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帝京大学医学部の傾向分析2023

2023年度一般入試問題分析

英語

大問1の英文は長い上に語彙・構文レベルが高いので、大問1から取り組むと慌ててしまう。しかし、大問2以降は比較的解きやすいので大問1は最後に回し、残り時間いっぱい使ってじっくり取り組みたい(消去法や文脈からの推測で正解に至ることができるものが多い。記述式の設問が少ないので時間配分の戦略は容易。また、少なくとも過去8年は形式が変わらないので、対策には過去問演習が効果的。)。大問2は、長文空所補充問題で、文脈が読み取れれば比較的易しい。接続副詞やイディオムの知識をしっかりと身につけていれば大丈夫。語句整序問題は典型的な問題が主体なので、解き易い。最初に取り組むべきと考える。また、受験日が3 日にわたるので、同じ形式で3回受験できる機会があり、形式、傾向、難易度共にほぼ同じ。できれば3日連続で受験してほしい。

大問 形式 難易度 内容
1

選択

★★★☆☆

【長文総合】適語補充、同義語、内容一致、要旨・要約

2 選択 ★★☆☆☆

【長文その他】適語補充

  選択 ★★★☆☆

【長文その他】内容一致

4 選択 ★★☆☆☆

【語句整序】和文あり

数学

(2科目で)120分という試験時間に対して、大問が4問出題されている。第1問を除いた3問については小問集合の場合が多い。形式は、全問答えのみを解答用紙に記入する形式である。例年、第1問は微積分(数学Ⅱ)の問題の場合が多い。その他では、場合の数・確率、整数の性質、いろいろな関数、数列、ベクトル、などが小問集合の中で満遍なく出題されている。2023年度については、第1問が微積分の問題。やや計算量があるため丁寧に解答したい。小問集合の内容は、三角関数の連立方程式、ベクトルの大きさの最大・最小、調べ上げる確率、約数の個数と最小公倍数、指数関数の最大・最小と対数の値の整数部分・小数部分であり、どの問題も得点差が出やすい。対策としては、教科書応用レベルの内容を完璧にすることが重要である。まずは教科書の節末、章末レベルの内容を確実にし、その後は入試基礎レベルの内容も演習するのがよいだろう。

大問 形式 難易度 内容
1 答のみ ★★★☆☆

【小問集合】
(1)曲線外から引いた接線の接点、(2)因数定理、微分法

2 答のみ ★★★☆☆

【小問集合】
(1)三角関数の加法定理、(2)ベクトルの置き換えと三角不等式

3 答のみ ★★★☆☆

【小問集合】
(1)確率、余事象の活用、平均と分散、(2)約数の個数、最小公倍数

3 答のみ ★★★☆☆

【小問集合】
(1)指数関数の置き換えと最大・最小、(2)対数の値の整数部分、小数部分

化学

大問4問構成で、試験時間は理科2科目で120分である。2021年度までは大問ごとに難易度の差が激しく、大問4問のうち1つはやや難レベルであったが、2022年度、2023年度はほとんどがやや易~標準レベルであり、非常に解きやすくなった。また、理論分野の割合が少なく、無機分野・有機分野の比重が非常に高くなった。しかし、この傾向が続くかどうかはわからないため、帝京大学を志望する場合は、過去問を通してやや難度の高い内容もしっかり勉強した上で、基本問題で確実に点数を取っていく姿勢で受験に臨む必要がある。過年度に遡れば、2020年度、2021年度と2年続いて有機化学で立体構造に関する大問(RS表記法、DL表記法)が出題されていることにも目を引く。見たことのない題材であったとしても焦らずに問題文をよく読み、落ち着いて解答したい。2023年度の難易度であれば80%は正解したいところである。

大問 形式 難易度 内容
1 記述 ★★☆☆☆

【熱化学方程式】
反応熱、ヘスの法則

2 記述 ★★☆☆☆

【無機物質】
金属イオンの分離

3 記述 ★★☆☆☆

【脂肪族化合物、芳香族化合物】
エステルの構造決定、芳香族化合物の性質

4 記述 ★★★☆☆

【高分子化合物】
合成高分子化合物

生物

帝京の生物は、大問数が2020年度までは4 題であったが、2021年度から3題となっている。解答形式は記述式であり、一部に用語や人名を答える問題が出されることがあるが、番号で答える選択式の問題がほとんどであり、マークシート式にしても差し支えないような出題が多い。ただし、近年は20~40字の論述問題が1問出題されている。また、計算問題が1~数問程度含まれる。大問ごとにテーマが決まっており、そのテーマに関する文章を最初に読ませてから問いに答える形式が典型的である。問1は、空欄にあてはまる適切な語を語群から選ぶ形式が多く、問2以降で下線部や実験に関して問われる。全体的には標準的な出題が多いが、計算問題や実験考察問題などでやや解きにくい出題も見られる。対策としては、まずは基礎から標準的な幅広い知識を身に着けておくことが最も重要である。その上で、計算練習や30字程度の短い論述練習をしておくとよい。

大問 形式 難易度 内容
1 記述 ★★☆☆☆

【生命現象と物質】DNA の複製、バイオテクノロジー

2 記述 ★★☆☆☆

【生命現象と物質】細胞の構造・細胞小器官、生体膜の構造とはたらき

3 記述 ★★☆☆☆

【生物の進化と系統】生物進化の歴史、進化の証拠

物理

大問はこれまで4問であったが、21年度からは3問に減少した。それに伴い、大問1問あたりの分量はやや増加した。大問3問の出題分野は「力学」「電磁気」「熱・波動・原子のいずれか」であり、難易度については、大まかに「やや易」「標準」「やや難」から1 問ずつ出題される。問題量は標準的。原則的に、3日間の試験日程のうち「素点の合計点」が最も高い日の成績が採用されるため、アタリ日・ハズレ日の存在する年度が多い。本学への志望度が高い受験生は、3日間の試験日程をすべてを受験するのがセオリー。目標得点率は「75%~80%」であり、具体的には、「やや易レベルの大問で完答、標準レベルの大問で1~2ミス、やや難レベルの大問で半分以上の正解」を目指したい。

大問 形式 難易度 内容
1 記述 ★★☆☆☆

【力学】はね返り係数、物体の落下運動
小球の自由落下と床でのはね返り

2 記述 ★★★☆☆

【電磁気】導体・誘電体の挿入、電気回路
RC 回路、コンデンサーへの誘電体の挿入、極板間引力

3 記述 ★★★★☆

【波動】光の反射・屈折・分散・偏光
光の屈折(アッべの屈折計)

受験者数および合格者数推移

  受験者数 一次合格者数 二次正規合格者数 合格最低得点/満点 得点率
2023年度 6,442名 非公表 223名 211/300 70.4%
2022年度 6,029名 非公表 171名 202/300 67.3%
2021年度 6,236名 非公表 172名 211/300 70.3%
2020年度 7,768名 データなし データなし 215/300 71.7%

医師国家試験合格率推移

  全体 新卒
2023年度 82.9% 88.6%
2022年度 89.0% 97.8%
2021年度 80.0% 93.8%
2020年度 79.4% 86.2%

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