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東北医科薬科大学の傾向分析2019

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東北医科薬科大学2019

2019年度一般入試問題分析

英語

大問数は5題で前年度から変更なし。ただし大問4の正誤問題が同義語選択問題に変更された。私立医学部の問題としては特別にクセのあるものではなく,受験生にとっては解きやすいものと言える。いずれの大問も標準レベルに設定されているため,センター試験レベルのマーク式問題を得意とする生徒であれば高得点をとることは可能だろう。ただし熟語や文法・語法の知識が多岐にわたり出題されているので,日ごろから地道に暗記の努力を重ねてきた生徒でないと足元をすくわれることも考えられる。また長文の分量は増加傾向にあること,長文内容は医学・医療系が必ず出題されていることには注意しておきたい。日頃から新聞に掲載されるレベルの医学的知識や話題には関心をもっておくとよいだろう。医学用語への慣れがあるかどうかで読むスピードも大きく変わってくるので,対策しておく価値は十分にある。

大問 形式 難易度 内容
1 マーク ★★☆☆

長文総合:内容一致,適語補充

オプジーボのもたらす損益に関する英文。問1は内容一致,問2は空所補充5択,問3は空所補充2択,問4は下線部和訳の4択。いずれも標準的な設問である。

2 マーク ★★☆☆

長文総合:内容一致,文挿入,適語補充

揮発性有機化合物が大気に及ぼす影響に関する英文。問1は文挿入,問2は空所補充5択,問3は下線部同義語4択,問4は下線部和訳の4択。いずれも標準的な設問である。

3 マーク ★★☆☆

適語補充:語法・熟語

文法・語法・熟語の知識を問う5択問題が10問。レベルとしては標準からやや難。

4 マーク ★★☆☆

同義語:語法・熟語

短文中の下線部語句の同義語5択問題が5問。いずれも標準レベル。

5 マーク ★★☆☆

語句整序:和文あり

短文中の空所(7個~9個)に選択肢(8個~10個)の語句を並び替えて,和文に相当する英文を完成させる問題が5問。選択肢には不要な語句が一つ含まれる。いずれも標準レベル。

数学

小問集合は無く,3つの大問から構成される。数学3の微積分や場合の数と確率,数列の問題が頻出である。2018年までは,題意が把握しやすく,誘導や解法が平易である問題が多かった。ただ,計算にやや手間のかかるものが頻繁に出題されるため,丁寧に計算する力が問われていたと言ってよい。2019年は,2018年までとは異なり,考え方や解法選択によって得点が大きく変わるであろうセットとなった。典型問題を解くための計算力よりも,思考力が問われる出題内容に変化したと言ってよい。今後もこの傾向が続くとすれば,基本的な問題を解く訓練だけでは高得点は狙えないだろう。

大問 形式 難易度 内容
1 マーク ★☆☆☆

空間のベクトル

三角形の面積,線分の長さの最小値

2 マーク ★★☆☆

場合の数:数え上げの原則

対称性のある図形を塗り分ける場合の数

3 マーク ★★★☆

平面上の曲線:だ円

だ円の接線

化学

大問4つという構成および全小問数といった形式面においては前年度と比べて変化がほぼ無かった。とはいえ,計算問題の比率は下がっており,計算量も減っていた。だんだんと出題の難易度が落ち着いて来ているようだ。2019年度入試問題では差のつきやすい難易度の問題となっていたと言えるだろう。東北医科薬科大学の正誤問題の形式はすべての文章について正確に正誤を判断する必要があるため複数自信のもてない文章がある場合は他の問題に時間を割くようにするのが賢明だろう。また,2年前や前年度に引き続き化学に関わる人名が出題されているため,単に問題演習を積むだけでなく,図録や参考書などで化学史に触れ,知識の厚みを増しておきたい。

大問 形式 難易度 内容
1 マーク ★★☆☆

化学結合,酸化還元:電子軌道,分子の立体構造,分子間力,COD

1つの大問にまとまっているものの,問1~4と問5,6は別のテーマであり,繋がりがなかった。このうち問3,4の正誤問題は正しい文章の個数が指定されておらず,難易度が高い。問5,6の計算問題をしっかり取れたかどうかで差がついただろう。

2 マーク ★★☆☆

アルカリ金属,15族元素:アンモニアソーダ法,ハーバー・ボッシュ法

アンモニアソーダ法,ハーバー・ボッシュ法アンモニアソーダ法の反応経路を中心にした知識および計算問題。どの出題も標準的かつ典型的な内容が問われていたため,得点を稼いでおきたい大問であった。

3 マーク ★★☆☆

油脂:油脂,セッケン,合成洗剤

油脂や界面活性剤に関しての知識問題と,油脂の構造推定の問題。正誤問題の形式は厄介であったが,問われている知識はあまり深くなかった。計算問題においては割り切れない数値でやや時間を取られるが,大問4とともに,落ち着いて取り組みたい。

4 マーク ★★☆☆

材料の化学:高分子化合物,浸透圧,リサイクル

高分子化合物に関しての知識問題および計算問題であった。どの問題も標準的であり,すぐに解法を思いついてほしいような問題が並んだ。大問3同様,落ち着いて取り組みたい。

生物

大問Ⅰは小テストレベルの超基本問題で,完答必須である。大問Ⅱは中間テストレベルで,一部を除き基本的なので,できるだけ完答を目指したい。大問Ⅲは最新テクノロジーの「CRISPR/Cas9(クリスパー・キャスナイン)」を扱った考察問題である。図説にもまだ載っていない話であり,興味をもっている生徒以外は名前も聞いたことがないだろう。問題文を読み取り,与えられた情報を適切に使って考えることができるかどうかで大きく差がつく。難しい大問の中にも基礎的知識でかなり対応できる設問もあるので,問題全体を見わたして確実に得点できそうなところをまず答える,といった問題のさばきかたにも慣れておく必要がある。目標は75%。

大問 形式 難易度 内容
1 マーク ★☆☆☆

生物の体内環境の維持:ホルモンと内分泌腺,腎臓のはたらき

 

2 マーク ★★☆☆

生命現象と物質:筋収縮とタンパク質

やや易しめの問題

3 マーク ★★☆☆

生物と遺伝子:遺伝情報とタンパク質の合成,バイオテクノロジー

 

物理

問題数は37問で,例年よりやや少ない。数値計算を要するのは最後の設問のみで,ほとんどが文字式を答える問題である。個々の設問の難易度は高くないものの,確実に正答するには時間を要するものもある。60分で全問を正確に解くのは難しいと言える。解く前から解法と答えの大まかな予想が立つ大問もあり(第3問),そのような設問から効率よく得点するのが理想である。第1問は易しい設問が多いが,手順が長い。高得点が見込めるとまでは言えない。第2問はグラフを選ぶ問題がやや難しい。第3問はよく知られた法則の導出が主題である。近似計算もシンプルで,易しい問題と言ってよい。

大問 形式 難易度 内容
1 マーク ★★☆☆

力学:円運動と単振動

等速円運動,単振動

2 マーク ★★★☆

電磁気:キルヒホッフの法則,コンデンサー

キルヒホッフの第2法則,コンデンサーに流れる電流

3 マーク ★☆☆☆

波動:光の反射・屈折・分散・偏光

反射の法則・屈折(平面・球面)の法則の導出

受験者数および合格者数推移

  受験者数 一次合格者数 二次正規合格者数 合格最低得点/満点 得点率
2019年度 1,575名 552名 281名 非公表 -
2018年度 1,673名 600名 227名 非公表 -
2017年度 2,042名 600名 256名 非公表 -

医師国家試験合格率推移

  全体 新卒
2019年度 非公表
2018年度 非公表
2017年度 非公表