医学部コラム
医学部で留年が多い理由は? 留年する人の特徴や対策方法を解説
留年
2021/12/21(火)
(最終更新日2025/02/27)
せっかく医学部合格を勝ち取っても、留年してしまう人は毎年少なからず存在します。医学部は、6年間という長期間勉強することに加えて、勉強量が膨大・難しいという理由から他の学部と比べて留年する人が多いといえるでしょう。今回は、医学部で留年する人の特徴や対策方法などを解説していきます。
目次
1.医学部は一単位でも落とすと留年するケースが多い
1-1.試験の難易度は授業(教授)によって差がある
2.医学部の留年率
2-1.国公立
2-2.私立
3.医学部の留年が多い理由や増加している理由
3-1.進級規定のハードルが高い
3-2.燃え尽き症候群になりやすい
3-3.医師国家試験合格率への影響
3-4.各科目の難易度が高い
4.医学部で留年するデメリット
4-1.学費の負担が増える
4-2.医師になるまで時間がかかる
4-3.退学の可能性がある
4-4.医学部で留年することはデメリットだけではない
5.医学部生活で重要なこと
5-1.サークル活動や部活動に打ち込みすぎないように注意
5-2.日々しっかりと勉強する
5-3.授業や実習には真剣に向き合う
6.医学部入学後の勉強方法
6-1.日々の授業や実習を大切にする
6-2.交友関係を広げておく
6-3.教授とは良い関係性を作っておく
7.医学部の受験対策ならメビオがおすすめ
医学部は一単位でも落とすと留年するケースが多い
大学を卒業するためには、決められた期限内に決められた数の単位を取得しなければなりません。医学部以外の学部であれば、一単位落とすと即留年ということにはなりませんが、医学部ではそれが起こりえます。
なぜなら、医学部とその他の学部では、履修の期限に違いがあるからです。履修期限とは、「この学年の間にこれだけの単位を取ってください」という決まりのことで、医学部以外の学部であれば、1~2年生の間に3単位などある程度の余裕を持たせてあります。
しかし、医学部は1年生のときから全教科が必修科目であるケースが少なくありません。学校により留年条件に違いはあるものの、一科目でも落としたら進級できない恐れもあります。
試験の難易度は授業(教授)によって差がある
単位を取得するためには、ただテストで基準点を上回ればいいということではないという点も注意が必要です。教授の考え方によって単位取得の条件は異なり、出席状況や授業態度、レポートの質などを重要視する方もいれば、テストの成績のみで判断する方もいます。
単位をくれるかどうか、進級できるかどうかは、その授業を担当する教授によって異なり、また同じ教授でも毎年同じ評価基準であるとも限りません。そのため、受講する年度で難易度が変わることも考えられます。
単位をしっかり取得して6年できっちり卒業したいのであれば、今までの教授の評価基準をリサーチして、それに応じた対応策を採ることが大切です。
医学部の留年率
ここからは医学部の留年率について、国公立と私立にわけて紹介していきます。目指している大学の学生はどの程度留年しているのか、チェックしてみてください。
国公立
国公立の留年率は約14%といわれており、留年せずに卒業できるのは約86%です。大学によっては進級率が100%近いところもあるので、一概には言えませんが1/3程度は留年すると理解しておくとよいでしょう。
岡山大学、名古屋大学などは進級率95%以上なので、留年率がかなり低いといえます。他にも、東北大学・東京大学・名古屋大学・京都大学・大阪大学・九州大学の旧帝大といわれる大学は、比較的進級率が高く、留年する人は少ない傾向です。
私立
私立の場合、大学によって進級率に大きく幅があることが特徴です。順天堂大学や東北医科薬科大学、国際医療福祉大学、慶応義塾大学などは国公立と同じぐらいの高い進級率がありますが、進級率が65%程度の大学も存在します。
その年の学生の質、進級基準などによっても左右されますが、慶応義塾大学・東京慈恵会医科大学・日本医科大学の私立医大御三家とよばれる大学は比較的留年率が低いといわれているので、参考にしてみてください。
医学部の留年が多い理由や増加している理由
近年、医学部の留年が多いといわれています。ここからは、そもそも医学部の留年が多い理由や増加している理由について解説していきましょう。
進級規定のハードルが高い
医学部の進級規定は他の学部と異なり、かなり厳しく設定されています。通常であれば、2年間で取得すればよいと決められているものが、一年間で必ずこれだけの単位を取得しなければならないというルールになっているので、一つでも落とすとすぐに留年が決定するという大学も少なくありません。
また留年後、自分が落とした単位だけ取得すればよい大学もあれば、単位数がリセットされ、一から必要な単位数を全て取り直さなければいけない大学もあり、単位取得のプレッシャーは大きくなります。
燃え尽き症候群になりやすい
医学部受験は他の学部の受験と異なり、何年も必死に勉強することが求められます。そのため、受験競争を必死で勝ち抜いて医学部に合格してきた人が多く、医学部合格がゴールとなってしまい燃え尽き症候群になるケースも少なくありません。勉強に対する熱が冷めた、どうしてもやる気にならないなどの理由で、留年という結果になってしまうのでしょう。
特に低学年で学ぶ基礎医学は科目数が多く、難易度も高いのでつまずく人が多く、そこから持ち直せないパターンが多い傾向にあります。
医師国家試験合格率への影響
留年は必ずしも学生側だけの問題ではない場合もあります。医学部の学生は、6年間の勉強を終え医師国家試験を受験し合格することで晴れて念願の医師となれますが、大学側にとってもこの医師国家試験合格率は大学人気を計るバロメーターです。
より多くの学生に受験してもらうために、合格率を下げたくないのが大学側の本音なので、このまま試験を受けると不合格になってしまうリスクがある学生をあえて留年させるといった方法を取る場合があります。特に私立大学によく見られる傾向です。
各科目の難易度が高い
医学部で学ぶ科目は、他の学部に比べて科目数が多く、各科目の難易度も高いです。基礎医学で学ぶ解剖学・生理学・生化学などは、覚えるべきことが多くカバーする範囲も膨大なので、ついていけなくなってしまうことも少なくありません。
また低学年は基礎医学、中学年は臨床医学、高学年になると臨床実習も始まり、座学と実技の両方をこなしていく必要があることも、留年が多い理由の一つでしょう。
医学部で留年するデメリット
医学部で留年するデメリットは4つあります。ここからは一つずつ詳しく解説していくので、ぜひチェックしてみてください。
学費の負担が増える
留年すると、一年間余分に学費がかかるので、卒業までのトータル費用がかさみます。大学によって学費は異なるのであくまで目安ですが、国公立であれば50万程度、私立であれば300~700万程度が留年した分だけプラスされると思っておきましょう。
実家ではなく一人暮らしをしている場合は、学費にプラスして生活費も一年間余分に必要になるので、かなりの額に跳ね上がります。ただでさえ医学部は国公立私立問わず学費が高額なので、留年することでさらに金銭的負担がかかる点は大きなデメリットです。
医師になるまで時間がかかる
医師国家試験に合格したからといって、すぐに医師として病院で勤務できるわけではありません。研修医として各科に配属され、そこで2年間医師としての経験を積んだ後にようやく一人前の医師としてデビューできます。
18歳で入学、留年せずにストレートで卒業したとしても医師になれるのは最短でも26歳、専門医であれば30歳です。一般的な社会人で言えば、26歳は入社4年目で後輩の指導にあたることも珍しくないでしょう。留年すると、医師になれる年齢がどんどん後ろ倒しになり、多くの時間を勉強だけに費やすことになります。
退学の可能性がある
一般的な医学部であれば、本来の在籍期間の2倍の年数までは在籍可能としているところが多いです。つまり医学部であれば6年間×2で最長12年間まで在籍ができるでしょう。ただし、大学によって在籍期間は異なるので、就学規定などでよく確認してみてください。
また、「同じ学年で3回以上留年すると退学」のように在籍期間ではなく留年回数で制限を設けている大学もあります。その場合は在籍期間に関わらず退学させられるパターンもあるので注意しましょう。
医学部で留年することはデメリットだけではない
医学部に入ったからには、医師国家試験に合格して医師免許を取得することが当面の目標となります。そのために学生はもちろん、教授たちも学生に知識を与えようと必死になってくれるでしょう。その結果、このままであれば医師国家試験に合格できないと判断されてしまうことももちろんあります。
つまり、留年には「不合格になると分かっていながら医師国家試験を受けさせるよりは、進級させずにもう一度勉強させる」という教授たちの配慮という面もあるでしょう。そのため留年率が高い大学は、国家試験の合格率が高い傾向にあります。
医学部生活で重要なこと
医学部生活で重要なことは3つあります。当たり前のこともありますが、医学部合格を目指す方は今一度読み直して、心に刻んでおきましょう。
サークル活動や部活動に打ち込み過ぎないように注意
医学部の授業やテストは暗記を必要とするものが多く、繰り返して覚える時間を取ることが大切です。科目数も多いため、しっかりと勉強時間を確保できるかどうかが留年しないためのカギとなります。
大学受験は一発勝負なので、地頭と要領の良さで合格できたとしても、医学部卒業はそう簡単にはいかないでしょう。勉強が得意で今まで苦労したことないという人に限って、留年してしまうケースは少なくありません。
日々の努力の積み重ねが結果につながるので、これまで試験に落ちたことがないというような人でも、おごることなく毎日勉強するようにしましょう。
日々しっかりと勉強する
医学部の授業やテストは暗記を必要とするものが多く、繰り返して覚える時間を取ることが大切です。科目数も多いため、しっかりと勉強時間を確保できるかどうかが留年しないためのカギとなります。
大学受験は一発勝負なので、地頭と要領の良さで合格できたとしても、医学部卒業はそう簡単にはいかないでしょう。勉強が得意で今まで苦労したことないという人に限って、留年してしまうケースは少なくありません。
日々の努力の積み重ねが結果につながるので、これまで試験に落ちたことがないというような人でも、おごることなく毎日勉強するようにしましょう。
授業や実習には真剣に向き合う
医学部では座学での授業以外にも、解剖実習や病院実習などの実技科目が存在します。座学の成績がいくら良くてもそういった実技科目での態度が悪い、真剣さが感じられないとなると単位を落とすこともあるでしょう。
将来、患者さん一人ひとりと真摯に向き合って病気を治す職に就くのだという意識を忘れずに、どのような授業であっても手を抜かずに取り組んでください。
授業の進行を妨げるような行為は当然のこと、手を抜いたり不真面目な態度で参加したりしても単位を落としてしまう可能性があるため十分に気を付けて臨みましょう。
医学部入学後の勉強方法
医学部の学生は、入学後は無事に卒業するために継続して勉強を続けなければなりません。ここからは医学部入学後の勉強方法について、3つのポイントを紹介します。
日々の授業や実習を大切にする
そもそも医学部に入学できるだけの学力がある学生しか、医学部には合格できません。医学部で学ぶ膨大な知識をきちんと理解できる、継続して勉強ができると認められたからこそ、合格しているはずです。
もちろん誰でも簡単に解ける内容が出題されることは少ないですが、それだけの学力があれば授業や実習などきちんと真面目に受けるだけで十分対応できます。留年することなくスムーズに進級したいのであれば、日々の勉強を怠らないようにしましょう。
交友関係を広げておく
医学部で学ぶ科目数はかなり多く、加えて実習があるため、医学部の学生は毎日効率的に勉強することが求められます。限られた時間の中で、どれだけ多くの知識を短時間で習得するかがカギとなるので、テストの傾向や過去問を事前に入手することが有効な対策となるでしょう。
そのため友人や先輩など幅広い交友関係を作っておくと、さまざまな情報がもらえ、試験対<>策に役立ちます。タテヨコ関係なくつながりを持っておきましょう。
教授とは良い関係性を作っておく
単位を認定するかどうかは科目の担当教授の判断で決まります。テストの成績は操作することはできませんが、授業態度などは日ごろの関係性が多少なりとも影響するかもしれません。真摯に取り組むのはもちろんですが、教授と良い関係性を作っておき、悪い印象を持たれないようにしておきましょう。 交友関係と同様、進級のために教授に媚びを売る必要はありませんが、無駄に目を付けられないように真面目な授業態度を心がけておくことが大切です。分からないことは積極的に質問しにいくなどすることも、好意的に受け取られるでしょう。
医学部の受験対策ならメビオがおすすめ
医学部は学ぶ科目数が多い、進級規定が他の学部と比べて厳しいなどという理由から留年する人が一定数存在します。留年すると、学費が増える、医師になるまでに時間がかかるなどといったデメリットも発生するので、できるだけ勉強時間を確保する、効率的に学ぶなどの工夫が必要です。
無事に医学部合格を勝ち取り、6年間の厳しい勉強生活に耐えられるだけの学力を身に付けるために、医学部受験に特化した医学部進学予備校メビオをおすすめします。
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