がタイトなため、短時間で解答を作成し、部分点をとりにいく必要があります。とくに文字数を指定される出題が多いため、頻出の論述問題については、指定の文字数で的確に解答する練習をしておきましょう。

小論文

傾向分析

試験時間は60分、指定字数は現代文的設問＋500字で、配点は50点です。現代文的な設問があるものの、ふだん現代文の勉強をしていない受験生でも問題なく合格している印象です。テーマは多岐にわたり、科学系・社会問題系の文章が中心で、直接医療について論じている文章はむしろ少ないです。

2023年度
久野愛『視覚化する味覚―食を彩る資本主義』より抜粋
2022年度
NHKスペシャル取材班『縮小日本の衝撃』より抜粋
2021年度
エドワード・O・ウィルソン『若きの科学者への手紙』より抜粋

面接

傾向分析

【一般選抜A】
形式は個人面接で、試験時間は8分、配点は100点です。2020年度から面接に100点の配点が割り当てられるようになりました。ただ、そのことで2次試験の通りやすさが大きく変わったり、それまでに見られなかったような逆転現象が見られたり、といったことは特に起きていないようです。 内容はごくふつうの個人面接ですが、試験時間は館内放送で厳密に管理されており、試験時間を越えて面接官が質問をしたいと感じた場合には、2回目の面接が行われることがあります。
【一般選抜B】
形式は個人面接＋課題型面接という形で2回面接が行われ、試験時間は8分＋8分、配点は 40点となっています。 個人面接は【一般選抜A】と同形式・同内容です。課題型面接は、MMIに近い内容になっており、想定された状況に対して、どのように対応するのかが問われます。  

兵庫医科大学医学部の2023年度入試では、生物が明らかに難化していたものの、全体的には基本的なレベルから標準レベルの問題の割合が増えました。そのため、いかに抜けなく、基本的な知識を身につけていたかが結果を左右したと考えられます。

全体では難問レベルの問題は減っていますが、それによりほかの受験生との差がつきにくくなっています。2023年度の兵庫医科大学入試、各科目の講評および全体総括の詳細は以下をご覧ください。

兵庫医科大学 各科目の講評および全体総括はこちら

自分と向き合う大切さを学んだ

2023年兵庫医科大学進学／山岡 瑚夏(甲南女子高等学校卒)

兵庫医科大学医学部の特徴は？

兵庫医科大学は「EMPOWER THE PEOPLE ～心に響く医を、私たちがいるかぎり～」がスローガンです。多職種連携教育（IPE）が充実し、3年次には4学部合同のチーム医療演習が設けられています。医学教育センターや臨床統括センターなどがあり、学生教育支援も手厚いのが特徴です。

兵庫医科大学医学部の難易度はどれくらい？

兵庫医科大学医学部は、西日本の私立大学医学部の中では中程度の難易度です。ただし、近年の医学部人気で私立医学部の偏差値が軒並み高止まりしていることから、理系学部の中で見ると、早稲田大学や慶應義塾大学の理工学部より高いレベルが求められます。こちら以前メビオ様から共有いただいた資料を基に執筆しました。

兵庫医科大学医学部の受験対策や勉強法はどうすればいい？

兵庫医科大学医学部合格を勝ち取るためにはまず自分の現在の学力を知っておく必要があります。自分の得意・苦手分野のほか、各科目における習熟度や理解度を正確に把握したうえで、ここまで解説してきた勉強方法を取り入れることが重要です。

兵庫医科大学医学部の2022年度入試では難問レベルが減り、基本から標準レベルの問題が増えました。ただし、こうした出題傾向は変わる可能性があるため、油断は禁物です。メビオの模試では大学別の公開模試を実施しており、都度自分の習熟度や理解度を確認できます。受験勉強の道しるべとして、ぜひ活用してください。

大学別模試はこちら